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SFTP(1) FreeBSD 一般コマンドマニュアル SFTP(1)

名称

sftp − 安全なファイル転送プログラム

書式

sftp [−1Cv] [−B バッファサイズ] [−b バッチファイル] [−F ssh設定ファイル] [−o ssh設定項目] [−P sftpサーバパス] [−R 同時リクエスト数] [−S プロ グラム] [−s サブシステム | sftpサーバ] [ホスト] [

                                                             [                                                                ユーザ@]ホスト名[               :ファイル [                            ファイル]]]

sftp [
[
ユーザ@]ファイル[
:ディレクトリ[
/
]]]
sftp −b
バッチファイル [
ユーザ@]ホスト名

解説

sftpftp(1) に似た対話的なファイル転送プログラムです。すべての操作は ssh(1) によって暗号化された通信路を経由しておこなわれます。 sftp では公開 鍵認証や圧縮機能など、ssh の機能の多くを利用できます。 sftp は指定された ホストに接続してログインしたあと、対話的なコマンドモードに入ります。

2 番目の書式では、対話的でない (訳注: ユーザがパスフレーズ等を入力する必 要のない) 認証が使われている場合に自動的にファイルを取得します。そうでな い場合は対話的な認証ののちにファイルを取得します。

3 番目の書式は、指定されたリモートディレクトリから sftp クライアントを開 始します。

最後の書式は −b オプションを使った自動セッションを許可します。この場合、 接続時のパスワード入力の必要を無くすために、公開鍵の認証の設定が必要とな るでしょう (詳細は sshd(8)ssh-keygen(1) を参照してください)。

オプションは以下のとおりです:

       −1

プロトコル バージョン 1 を使用します。

−B バッファサイズ
sftp
がファイル転送をおこなう際のバッファサイズを指定します。バッ ファを大きくすると、往復 (round trip) が少なくなりますが、そのぶ んメモリは余計に消費します。デフォルトの値は 32768 バイトです。

−b バッチファイル
バッチモードに入り、 標準入力の代わりに指定された バッチファイル からコマンド列を読み込みます。これにはユーザが介入する余地がない ので、このモードは対話的でない (訳注: ユーザがパスフレーズ等を入 力する必要のない) 認証と組み合わせて使うべきでしょう。バッチファ イルに ‘−’ (ハイフン) が指定された場合には標準入力を使用するもの とされます。 sftp は以下のどれかのコマンドが失敗すると中断します: get, put, rename, ln, rm, mkdir, chdir, ls, lchdir, chmod, chgrp, lpwd および lmkdir エラーによる終了はコマンドの先頭に ‘−’ (ハイフ ン) を付けることによって抑止することができます (例: -rm /tmp/blah* )

−C
圧縮機能を使用可能にします (ssh の −C フラグを利用します)。

−F ssh設定ファイル
ssh に対し、ユーザ毎の設定ファイルに別のファイルを指定します。こ のオプションは ssh(1) に直接渡されます。

−o sshオプション
設定ファイル ssh_config(5) で使われている形式のオプションを指定し ます。これは sftp が独立したコマンドラインオプションを持っていな いような項目を設定するのに便利です。たとえば、別のポートを利用す るには sftp -oPort=24 のようにします。以下のリストにあるオプショ ンの詳細と可能な値については、 ssh_config(5) を参照してください。

AddressFamily
BatchMode
BindAddress
ChallengeResponseAuthentication
CheckHostIP
Cipher
Ciphers
Compression
CompressionLevel
ConnectionAttempts
ConnectionTimeout
GlobalKnownHostsFile
GSSAPIAuthentication
GSSAPIDelegateCredentials
Host
HostbasedAuthentication
HostKeyAlgorithms
HostKeyAlias
HostName
IdentityFile
IdentitiesOnly
LogLevel
MACs
NoHostAuthenticationForLocalhost
NumberOfPasswordPrompts
PasswordAuthentication
Port
PreferredAuthentications
Protocol
ProxyCommand
PubkeyAuthentication
RhostsRSAAuthentication
RSAAuthentication
ServerAliveInterval
ServerAliveCountMax
SmartcardDevice
StrictHostKeyChecking
TCPKeepAlive
UsePrivilegedPort
User
UserKnownHostsFile
VerifyHostKeyDNS

−P sftpサーバパス
( ssh を使わず) 直接ローカルな sftp-server に接続します。このオプ ションはクライアントとサーバのデバッグ用です。

−R 同時リクエスト数
未完了のリクエストを同時に最大どれくらいまでおこなうかを指定しま す。この値を増やすとファイル転送速度が多少上がりますが、メモリを 消費します。デフォルトでは 16 の未完了リクエストをおこないます。

−S プログラム
暗号化された接続を使うための プログラムを指定します。ここで使うプ ログラムは、 ssh(1) のオプションを受けつける必要があります。

−s サブシステム | sftpサーバ
SSH2 のサブシステム、またはリモートホスト上にある sftp サーバへの パスを指定します。パス指定は プロトコル バージョン 1 で sftp を使 用するときや、リモートの sshd(8) に sftp サブシステムが設定されて いないときなどに便利です。

−v
ログに残すレベルを変更します。このオプションは ssh にも渡されま す。

対話的コマンド

sftp の対話的コマンドモードでは、 ftp(1) に似たコマンドが使えます。これら のコマンドは大文字でも小文字でも受けつけられ、空白文字を含むパス名は クォートで囲むことができます。

       bye

sftp を終了します。

cd パス名
リモート側のカレントディレクトリを パス名に変更します。

chgrp グループID パス名
パス名で指定されたファイルのグループを グループID に変更しま す。 グループID は数値表現である必要があります。

chmod モード パス名
パス名で指定されたファイルのパーミッションを モードに変更しま す。

chown ユーザID パス名
パス名で指定されたファイルの所有者を ユーザID に変更します。 ユーザID は数値表現である必要があります。

exit
sftp
を終了します。

get [フラグ] リモートパス名 [ローカルパス名]
リモートパス名のファイルを取得し、ローカルマシン上に置きま す。 (訳注: ディレクトリを再帰的にまるごと get することはでき ません) ローカルパス名が指定されていない場合、これはリモート マシン上でのファイル名と同じになります。 −P フラグが指定され ると、そのファイルの全パーミッションおよびアクセス時間もコ ピーされます。

help
ヘルプを表示します。

lcd パス名
ローカル側のカレントディレクトリを パス名に変更します。

lls [lsオプション [パス名]]
ローカルマシン上の パス名のディレクトリ一覧を表示します。 パ ス名の指定がなければ、カレントディレクトリの一覧を表示しま す。

lmkdir パス名
ローカルマシン上に パス名で指定されたディレクトリを作成しま す。

ln 古いパス名 新しいパス名
新しいパス名から 古いパス名へのシンボリックリンクを作成しま す。

lpwd
ローカルマシン上のカレントディレクトリ (ワーキングディレクト リ) を表示します。

ls [フラグ] [パス名]
リモートマシン上の パス名のディレクトリ一覧を表示します。 パ ス名の指定がなければ、カレントディレクトリの一覧を表示しま す。フラグ −l が指定された場合は、パーミッションを含む詳細を 表示します。

lumask umask
ローカルマシン上の umask を umask に設定します。

mkdir パス名
リモートマシン上に パス名で指定されたディレクトリを作成しま す。

progress
プログレスバーの表示/非表示を切り換えます。

put [フラグ] ローカルパス名 [リモートパス名]
ローカルパス名のファイルをリモートマシン上にアップロードしま す。 (訳注: ディレクトリを再帰的にまるごと get することはでき ません) リモートパス名が指定されていない場合、これはローカル マシン上でのファイル名と同じになります。 −P フラグが指定され ると、そのファイルの全パーミッションおよびアクセス時間もコ ピーされます。

pwd
リモートマシン上のカレントディレクトリ (ワーキングディレクト リ) を表示します。

quit
sftp
を終了します。

rename 古いパス名 新しいパス名
リモートマシン上の 古いパス名で表されたファイルを 新しいパス 名に変更します。 (訳注: ファイルやディレクトリを移動させるこ とはできません)

rm パス名
リモートマシン上の パス名で指定されるファイルを削除します。

rmdir パス名
リモートマシン上の パス名で指定されるディレクトリを削除しま す。 (訳注: ファイルが含まれているディレクトリを削除すること はできません)

symlink 古いパス名 新しいパス名
新しいパス名から 古いパス名へのシンボリックリンクを作成しま す。

version
sftp
のプロトコルバージョン番号を表示します。

! コマンド
ローカルマシン上のシェルで、 コマンドを実行します。

!
ローカルマシン上のシェルに入ります。

?
help と同じです。

関連項目

ftp(1), scp(1), ssh(1), ssh-add(1), ssh-keygen(1), ssh_config(5), sftp-server(8), sshd(8)

       T. Ylonen and                       S. Lehtinen,                                      SSH File Transfer Protocol,     draft-ietf-secsh-filexfer-00.txt,                                         January 2001,                                                         work in progressmaterial.

日本語訳

新山 祐介 (yusuke at cs . nyu . edu) 2002/6/21 (for 3.3 p1)

当マニュアルページは氏のご好意により FreeBSD 向けに修正を加えて FreeBSD 日本語マニュアルに収録させていただいています。翻訳についてのご意見、ご指 摘がありましたら FreeBSD jpman プロジェクト ⟨man-jp@jp.FreeBSD.org⟩ また は新山氏 (yusuke at cs . nyu . edu) までお送りください。

FreeBSD 10.0 February 4, 2001 FreeBSD 10.0

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