afmtodit − groff −Tps で用いるフォントファイルを作成する |
afmtodit [ −mnsv ] [ −a n ] [ −d desc_file ] [ −e enc_file ] [ −i n ] afm_file map_file font |
コマンドラインオプションとその引数との間の空白は、省略可能です。 |
afmtodit は、groff および grops で用いるフォントファイルを作成しま す。 afmtodit は perl で記述されていますので、これを使用するには perl バー ジョン 3 以降がインストールされている必要があります。 afm_file は、フォント作成に用いる AFM (Adobe Font Metric) ファ イ ル で す。 map_file は、groff 上の文字名と PostScript 上の文字名の対応を定義する ファイルです。このファイルの各行は、下記のフォーマットから成ります。 |
ps_char groff_char |
ここで、 ps_char はその文字の PostScript 上の名前、 groff_char はその文 字の groff 上の名前 (つまり、groff フォントファイルで使用される名前) で す。 map_file 内には同じ ps_char が 2 回以上使用されていてもかまいま せ ん。 しかし、同じ groff_char を 2 回以上使用することはできません。 # で 開始する行と空行は無視されます。ファイルがカレントディレクトリに見付 か ら ない場合、デフォルトフォントディレクトリの ‘devps/generate’ サブディ レクトリが検索されます。 もし、 map_file で定義されていない PostScript 文字がこのフォントのエ ン コー ド方式に含まれていた場合、または Adobe Glyph List (afmtodit に組み 込まれています) を使用しても総称的な groff グリフ名を演繹できない場合、 afmtodit はその文字を名前のない文字として groff フォントファイルに出力 します。名前のない文字を troff 上で扱うには、エスケープシーケンス \N を 使 用します。オプション −e が指定されない場合、AFM ファイルで定義される エンコード (すなわち非負文字コードエントリ) が使用されます。 groff グリ フ 名がどのように構築されているかを記述している、 groff info ファイルの ‘Using Symbols’ を参照してください。 AFM ファイルでエンコードされない文字 (すなわち文字コードに −1 を持つ も の) も groff で使用可能です。これらは groff フォントファイル中で 255 よ り大きなグリフインデックスを持ちます (または、滅多にないことですが、AFM ファイル中の最大文字コードが 255 より大きい場合は、それより大きくなりま す)。エンコードされない文字のグリフインデックスには、特別な順番はありま せん。グリフ名だけでアクセスするのが最良です。 groff フォントファイルは font という名前のファイルに出力されます。 そ の フォ ン ト に対するダウンロード可能なフォントがある場合、ファイル /usr/share/groff_font/devps/download に列挙可能です。 grops(1) を参照し てください。 −i オプションが指定されていた場合、 afmtodit は各文字についてイタリック 補正 (italic correction)、左イタリック補正 (left italic correction) お よ び 添 字補正 (subscript correction) を自動生成します (これら補正パラ メータの意味については、 groff_font(5) を参照してください)。これらの パ ラ メータは、各文字ごとに afm_file に下記の行を追加することにより設定さ れます。 |
italicCorrection ps_char n |
ここで、 ps_char はその文字の PostScript 上の名前、 n はパラメータの 値 (1/1000 em 単位) です。これらのパラメータは、通常はイタリックフォント ( または斜体) でのみ必要とされます。 |
−an |
フォントファイル内で、 n を傾斜パラメータとして使 用 し ま す。このパラメータは groff がアクセント記号の位置を決定するのに 使用されます。デフォルトの値は、 afm_file の中で 指 定 さ れ る ItalicAngle 値 に -1 を掛けた値です。しかし、実際のイタリック フォントではもっと小さな値の方が望ましいことがあります。も し、 イ タリックフォントに付くアクセント記号が正しい位置から離れすぎ ていると感じた場合、 −a オプションを使用して、より小さな傾斜 パ ラメータを与えてください。 |
−ddesc_file |
デバイス記述ファイルをデフォルトの DESC ではなく、 desc_file に 指定します。カレントディレクトリで見付からない場合、 フォ ン ト ディレクトリの ‘devps’ サブディレクトリが検索されます (デフォル トのデバイス記述ファイルおよび −d オプションで与えられるファ イ ルの両方に、これは有効です)。 |
−eenc_file |
PostScript フォントが、 enc_file 内に記述されているエンコード方 式で再エンコードされるべきことを指定します。 enc_file の フォー マッ トは grops(1) を参照してください。カレントディレクトリで見 付からない場合、フォントディレクトリの ‘devps’ サブディレクトリ が検索されます |
−in |
各文字のイタリック補正を生成します。文字幅とイタリック補正 の和が、 n /1000 em と「文字のバウンディングボックスの右端が 文 字 の 原 点からどれだけ右にあるか」の和に等しくなるように、イタ リック補正が生成されます。負のイタリック補正になってしまう生 成 結 果 の場合、その値の代りに 0 がイタリック補正として使用されま す。 |
同様に、各文字の添字補正も生成します。そのフォントの傾斜パラメー タ の 正 接 (tangent) にそのフォントの x の高さの 4/5 を掛けた値 が、添字補正になります。添字補正がイタリック補正より大きな 値 に なってしまう生成結果の場合、その値の代りにイタリック補正の値が添 字補正として使用されます。 同様に、各文字の左イタリック補正も生成します。左イタリック 補 正 は、 n /1000 em と「文字のバウンディングボックスの左端が文字の原 点からどれだけ左にあるか」の和に等しくなるように、生成されます。 左イタリック補正は、 −m が与えられない限り、負値になる場合があり ます。 このパラメータは、通常はイタリックフォント (または斜体) でのみ必 要 と さ れます。 groff と共に配布されるフォントファイルは、イタ リックフォントに −i50 オプションを使用して生成されています。 |
−m |
負値のイタリック補正を防ぎます。 groff と共に配布されている ロー マンフォントは、 −i0 −m で作成されており、 eqn(1) を用いた 場合の間隔を向上しています。 −n このフォントには ligatures コマ ン ド (合字) を出力しません。等幅フォント使用時に指定してくださ い。 |
||
−s |
特別フォントであることを指定します。フォン ト ファ イ ル に special コマンドを追加します。 |
||
−v |
バージョンを表示します。 |
/usr/share/groff_font/devps/DESC |
デバイス記述ファイル |
/usr/share/groff_font/devps/F |
フォント F のフォント記述ファイル |
/usr/share/groff_font/devps/download |
ダウンロード可能なフォントの一覧 |
/usr/share/groff_font/devps/text.enc |
テキストフォントで使用されるエンコード方式 |
/usr/share/groff_font/devps/generate/textmap |
標準の対応表 |
groff(1), grops(1), groff_font(5), perl(1) groff info ファイルのセクション ‘Using Symbols’。 |