vacation − 電子メールの自動応答器 |
vacation [−a alias] [−C cffile] [−d] [−f database] [−i] [−I] [−j] [−l] [−m message] [−R returnaddr] [−r interval] [−s address] [−t time] [−U] [−x] [−z] login |
vacation は、メールの送信者に対して、あなたが現在メールを読んでいない旨 を通知するメッセージを返送します。このメッセージは、デ フォ ル ト で は ~/.vacation.msg です。各送信者に対するメッセージ送信は、応答間隔中には 1 通しか実行されません (後述の −r を参照してください)。通常、 .forward ファ イルの中で使われます。例えば、あなたの .forward ファイルの中で次の ように記述します。 |
\eric, "|/usr/bin/vacation -a allman eric" |
これで、あなた自身 (ここではログイン名が eric であるとします) に メッ セー ジ を 送るとともに、 ‘‘eric’’ もしくは ‘‘allman’’ に宛てられたメッ セージに自動応答します。 以下のオプションを指定することができます。 |
−a alias |
alias 宛てのメッセージをユーザのログイン名に送られたメールと 同 様に処理します。 |
−C cfpath |
sendmail の設定ファイルのパス名を指定します。 −U が指定された場 合、本オプションは無視されます。本オプ ショ ン の デ フォ ル ト は、sendmail の標準の設定ファイルであり、ほとんどのシステムでは /etc/mail/sendmail.cf です。 |
−d |
エラーおよびデバッグのメッセージを、syslog の代りに標 準 エ ラー へ送ります。本オプションを使用しない場合、正しくない引数や 存在しない login で vacation を呼び出す等の致命的なエ ラー は、 syslog(8) を使用して、システムログファイルへ記録します。コマン ドラインのみで使用してください。 .forward ファイルでは使用し な いでください。 |
−f filename |
デー タ ベー ス 名 と し て、 filename を ~/.vacation.db または ~/.vacation.{dir,pag} の代りに使用します。 filename が / で開始 しない場合には、~ からの相対となります。 |
−i |
vacation データベースを初期化します。これは、 .forward ファ イルを変更する前に行なっておく必要があります。コマンドライン の み で使用してください。 .forward ファイルでは使用しないでくださ い。 |
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−I |
−i と同じです (後方互換性のためにあります)。コマンドライ ン の みで使用してください。 .forward ファイルでは使用しないでくだ さい。 |
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−j |
login がメッセージの宛先のリストにあるかどうかに関 わ ら ず メッ セージに応答します。これによって何が起こるかがわからないな ら、このフラグは使用しないでください。例えば、これに よっ て が メー リングリストのメッセージに返答し、その結果あなたがそのメー リングリストから外されるかもしれません。 |
||
−l |
vacation データベースファイルの内容を列挙します。この情報に は、 アドレスと、それぞれのアドレスにおいて最後に自動応答した時 刻を含みます。コマンドラインのみで使用してくださ い。 .forward ファイルでは使用しないでください。 |
−m filename |
送 信 さ れ る メッ セー ジ を 含むファイルとして、 filename を ~/.vacation.msg の代りに使用します。 filename が / で開始しない 場合には、~ からの相対となります。 |
−R returnaddr |
応答のエンベロープの送信者アドレスを設定します。 |
−r interval |
自動応答の間隔を interval 日に設定します。デフォルトは 1 週間で す。間隔を ‘‘0’’ に設定すると、全てのメッセージに対して自動応答 を 行 ないます。 ‘‘infinite’’ (実際には数字以外の文字ならなんで も) を設定すると、同じ送信者には一度しか自動応答を行な い ま せ ん。 −r オプションは、vacation データベース初期化時のみ使用して ください (前述の −i を参照してください)。 |
−s address |
受け付けるメールの From 行にある送信者ア ド レ ス の 代 り に、 address を、vacation メッセージの受信者として使用します。 |
−t time |
無視されます。 Sun の vacation プログラムとの互換性のためだけに 存在します。 |
−U |
パスワードファイル中の login の検索を試みないようにします。 オ プション -f と -m を使用して、データベースとメッセージファイ ルを指定することが必要です。これらのオプションを使用する場合 は 普通、ホームディレクトリが無いからです。 |
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−x |
除外リストを標準入力から読み込みます (行毎に 1 アドレス)。 除外リストに含まれるアドレスから届くメールに対しては、 vacation は返送しません。除外リストの要素として ‘‘@domain’’ を指定するこ とで、ドメイン全体を除外することも可能です。コマンドラインの み で 使 用 してください。 .forward ファイルでは使用しないでくださ い。 |
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−z |
vacation メッセージの送信者を、ユーザの代りに ‘‘<>’’ にしま す。 vacation メッ セー ジ の 送信者を空の逆パスにすることは standards-track RFC は求めていませんので、RFC 違反となるかも し れません。 |
vacation は メー ル の 送信者を決定するために標準入力の 1 行目の UNIX ‘‘From’’ 行を読みます。この ‘‘From’’ 行は sendmail(8) が自動的に付加 す るものです。 login ( も し く は −a オプションによって指定された alias ) がメールの ‘‘To:’’ もしくは ‘‘Cc:’’ ヘッダになければ、自動応答は送られませ ん。 ま た、 ‘‘???-REQUEST’’, ‘‘???-RELAY’’, ‘‘???-OWNER’’, ‘‘OWNER-???’’, ‘‘Postmaster’’, ‘‘UUCP’’, ‘‘MAILER’’, ‘‘MAILER-DAEMON’’ から (大文 字、 小 文 字 は 区 別 さ れ ま せ ん) のメールや、 ‘‘Precedence: bulk’’ や ‘‘Precedence: junk’’ の行がヘッダに含まれているメールに対しても自動応答 は 送られません。あなたへのメールの送信者のアドレスはホームディレクトリ の .vacation.db ファイル中で db(3) または dbm(3) を使用して管理さ れ ま す。 vacation ま た は .vacation.{dir,pag} で は ホー ム ディレクトリに .vacation.msg ファイルを置くことによって、あなたへのメールの送信者へ の メッ セージを指定します。このファイルは (ヘッダを含む) 完全なメッセージ でなければなりません。以下に例を示します。 |
From: eric@CS.Berkeley.EDU (Eric Allman) Subject: I am on vacation Delivered-By-The-Graces-Of: The Vacation program Precedence: bulk わたしは 7 月 22 日まで休暇をとっています。緊急の場合は Keith Bostic <bostic@CS.Berkeley.EDU> に連絡願います。 --eric |
Vacation (訳註)返答メッセージに日本語を使 う 場 合 に は、 漢 字 コー ド は JIS (ISO-2022-JP) でなければいけません。 |
~/.vacation.db |
db(3) 用のデフォルトのデータベース ファイル |
~/.vacation.{dir,pag} |
dbm(3) 用のデフォルトのデータベースファイル |
~/.vacation.msg |
デフォルトの送信メッセージ |
vacation コマンドは 4.3BSD から登場しました。 |