TCSETATTR(3) FreeBSD ライブラリ関数マニュアル TCSETATTR(3)
名称
cfgetispeed, cfsetispeed, cfgetospeed, cfsetospeed, cfsetspeed, cfmakeraw, tcgetattr, tcsetattr − termios 構造の操作 |
ライブラリ
標準 C ライブラリ (libc, −lc) |
書式
#include <termios.h> speed_t |
cfgetispeed(const struct termios *t); int |
cfsetispeed(struct termios *t, speed_t speed); speed_t |
cfgetospeed(const struct termios *t); int |
cfsetospeed(struct termios *t, speed_t speed); int |
cfsetspeed(struct termios *t, speed_t speed); void |
cfmakeraw(struct termios *t); int |
tcgetattr(int fd, struct termios *t); int |
tcsetattr(int fd, int action, const struct termios *t); |
解説 |
cfmakeraw(), tcgetattr() および tcsetattr() 関数は、termios 構造の取得お よび設定を行うためのものです。 cfgetispeed(), cfsetispeed(), cfgetospeed(), cfsetospeed() および cfsetspeed() 関数は、termios 構造におけるボーレートの取得および設定を行う ためのものです。以下に述べる端末に対する関数の効果は、 tcsetattr() 関数が 呼び出されるまでは有効にはならず、すべてエラーが検出されます。 tcsetattr() 関数に渡されるボーレートの特定の値は、termios 構造に設定さ れ、特別な意味を持ちます。これについては、 tcsetattr() 関数を説明している マニュアルページに述べます。 |
ボーレートの取得と設定
入力および出力のボーレートは、termios 構造に入っています。符号なしの整数 speed_t は、インクルードファイル 〈termios.h〉 の中で typedef されていま す。しかし、この整数の値は、それが示すボーレートに直接対応しており、次の ような記号で値が定義されています。 #define B0 0 #define B50 50 #define B75 75 #define B110 110 #define B134 134 #define B150 150 #define B200 200 #define B300 300 #define B600 600 #define B1200 1200 #define B1800 1800 #define B2400 2400 #define B4800 4800 #define B9600 9600 #define B19200 19200 #define B38400 38400 #ifndef _POSIX_SOURCE #define EXTA 19200 #define EXTB 38400 #endif /*_POSIX_SOURCE */ cfgetispeed() 関数は、 tp で参照される termios 構造における入力ボーレート を返します。 cfsetispeed() 関数は、 tp で参照される termios 構造における入力ボーレート を speed の値に設定します。 cfgetospeed() 関数は、 tp で参照される termios 構造における出力ボーレート を返します。 cfsetospeed() 関数は、 tp で参照される termios 構造における出力ボーレート を speed の値に設定します。 cfsetspeed() 関数は、 tp で参照される termios 構造における入力および出力 ボーレートの両方を speed の値に設定します。 処理が成功すると、 cfsetispeed(), cfsetospeed() および cfsetspeed() は値 0 を返します。それ以外の場合は -1 という値が返され、エラーを示すグローバ ル変数 errno が設定されます。 |
termios状態の取得と設定
このセクションでは、一般端末インタフェースを制御するために用いる関数につ いて説明します。特定のコマンドについて特に断り書きがない限り、これらの関 数はバックグラウンド処理による使用に対しては制限があります。このような操 作を行なおうとすると、その処理グループには SIGTTOU シグナルが送られます。 呼び出し側処理が SIGTTOU シグナルをブロックまたは無視した場合は、その処理 は操作を実行することを許され、 SIGTTOU シグナルは送信されません。 fd は開くファイルの記述子ですが、すべての関数においては、関数はそれが示す 特定のファイル記述子に関して開いたファイルの内容だけでなく、潜在的に関連 する端末ファイルにも影響を及ぼします。 cfmakeraw() 関数は、termios 構造に保存されたフラグをすべての入力および出 力処理を無効にする状態に設定し、 ‘‘生の I/O パス’’ を与えます。この効果を 逆転させる関数は存在しないことに注意してください。これは、有効に戻すこと ができる処理オプションは沢山あり、正しい方法は tcgetattr() 関数を使い、ま ず cfmakeraw() 関数で次に tcsetattr() 関数によって生モードを設定し、次に もう一度 tcsetattr() 関数を保存状態で使って元の端末状態に戻して現在の端末 状態のスナップショットを適用するやり方だからです。 tcgetattr() 関数は、 tp で参照される termios 構造に入っている fd によって 参照される端末に付随するパラメータをコピーします。この関数は、バックグラ ウンド処理から使うことが許されていますが、端末アトリビュートはその後に フォアグラウンド処理によって変更される場合があります。 tcsetattr() 関数は、 tp によって参照される termios 構造の端末に付随するパ ラメータを設定します。 action フィールドは、インクルードファイル 〈termios.h〉 の中で指定された通りに、以下の値を or 操作することによって作 成されます。 |
TCSANOW
変更は直ちに行われます。 TCSADRAIN TCSAFLUSH TCSASOFT ボーレート値 0 は、接続を終了するために使います。 tcsetattr() 関数に出力 速度 0 を指定すると、端末に対してモデム制御を主張せずに、端末の接続を切り ます。 関数 tcsetattr() に入力速度 0 を指定した場合は、入力ボーレートは出力ボー レートに指定されたものと同じ値に設定されます。 関数 tcsetattr() が要求した変更のいずれをも行うことができない場合は、値 -1 を返して errno を設定します。それ以外の場合は、要求された変更すべてを 可能な限り行います。指定した入力および出力のボーレートが異なり、その組合 せがサポートされていない場合には、どちらのボーレートも変更されません。 処理が成功して完了すると、関数 tcgetattr() および tcsetattr() は値 0 を返 します。それ以外の場合は、値 -1 を返してエラーを示すグローバル変数 errno が次のように設定されます: [EBADF] [EINTR] [EINVAL] [ENOTTY] 関連項目 |
tcsendbreak(3), termios(4) |
規格
関数 tcgetattr(), tcsetattr() は、 IEEE Std 1003.1-1988 (‘‘POSIX.1’’) 規 格に適合していると考えられます。関数 cfmakeraw() および cfsetspeed() は、 tcsetattr() 関数の TCSASOFT オプションと同様に IEEE Std 1003.1-1988 (‘‘POSIX.1’’) 規格の拡張です。 FreeBSD 10.0 January 2, 1994 FreeBSD 10.0 |