環境に TZ が現れていない場合は、 tzfile(5) 形式のファイル /etc/localtime により指定されたローカル壁時計時間に最も近い近似値が用いられます。
環境に TZ が現れているがその値が null ストリングである場合には、 世界標準時刻 (UTC ) が用いられます ( うるう秒補正なしで )。
環境に TZ が現れ、その値がコロン (`:' ) で始まる場合は、それ以降の値が tzfile(5) 形式ファイルのパス名として用いられ、そこから時間変換情報が読み 込まれます。パス名の最初のキャラクタがスラッシュ (`/' ) である場合は、それは 絶対パス名として用いられます。それ以外の場合は、そのパス名はシステムの 時間変換情報ディレクトリに対する相対パス名として用いられます。
その値がコロンで始まらない場合は、それはまず ( 上に 説明したように ) 時間変換情報の読み取り用ファイルのパス名として 用いられます。そのファイルが読めない場合は、その値は時間変換情報の 直接的仕様 ( 形式は下に説明 ) であると解釈されます。
環境変数 TZ が tzfile(5) 形式ファイルを指定しておらず、直接的仕様と解釈できない場合は、 UTC が用いられます。
Fn tzsetwall 関数は、ローカル壁時計時間に最も近い近似値を返すように調整を行います。
std offset Bo dst Bq Em offset Bq , Em rule Bc
ここで:
hh Bo : mm Bq Em : ss Bc
分 (mm ) および秒 (ss ) を付けるのは任意です。時 は必要で、 1 桁の数字でも構いません。 std に続く offset は必要です。 dst の後に offset がない場合は、夏時間は標準時間よりも 1 時間進むものとみなします。 1 桁 以上の数字が使えます。値は常に十進数であると解釈されます。 時は 0 から 24 までの間、 また分 ( および秒 ) を指定する場合は 0 から 59 までの間でなければなりません。 先頭に (`-' ) が付いている場合は、時間帯は本初子午線の東となります。それ以外の 場合は、西となります ( 任意で先頭に (`+' ) を付けて指定しても構いません ) 。
date/time,date/time
ここで、最初の date は標準時間から夏時間への変更がいつ起きるかを表し、 2 番目の date はいつ元に戻すかを表します。それぞれの time フィールドは、 現在のローカル時間からもう一方の時間への変更をいつ行うかを表します。
date の形式は、次のいずれかです:
time は、先頭の符号 (`-' ) または (`+' ) が許されないこと以外は、 offset と同じ形式を持ちます。 time を与えない場合は、 02:00:00 がデフォルト値となります。
TZ 仕様に rule がない場合は、システム時間変換情報ディレクトリの中の tzfile(5) 形式ファイル posixrules により指定された規則が用いられ、標準時間および夏時間の UTC からのオフセットは TZ の offset 値で指定された値により置き換えられます。
System V Release 3.1 との互換性を持たせるため、 rule を残りの仕様から区別するためにセミコロン (`;' ) を使うこともできます。
/usr/share/zoneinfo/GMT ファイルが存在しない場合は、 UTC うるう秒は /usr/share/zoneinfo/posixrules からロードされます。