tbl − troff のための表フォーマッタ |
tbl [ −Cv ] [ files... ] |
本 マ ニュ アルでは、groff ドキュメントフォーマットシステムの一部である GNU バージョンの tbl について記述します。 tbl は、 troff ドキュメントに 埋 め 込まれた表の記述を troff が解釈できるコマンドに変換します。通常、 tbl は groff に −t オプションを指定することにより起動されます。 tbl は Unix tbl と高い互換性を持ちますが、GNU tbl の出力は Unix troff で処理す ることはできません。それは GNU troff で処理する必要があります。コマンド ラ イ ン にファイル名が指定されなかった場合、標準入力から読み込みます。 ファイル名として − を指定した場合も標準入力から読み込みます。 |
−C |
.TS や .TE のあとに空白や改行以外の文字がきても、それを .TS や .TE であると解釈します。 |
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−v |
バージョン番号を表示します。 |
tbl は表の記述子を .TS (表開始) と .TE (表終了) のマクロで括られている ものと期待しています。 .TS マクロの直後の行は次のグローバルオプションを 含むことが可能です (文字の大文字小文字は無視します -- Unix tbl は、すべ て小文字かすべて大文字のオプションのみを受け付けます): |
center |
表を中央寄せします (デフォルトは左寄せです)。別 の キー ワード centre も認識されます (これは GNU tbl 拡張です)。 |
delim(xy) |
x と y を eqn(1) の開始および終端のデリミタとして使用します。 |
expand |
表を現在の行の長さと同じ幅にします。 |
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box |
表を箱で囲みます。 |
doublebox |
表を二重箱で囲みます。 |
allbox |
表の各項目を箱で囲みます。 |
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frame |
box と同じです (GNU tbl のみ)。 |
doubleframe |
doublebox と同じです (GNU tbl のみ)。 |
tab(x) |
入力データ行の各項目を、タブの代りに文字 x で分離しま す。 |
linesize(n) |
線または罫線 (例 box によるもの) を n ポイントタイプにします。 |
nokeep |
ページブレークを抑止するために転換 (diversion) を使用し ま せん (GNU tbl のみ)。通常 tbl は転換を使用し、表内で望ましく ないブレークを抑止しようとします。これは、独自に転換を使用し て い る マ クロパッケージ、例えばフットノートが使用された場合など に、干渉する場合があります。 |
decimalpoint(c) |
指定した文字を数値列の小数点として認識させます (GNU tbl のみ)。 |
nospaces |
データ項目の先頭および末尾の空白を無視させます (GNU tbl のみ)。 |
グローバルオプションはセミコロンで終端される必要があります。オプショ ン の後には空白があっても良く、引数は括弧で括られます。 グ ローバルオプションの後には、表の各行の書式を記述する行が来ます。それ ぞれの書式行は表の 1 行それ自身を記述しますが、例外は最後の書式行 (ピリ オ ドで終端する必要があります) であり、これは表の残りの行の書式を記述し ます。単一のキー文字が、表の各行の各列を記述します。数行分の書 式 指 定 を、単一行にコンマで区切って指定可能です。 各 キー文字の後に指定子を続けることができます。指定子は、対応する項目の フォントやポイントサイズを決定し、列の幅や列の間の間隔等を決定します。 最長の書式行が、表に含まれる列数を指定します。書式行の末尾で欠けてい る 書式記述子は ‘L’ であると仮定されます。データ中の余分な列 (対応する書式 項目が無いもの) は無視されます。 使用可能なキー文字は次の通りです: |
c,C |
項目を列の中で中央寄せします。 |
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r,R |
項目を列の中で右寄せします。 |
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l,L |
項目を列の中で左寄せします。 |
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n,N |
項目を数値的に揃えます。数値の単位位置が垂直に揃います。 |
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s,S |
左の直前の項目が、この列にも続きます。 |
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a,A |
この列の最長の行を中央寄せし、中央寄せされた行に従って他の すべての行を左寄せします。 |
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^ |
直前の行の項目が、この列にも続きます。 |
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_,- |
この項目を水平行と置換します。 |
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= |
この項目を二重水平行と置換します。 |
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| |
対応する列は垂直罫線となります (2 個連続した場合には二重垂直 罫線となります)。 |
最初のキー文字の左または最後のキー文字の右にある垂直バーは、表の端の 線 を生成します。 以下の指定子は、列キー文字のサフィックスとして使用可能です: |
b,B |
fB の短縮形 (対象の項目をボールドにします)。 |
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i,I |
fI の短縮形 (対象の項目をイタリックにします)。 |
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t,T |
垂直に複数行の範囲となる項目を、垂直位置で中央から開始する のではなく、頂上部から開始します。 |
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d,D |
垂直に複数行の範囲となる項目を、垂直位置で中央から開始する のではなく、基底部から開始します (GNU tbl のみ)。 |
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v,V |
後に数値が続き、複数行の表の項目における、垂直行間隔を指定 します。符号付きの場合、現在の垂直行間隔が増加または減少され ま す (符号付きの 1 桁数ではなく符号付きの数値が使えるのは GNU tbl 拡張です)。垂直行間隔指定子の後に列間隔数を続けるには、1 個以上 の 空白で区切ります。対応する表の項目がテキストブロックではない 場合、効果無しです。 |
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f,F |
これらの指定子は、フォント名 (1 または 2 文字)、フォント番 号 (1 桁)、括弧で括られた長い形式の名前が続きます (最後の形式は GNU tbl 拡張です)。 1 文字のフォント名の後には、後に続くもの と の間に 1 個以上の空白が続く必要があります。 |
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p,P |
後に数値が続き、対象の欄のポイントサイズを変更します。符号 付きの場合、現在のポイントサイズが増加または減少されます (符 号 付 きの 1 桁数ではなく符号付きの数値が使えるのは GNU tbl 拡張で す)。ポイントサイズ指定子の後に列間隔数を続けるには、1 個以上の 空白で区切ります。 |
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w,W |
列の最小幅です。この後に、 troff(1) の幅の表現を括弧で括っ たものか、単位無しの整数が続く必要があります。単位を指定しな い と、en 単位が使用されます。インクルードされるテキストブロックの デフォルト行長としても使用されます。特定の列の幅の指定が複数 回 使用されると、最後の項目が使用されます。 |
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e,E |
同じ間隔の列を作成します。 |
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u,U |
対応する列を半行分上に移動します。 |
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z,Z |
対応する列を、幅計算の対象から除外します。 |
キー文字に対する数値サフィックスは、en 単位での列セパレータと解釈されま す ( expand オプションがオンの場合、これに比例します)。デフォルトの間隔 は 3n です。 書 式 行の後には、表の実際のデータを含む行が続きます。最後に .TE が来ま す。各データ行中では、データは通常、タブ文字 (または tab オプションで指 定 された文字) で区切られます 。長い入力行は、行の最後の文字を ‘\’ とす ることで、複数行に分割可能です (この文字は結合後に消えます)。 行を開始するドットに数値以外のものが続く場合、troff コマンドとして扱 わ れ、無変更で渡されます。この場合、表の位置は変わりません。 デー タ行が ‘_’ または ‘=’ だけから成る場合、その場所でそれぞれ、表全体 に渡る線または二重線が引かれます。データ行中の単一項目が ‘_’ または ‘=’ だ けから成る場合、この項目がそれぞれ、線または二重線に置換され、隣りの 項目を繋ぎます。データ行中の単一項目が ‘\_’ または ‘\=’ だけから成る 場 合、 この項目がそれぞれ、線または二重線に置換されますが、隣りの項目を繋 ぎません。 ‘\Rx’ (‘x’ は任意の文字) のみから成るデータ項目は、列の幅だけ続く 文 字 ‘x’ の繰り返しで置き換えられます (隣りの項目を繋ぎません)。 ‘\^’ のみから成るデータ項目は、すぐ上の欄がこの行を通って下向きに続くこ とを意味します。 テキストブロックを使用することで、単にタブ間に置くには長過ぎるかもし れ な いデータを単一項目として入力できます。これは ‘T{’ で開始し ‘T}’ で終 端します。前者は行末にあることが必要で、後者は行頭にあることが必要 で、 この後に (タブで区切られて) 他のデータが続くでしょう。 表中のデータの書式を変えるには、 .T& コマンドを使用します (行頭で使用し ます)。この後に、 .TS リクエストと同様に、書式とデータの行が続きます ( グローバルオプションは駄目です)。 |
tbl(1) は常に eqn(1) の前に呼ぶ必要があります (groff(1) は自動的にプリ プロセッサの正しい順序の面倒を見ます)。 |
列数には限界がありませんし、テキストボックス数にも限界がありません。 表 の す べての行が、列の幅の決定に使用されます。最初の 200 行ではありませ ん。表の継続 (.T&) 行は最初の 200 行に制限されません。 数字と英字の項目を同じカラムに印字することもできます。 数字と英字の項目を水平方向にまたがらせることもできます。 tbl は 3 で始まる名前のレジスタ、文字列、マクロ、転換名を使用し ま す。 tbl を使う際には 3 で始まる名前の使用は避けるべきです。 |
複 数ページにまたがる枠付き表を表示する場合、それをサポートしているマク ロパッケージと .TS H/.TH を併用しなければなりません。表の各ページの上部 に 表示されるべきヘッダが出ない場合、そのフォーマットセクションの直後に .TH を置いて下さい。複数ページの表を keep/release マクロで囲んだり、 そ の他の方法で迂回させないでください。 表中のテキストブロックは 1 ページに収まらなければなりません。 bp リクエストは複数ページの表でページブレークを強制するために使用するこ とはできません。 bp のかわりに BP を以下のように定義して使用し て 下 さ い。 |
.de BP |
表 中で直接 \a を使用しても、リーダはうまく得られません。これは正しい動 作です: \a は 解釈されないリーダです。リーダを得るためには、本物の リー ダを使います。それには control A か以下を使用する必要があります: |
.ds a \a .TS tab(;); lw(1i) l. A\*a;B .TE |
groff(1), troff(1) |