GROFF_MAN
Section: Environments, Tables, and Troff Macros (7)
Updated: 1 May 2003
索引
jman
索引
名称
groff_man - マニュアルページ生成サポート用 groff `man' マクロ
索引
書式
groff
-man
[
options...
]
[
files...
]
groff
-m man
[
options...
]
[
files...
]
索引
解説
groff
でマニュアルページを生成するのに使用される
man
マクロは、James Clark が書きました。
このドキュメントは、パッケージ中の各マクロの使い方を、短くまとめたものです。
索引
オプション
man
マクロは、次のようなコマンドラインオプションを理解します
(レジスタをいくつか定義します)。
- -rcR=1
-
本オプション (nroff モードではデフォルト) は、
複数ページの代りに、長い単一ページを出力します。
無効にするには、
-rcR=0
としてください。
- -rC1
-
コマンドラインに複数のマニュアルページを与えた場合、
それぞれのページ番号が 1 から始まるのではなく、連続した番号に
なります。
- -rD1
-
両面印字にします。
偶数ページと奇数ページのフッタは、異なった整形が成されます。
- -rFT=dist
-
フッタ位置を設定します。
負数の場合、ボトムからの相対位置であり、正数の場合、トップからの相対位置です。
デフォルトは -0.5i です。
- -rHY=flags
-
ハイフネーションフラグを設定します。
設定可能な値は、1 が制限無しのハイフネーション、
2 がページの最後の語をハイフネーションしない、
4 が語の最後の 2 文字をハイフネーションしない、
8 が語の最初の 2 文字をハイフネーションしないです。
値は加算可能です。
デフォルトは 14 です。
- -rIN=width
-
本文のインデントを
width
に設定します。
デフォルトは、
nroff
では 7n であり
troff
では 7.2n です。
nroff
では、一貫性のあるインデントを得るために、
この値は `n' の整数倍であることが必要です。
- -rLL=line-length
-
行の長さを設定します。
このオプションを設定しないと、行の長さは、
nroff モードではデフォルトの 78n に、
troff モードではデフォルトの 7.5i になります。
- -rLT=title-length
-
タイトルの長さを設定します。
このオプションを設定しないと、タイトルの長さは、
nroff モードではデフォルトの 78n に、
troff モードではデフォルトの 7.5i になります。
- -rPnnn
-
ページの数え始めを 1 ではなく
nnn
からにします。
- -rSxx
-
ベースドキュメントフォントサイズを
10 ポイントではなく
xx
ポイントにします
(xx
には 10, 11, 12 のいずれかが使用できます)。
- -rSN=width
-
副副見出しのインデントを
width
に設定します。
デフォルトは 3n です。
- -rXnnn
-
ページ nnn
の後のページを
nnna,
nnnb,
nnnc
などというように数えます。例えば、`-rX2' というオプションの場合、
ページを 1, 2, 2a, 2b, 2c というように割り振ります。
索引
使用法
このセクションは、マニュアルページ用に使用可能なマクロについて
述べています。さらにカスタマイズしたい場合は、
man.local
ファイル中に追加のマクロおよびリクエストを置いてください。
このファイルは
man
の直後にロードされます。
- .TH title section [extra1] [extra2] [extra3]
-
このマニュアルページのタイトルを
title
に、セクションを
section
に設定します。セクションは、
1 から 8 までの値をとらなくてはなりません。
section
値には、後ろに文字列を置くこともできます。例えば、
`.pm' とすると、マニュアルページの特定のサブセクションを
示します。
title
と
section
は、ともにヘッダ行の左端と右端に置かれます
(括弧でくくられた
section
が
title
の直後に付きます)。
extra1
は、フッタ行の中央に置かれます。
extra2
は、フッタ行の左に置かれます
(両面印字がアクティブになっている場合、偶数ページには
左に、奇数ページには右に、置かれます)。
extra3
はヘッダ行の中央に置かれます。
-
HTML 出力用には、ヘッダおよびフッタは完全に取り除かれます。
-
さらに、このマクロは改ページします。新しい行番号は、再度 1 に
なります (コマンドラインで `-rC1' オプションが指定されている場合を
除きます)。この機能は、複数のマニュアルページを整形する
場合のためだけにあります。マニュアルページが 1 つの場合、
TH
は、ファイルの先頭において、まさに 1 つだけ存在すべきです。
- .SH [text for a heading]
-
番号づけをしないセクション用の見出しを設定します。
これは左詰めになります。
SH
に続いたテキスト (
SH
に引数がない場合は次の入力行のテキスト) は、
行末までのものがすべてボールド体 (もしくは文字列
HF
で指定されたフォント) で、
そしてベースドキュメントサイズよりも 1 だけ大きなフォントサイズで
表示されます。
さらに、テキストの左側の余白およびインデントは
デフォルト値に戻されます。
- .SS [text for a heading]
-
番号づけしないセクションの 2 番目の見出しを設定します。
SS
に続いたテキスト (
SS
に引数がない場合は次の入力行のテキスト) は、
行末までのものがすべてボールド体 (もしくは文字列
HF
で指定されたフォント) で、
そしてベースドキュメントサイズと同じ大きさのフォントで表示されます。
さらに、テキストの左側の余白はデフォルト値に戻されます。
- .TP [nnn]
-
インデントされた、ラベルつきの段落を設定します。
インデント幅は、引数が与えられていれば
nnn
に設定されます (省略されていれば、デフォルトの単位は `n' です)。
そうでない場合、
TP,
IP,
HP
で指定された以前のインデント
(これらのいずれもが未使用の場合はデフォルト値) に設定します。
-
このマクロの後に続いた入力テキストの 1 行目は、
左詰めに表示する文字列として解釈され、
ラベルとして使用するのに適切なものとなります。
これは段落の一部であるとは解釈はされませんので、
引き続く入力行のテキストで 1 行目を満たそうとはしません。
それでも、ラベルがインデント幅ほど広がっていない場合には、
同じ行から段落が始まり (ただし、インデントはされます)、次の
行へと続いていきます。
ラベルがインデント幅よりも広い場合は、段落の説明部分は
ラベルの次の行から始まり、すべてインデントされます。
ラベルのフォントの形もサイズもデフォルト値には設定されない
ことに注意してください。これに対して、残りのテキストは
デフォルトのフォント設定になります。
-
TP
マクロは、あなたが今ちょうど読んでいるこの解説に使用されている
マクロです。
- .LP
-
-
.PP
-
-
.P
これらのマクロは、共通の別名です。
これらのうちのどれを使用しても現在の位置で行を打ち切ります。
そして、その後に
PD
マクロで指定した量だけ垂直方向にスペースを置きます。
フォントのサイズおよび形はデフォルト値に戻されます
(10pt ローマン体)。
最後に、現在の左側の余白の量とインデントを復元します。
- .IP [designator] [nnn]
-
インデントされた段落を設定します。その際、
designator
を段落の始まりに印をつけるためのタグとして使用します。
インデント幅は、引数が与えられている場合は
nnn
に設定されます (省略されていれば、デフォルトの単位は `n' です)。
そうでない場合、
TP,
IP,
HP
で指定された以前のインデント
(これらのいずれもが未使用の場合はデフォルト値) に設定します。
この段落 (ただし、指示子 (designator) を含まず) の
フォントサイズおよびフェースはデフォルト値に戻されます。
-
特定のインデントをするが指示子をつけない段落を開始するには、
第 2 引数に `""' (ダブルクォート 2 つ) を使用してください。
-
例えば次の段落は、`.IP \(bu 4' を用いて、すべて
指示子として中点をつけて設定されます。
ブロック全体が `.RS' と `.RE' で括られており、
左余白を一時的に現在のインデント値に設定します。
-
- *
-
IP
は、リストを整形するために
man
で使用される 3 つのマクロのうちの 1 つです。
- *
-
HP
は、また別のマクロです。
このマクロは、左側にぶら下げインデントされた段落を生成します。
- *
-
TP
は、また別のマクロです。
このマクロは、インデントされないラベルを生成し、その後に
インデントされた段落が続きます。
- .HP [nnn]
-
左側にぶら下げインデントされた段落を設定します。
引数が与えられている場合、インデント幅は
nnn
に設定されます (省略されていれば、デフォルトの単位は `n' です)。
そうでない場合、
TP,
IP,
HP
で指定された以前のインデント
(これらのいずれもが未使用の場合はデフォルト値) に設定します。
引数が与えられていない場合、デフォルトのインデント幅が
使用されます。
フォントサイズおよびフェースはデフォルト値に戻されます。
次の段落は、インデント幅を 4 に設定されているときの
このマクロの効果を示したものです。
ブロック全体が `.RS' と `.RE' で括られており、
左余白を一時的に現在のインデント値に設定します。
-
-
この段落は、
HP
マクロを実行したあとの段落です。
見ての通り、このマクロは、最初の行を除いた行すべてが
インデントされた段落を生成しています。
- .RS [nnn]
-
このマクロは、値が与えられていれば (デフォルト単位は `n' です)
その値だけ左側の余白を右に移動します。
そうでない場合、
TP,
IP,
HP
で指定された以前のインデント
(これらのいずれもが未使用の場合はデフォルト値) に設定します。
その後、インデント値は、デフォルトへ設定されます。
-
RS
マクロの呼び出しは入れ子にできます。
- .RE [nnn]
-
このマクロは、左側の余白を
nnn
レベルまで戻し、直前の左側の余白を回復します。
引数が与えられていなければ、
このマクロはレベルを 1 つだけ戻します。
第 1 レベル (すなわち、まだ
RS
を呼び出していない) は番号 1 を持っており、
RS
マクロを呼び出すごとにレベルが 1 ずつ増加します。
まとめると、次のマクロは、垂直方向にスペースを入れた
行の折り返しを行います (スペースの量は
PD
マクロを使用すると変更できます):
SH,
SS,
TP,
LP
(PP,
P),
IP,
HP
。
マクロ
RS
および
RE
も行を折り返しますが、垂直方向にスペースを入れません。
索引
フォントを設定するためのマクロ
標準フォントはローマン体です。そして、デフォルトのテキストサイズは
10 ポイントです。
- .SM [text]
-
同じ行にあるテキストあるいは次の入力行にあるテキストが、
デフォルトのフォントよりも 1 ポイントだけ小さいフォントで
表示されるようになります。
- .SB [text]
-
同じ行にあるテキストあるいは次の入力行にあるテキストが、
ボールド体のフォントで、そしてデフォルトのフォントよりも
1 ポイントだけ小さいフォントで表示されるようになります。
- .BI text
-
同じ行にあるテキストが、ボールド体とイタリック体を
交互に使って表示されるようになります。
テキストはマクロ呼び出しと同じ行にあることが必要です。
したがって、
-
-
.BI this "word and" that
という行は、`this' と `that' がボールド体で表示され、
それに対して `word and' の部分はイタリック体で
表示されます。
- .IB text
-
テキストが、イタリック体とボールド体を交互に使って
表示されるようになります。テキストはマクロ呼び出しと
同じ行にあることが必要です。
- .RI text
-
マクロ呼び出しと同じ行にあるテキストが、ローマン体と
イタリック体を交互に使って表示されるようになります。
テキストは、マクロ呼び出しと同じ行にあることが必要です。
- .IR text
-
マクロ呼び出しと同じ行にあるテキストが、イタリック体と
ローマン体を交互に使って表示されるようになります。
テキストは、マクロ呼び出しと同じ行にあることが必要です。
- .BR text
-
マクロ呼び出しと同じ行にあるテキストが、ボールド体と
ローマン体を交互に使って表示されるようになります。
テキストは、マクロ呼び出しと同じ行にあることが必要です。
- .RB text
-
マクロ呼び出しと同じ行にあるテキストが、ローマン体と
ボールド体を交互に使って表示されるようになります。
テキストは、マクロ呼び出しと同じ行にあることが必要です。
- .B [text]
-
text
がボールド体で表示されるようになります。
マクロが呼び出された行にテキストがない場合は、次の入力行の
テキストがボールド体で表示されます。
- .I [text]
-
text
がイタリック体で表示されるようになります。
マクロが呼び出された行にテキストがない場合は、次の行の
テキストがイタリック体で表示されます。
索引
その他
出力デバイス用のインデント幅は、troff モードでは 7.2n であり、
nroff モードでは 7n です。
grohtml
は例外で、インデントを無視します。
- .DT
-
0.5 インチごとにタブを設定します。
このマクロは常に
TH
リクエスト中で呼ばれるため、タブ位置が変更された場合に限って
呼び出すことには意味があります。
- .PD [nnn]
-
新しい段落やセクションの前のスペースを調整します。
オプションの引数は、スペースの量を与えます (デフォルトの単位は `v')。
パラメータ無しの場合、この値はデフォルト値に戻されます
(nroff モードでは 1 行で、それ以外では 0.4v)。
このリクエストは、
SH,
SS,
TP,
LP
(それぞれ
PP
および
P),
IP,
HP
マクロに影響を与えます。
- .AT [system [release]]
-
AT&T のマニュアルページを使用するためにフッタを変えます。
このコマンドは互換性のためだけにあるので、使用しないでください。
詳細は groff info マニュアルを参照してください。
- .UC [version]
-
BSD のマニュアルページを使用するためにフッタを変えます。
このコマンドは互換性のためだけにあるので、使用しないでください。
詳細は groff info マニュアルを参照してください。
- .PT
-
ヘッダ文字列を印字します。
ヘッダを制御するためには、このマクロを再定義してください。
- .BT
-
フッタ文字列を印字します。
フッタを制御するためには、このマクロを再定義してください。
次の文字列が定義されています:
- \*S
-
デフォルトのフォントサイズに戻します。
- \*R
-
「登録」マークです。
- \*(Tm
-
「商標」マークです。
- \*(lq
-
-
\*(rq
左および右クォートです。
これは、それぞれ `\(lq' と `\(rq' と同じです。
- \*(HF
-
見出しと副見出しを印字するタイプフェースです。
デフォルトは `B' です。
tbl
あるいは
eqn
のようなプリプロセッサが必要な場合、マニュアルページの
1 行目を次のように見えるようにする例になります:
-
.\ word
ダブルクォートの後には空白文字 1 つが入ることに注意してください。
word
は、必要なプリプロセッサを表す文字で成り立っています。
`e' は
eqn
を表し、
`r' は
refer
を、そして `t' は
tbl
を表します。
最近の
man
プログラムの実装では、この 1 行目を読んで自動的に正しい
プリプロセッサを呼び出します。
索引
関連ファイル
- man.tmac
-
-
an.tmac
これらは、
andoc.tmac
を呼び出すラッパファイルです。
- andoc.tmac
-
このファイルは、
man
マクロまたは
mdoc
パッケージのいずれを使用すべきかを判定します。
- an-old.tmac
-
全
man
マクロが、このファイルに含まれます。
- man.local
-
ローカルの修正とカスタマイズは、このファイルに入れます。
索引
関連項目
man
マクロは、
groff
リクエストの集まりでできていますので、原理的には、
必要がある場合には自己流の
groff
リクエストを作って
man
の機能を追加することができます。
すべてのリクエストの完全な参照は、groff info ページを参照してください。
tbl(1),
eqn(1),
refer(1),
man(1)
索引
作者
このマニュアルページは、本来 Debian GNU/Linux システム用に
Susan G. Kleinmann <sgk@debian.org> が書いたものです。
それを Werner Lemberg <wl@gnu.org> が修正し、更新しました。
それが今では GNU troff 配布物の一部になっています。
索引
Index
- 名称
-
- 書式
-
- 解説
-
- オプション
-
- 使用法
-
- フォントを設定するためのマクロ
-
- その他
-
- 関連ファイル
-
- 関連項目
-
- 作者
-
Time: 07:07:33 GMT, January 12, 2009