PCCARD.CONF(5) FreeBSD ファイルフォーマットマニュアル PCCARD.CONF(5)
名称
pccard.conf − pccardd(8) 設定ファイル |
解説
pccard.conf ファイルは、PC-CARD スロット管理デーモン pccardd(8) 用の設定 ファイルです。カードを識別し、 PC-CARD カードにドライバ (ドライバ用リソー スも含む) を対応させることが出来る情報を提供します。 設定ファイル内には四つの基本的な要素があります。オプションとして他のセク ションに先立って リソースプールがあり、その後 1 つ以上の カード識別子と デバイス実体が続きます。最後の 2 つはどんな順序で現れてもよく、都合に応じ てあちこちへ散在しても構いません。 /etc/pccard.conf ファイルは、デフォルトのリソースプール設定と pccard 識別 子データベースを持つ /etc/defaults/pccard.conf からインクルードされます。 ユーザ固有の設定を /etc/pccard.conf で指定して、これらのデフォルトを上書 きしたり追加エントリを追加可能です。 それぞれの PC-CARD カードは、製造者やカードのバージョンを規定する設定タプ ルを含んでいます。これらは、設定ファイル中でカードの仕様を特定するのに使 われ、それによって、そのカードとインタフェースをとれるドライバを見つけま す。カードとドライバの間には、多対 1 の対応関係があります。すなわち、単一 のドライバが複数の型のカードにインタフェースをとることがあります。この助 けとして、ドライバの指定とは別に、カードの初期化や (ネットワークカードの 場合なら) イーサネットアドレスの取り出し用にパラメータを指定することもで きます。 ドライバは一度カードに割り当てられると、そのカードに割り当てられたままに なります。しかし、同じ型のドライバの複数の実体が設定されることもあるた め、もし、同じの型のドライバが対応づけられているカードが 2 枚挿し込まれた ら、同じ名前で別のドライバ実体が設定される可能性があります。 insert と remove コマンドは、実行可能なシェルコマンド行を指定することがで きます。実行されるコマンドは、そのキーワードの後の行の残りです。行は、 バックスラッシュを使って継続することができます。簡単なマクロ置換によっ て、現在のカーネルのデバイス名 ($device) とネットワークカードのイーサネッ トアドレス ($ether) をコマンド行へ入れることが可能です。 pccardd(8) は、 コマンド行を実行するために system(3) サブルーチンを使います。 pccardd(8) は、syslog を使用して、カードの挿抜をアナウンスします。 logstr コマンドで設定された文字列を使用するか、これが設定されていない場合には、 製造者とカードバージョンの文字列を使用します。 数値は 8 進数、16 進数、10 進数のいずれかの表現をとります。もし 10 進数に k か K が付いていれば、その値は 1024 を掛けたものになります。名前にスペー スを含める必要があるならば、ダブルクォートで括っておくとよいでしょう。 ハッシュ文字 (#) は、その行の残りをコメントにします。 |
リソースプール |
この (オプションである) セクションは、ISA バスのメモリアドレス空間や I/O ポート、割込み要求番号 (IRQ) といったシステムリソースのプールを指定しま す。このリソースプールは、それぞれのドライバの記述中で指定された要求に応 じて、動的にアドレス空間や割り込み番号を割り当てるのに使われます。 リソースに関する構文は以下の通りです。 |
io start - end ... |
memory address size ... |
irq irq-number ... |
各文では、初期化時にドライバへ割り当てるのに使える、 I/O やメモリや IRQ のブロックを定義します。 デバッグレベルパラメータの文法は次の通りです: |
debuglevel level |
上の文はどれも複数行にすることができ、これで各々のリソースをかたまりに分 けて定義することができます。 |
カード識別子 |
カード識別子の構文は以下の通りです。 |
card manufacturer version [add_info1 [add_info2 ]] |
config index driver interrupt [flags] |
ether offset |
reset time |
iosize size |
memsize size |
insert command |
remove command |
logstr string |
第 1 行は必須です。あとの文はオプションであり、どのような順序で現れても構 いません。 config 行は複数存在することもあります。 card のパラメータに は、製造者名、カードのバージョン、そして追加情報 add_info1 と add_info2 があり、カードの CIS メモリから得た値との一致をみるのに使われます。 "/.*/" のように ’/’ で文字列を括れば、これらのパラメータは、拡張正規表現 regex(3) で記述可能です。各式は、先頭において文字 ’^’ で評価されます。 config パラメータは、カードの CIS で得られる範囲からそのカードの設定イン デックスを選択し、この設定で関連づけられたドライバを選択し、そして (もし あれば) 割り当てられるべき割り込みレベルを選択します。オプションとしてフ ラグの集合を割り当てることもできます。 index では、 ‘‘auto’’ または ‘‘default’’ か、カードの CIS から取得可能な範囲を指定します。 ‘‘auto’’ に より、CIS から取得される情報と使用中の I/O リソースの状態から、自動的にリ ソースを割り当て可能です。 オプションの ether キーワードは、カードの属性メモリ内にネットワークカード の物理イーサネットアドレスが保持されているときに使われます。この文のパラ メータは、イーサネットアドレスの属性メモリ内でのオフセットを指していま す。この値は、 $ether マクロを使うことで、insert/remove コマンド内でも使 用できます。 オプションの reset キーワードは、カード挿入時のリセット期間を time ミリ秒 であると指定します。デフォルトは 100 ミリ秒です。 iosize と memsize のキーワードは、 I/O ポートや共有メモリブロック等のリ ソースが CIS タプルに指定されていないカード用に使用します。 insert 及び remove セクションでは、カードが挿入されたり取り外されたりした ときに実行されるべきシェルコマンドを書くことができます。複数の insert や remove コマンドも書くことができ、その場合列挙された順に実行されます。 logstr コマンドで、カード挿抜時にログされる文字列を、ユーザが指定可能で す。 logstr が指定されていない場合、 CIS 中の製造者とカードバージョンの文 字列を使用して、出力文字列を生成します。 |
ワイルドカードエントリ |
カード識別子として、次の 2 個のワイルドカードエントリを汎用カードに使用可 能です: |
generic serial |
generic fixed_disk |
キーワード serial は ‘‘Functional ID: Serial port/modem’’ にマッチし、 fixed_disk は ‘‘Fixed disk card’’ にマッチします。構文は card identifiers と同じですが、最初の行で ‘‘card’’ の代りに ‘‘generic’’ が使用されます。 マッチしなかったカードがこれらの汎用エントリを使用できるように、これら は、 pccard.conf の最後に置かれます。エイリアス ‘‘function’’ を ‘‘generic’’ の代りに使用可能です。これは、歴史的な事情によるものです。 |
使用例
典型的な設定ファイルは以下のような体裁になります。 # # サンプル設定ファイル # # パラメータのプール # io 0x280 - 0x2F0 0x300 - 0x360 irq 5 6 8 9 10 15 memory 0xd4000 96k memory 0xc4000 32k # # カードデータベース # card "RPTI LTD." "EP400" # NE2000 clone ether 0x110 config 0x21 "ed0" 5 insert ifconfig $device physical $ether insert ifconfig $device bean remove ifconfig $device down card "XYZZY" "FAX/1.0" tty config 0x30 "sio1" 11 insert echo start getty remove echo stop getty |
関連ファイル
/etc/defaults/pccard.conf
pccardd(8) の設定ファイル。 関連項目 |
FreeBSD 10.0 November 2, 1994 FreeBSD 10.0 |