次のオプションを使用可能です:
-n と -i のフラグは排他であり、 ホストが実際に接続されているネットワークを引数として要求します (networks5 を参照してください)。 どちらのフラグも指定しないと、全ネットワークに対して待機します。
-M と -F のどちらのフラグも指定せずに実行中の は、スレーブのままです。 -F フラグを指定しないと、 は全マシンを信頼できるものとします。
ユーティリティによって提供されるサービスは、 マスタ−スレーブ構造に基づいて構成されています。 がマシン上で動作し始めると、 は、マスタサーバにネットワーク時刻を問い合わせ、自マシンの時刻を設定します。 この後、マスタサーバから送られる同期メッセージを定期的に受け取り、 マシン時間の補正が必要な場合には adjtime(2) を呼び出します。
本コマンドは、時刻を大域的に設定するために date(1) と通信し、 制御ユーティリティである timedc(8) と通信します。 マスタを実行しているマシンに到達不可能になると、 スレーブは、少なくとも -M と -F のフラグのどちらかを持つスレーブの中から新規にマスタを選択します。
通常、起動時に は、接続されている各ネットワーク上のマスタタイムサーバをチェックします。 ただし、上述の -n と -i のオプションを指定された場合は別です。 本プログラムは、最初に見付けたサーバに同期サービスを要求します。 -M または -F のフラグにより許される場合、 接続されているネットワーク上で、 信頼できるマスタサーバを検出できなかったものに対し、 同期サービスを提供します。 その場合、サーバはトップレベルマスタによって計算された時刻を取得し、 他のマシンに通知します。 ユーティリティは、スレーブとして動作中のネットワークに対し、 定期的にマスタの存在をチェックします。 そのネットワークに信頼できるマスタが存在しなくなった場合、 そのネットワーク上で選択処理を開始します。
マシン群の同期をとるための 1つの方法として、 ntpd(8) を用いてあるマシン の時刻を遠距離の標準時刻や電波受信機の時刻に同期させ、かつ、信頼できる マシンは自分自身だけであることを に -F hostname によって通知する、といったものがあります。
カーネルによるシステムコンソールへのメッセージ出力は、 割り込み禁止にて行われます。 このことは、メッセージが出力されている 間はシステム時計が停止していることを示します。 ディスクやネットワークハードウェアに多くの問題を抱え、 その結果としてメッセージが出力するマシンは、正確な時刻を保持出来ません。 それぞれのメッセージは、多くは出力されるごとに 10ms 程度の時刻遅延 を引き起こします。タイムデーモンはこの結果を補正します。
マシンが返答しないというシステムログメッセージは、通常、 当該マシンがクラッシュまたは動作停止したことを示します。 マシンの初期時刻設定時の返答失敗に関する不平は、大概の場合、 ``マルチホーム'' のマシンが複数のネットワークでタイムマスタを探した後、 別のネットワークにおいてスレーブになることを選択したことを示します。
なお、このデーモンが使用するネットワークプロトコルは、 UDP/IP ブロードキャストに基づいています。 ブロードキャスト範囲内で TSP プロトコルを用いるすべてのマシンは 協調しあわなければなりません。 ブロードキャストパケットが届くマシン間では、 -F フラグを使用する管理ドメインを 2 つ以上持つことはできません。 このルールに従わないと、通常、 ``信用できない'' マシンに関する不平が システムログに書かれます。