スポンサーリンク

RRENUMD.CONF(5) FreeBSD ファイルフォーマットマニュアル RRENUMD.CONF(5)

名称

rrenumd.conf − ルータリナンバリングデーモンの設定ファイル

解説

rrenumd 設定ファイルは、どのようにルータリナンバリング (ルータの番号付け 直し) パケットを構成するか、そしてこのパケットをどの終点に送信するかを記 述します。このファイルは、セミコロン (‘;’) で終端される文の連続から成りま す。文は、空白で区切られるトークンから成ります。空白は、ブランク、タブ、 改行の任意の組み合わせから成ります。この構造により、設定中で互いに関連の ある部分の識別が単純になります。 ‘#’ から開始する行はコメントです。

メタ文法

パーサが完全に合致することを期待するキーワードと特殊文字は、ボールド ( bold ) フォントで示します。パラメータは下線 ( underline ) で示します。角 括弧 (‘[’ と ‘]’) 中に示されるパラメータは、省略可能なキーワードとパラ メータを表現するために使用します。垂直バー (‘|’) は、省略可能なパラメータ からの選択を表現するために使用します。カーリーブレース (‘{’ と ‘}’) は、 必要時にキーワードとパラメータをグループ化するために使用します。

インタフェース指定

文によっては、インタフェースの指定が可能または指定が必要なものがありま す。インタフェースは、 lo0ep1 のように、"名前 ユニット" の書式で指定 します。

設定文

       debug on|off;

設定ファイルのパーサのデバッギングを有効にします。 on 指定時には デバッギングが有効になり、 off 指定時にはデバッギングが無効になり ます。デフォルトでは無効です。

dest dest-list [retrycmd];
ルータリナンバリングメッセージを送る終点を指定します。 dest-list は、単一もしくは複数の、数値指定の IPv6 アドレスまたは完全な形で のドメイン名の、任意の組み合わせです。 retrycmd の文法は次の通り です。

retry retry-num
retry-num
は、何回繰り返してルータリナンバリングメッセー ジを送信するかを指定します。

[add|change|setglobal]
match-prefix
match-prefix-val [/match-prefix-len] [maxlen maxlen-val] [minlen minlen-val] [use-prefix use-prefix-val] [/use-prefix-len] [keeplen keeplen-val] [use-prefix-values];

seqnum 0 で送信する、ルータリナンバリングメッセージの内容を指定し ます。 add|change|setglobal が指定されないと、 add が仮定されま す。 use-prefix-values の文法は次の通りです。

{ [vltime vltime-val] [pltime pltime-val] [raf_onlink on|off] [raf_auto on|off] [rrf_decrprefd on|off] [rrf_decrvalid on|off] }

各値は次の意味を持ちます。

match-prefix match-prefix-val [/match-prefix-len]
add|change|setglobal
コマンド適用対象の割り当て済みプレ フィックスとのマッチングに使用される、 match-prefix-val を指定します。 /match-prefix-len は、割り当て済みプレ フィックスとのマッチングに使用される match-prefix-val の 開始部分を、10 進数のビット数で指定します。
maxlen
maxlen-val
match-prefix-val
とマッチ可能なプレフィックスの最大長 を、10 進数のビット数で指定します。
minlen
minlen-val
match-prefix-val
とマッチ可能なプレフィックスの最短長 を、10 進数のビット数で指定します。
use-prefix
use-prefix-val [/usr-prefix-len]
add|change|setglobal
コマンドで追加されるプレフィックスと して使用される use-prefix-val を指定します。 /use-prefix-len は、 add|change|setglobal コマンドで追加 されるプレフィックスの開始部分にコピーされる use-prefix-val の開始部分を、10 進数のビット数で指定しま す。
keeplen
keeplen-val
use-prefix-val
において、 use-prefix-len で指定された開始 部分の直後の中間部分を、10 進数のビット数で指定します。 match-prefix-val とマッチした既存プレフィックスでこれと同 じビット位置の連続ビット部分が、追加されるプレフィックス の同じビット位置にコピーされます。
vltime
vmtime-val
追加されるプレフィックスのプレフィックス有効期間を、 time に割り当てます。 time に有効な値は、10 進数の秒数か、特殊 フォーマット "d00h00m00s00" です。ここで 00 は任意の 10 進数を取り、"d" は日数を、"h" は時間数を、"m" は分数 を、"s" は秒数を意味します。また、特殊キーワード "infinity" も指定可能です。
pltime
pltime-val
追加されるプレフィックスのプレフィックス推奨有効期間を、 time に割り当てます。 time に有効な値は、 vltime-val と同 じです。
raf_onlink on|off

追加されるプレフィックスが、割り当てられるインタフェース に対し、オンリンクまたはオフリンクのどちらかの属性を持た せます。 on 指定時には、プレフィックスはオンリンク属性 ( プレフィックスはリンクに属する) を持ちます。 off 指定時に は、プレフィックスはオフリンク属性 (プレフィックスはリン クに属さない) を持ちます。
raf_auto on|off

追加されるプレフィックスに対し、自律的アドレス自動設定を 有効化または無効化します。 on 指定時には、自律的アドレス 自動設定が有効です。 off 指定時には、無効です。
rrf_decrprefd on|off

pltime の減算を有効化または無効化します。 on 指定時に は、pltime の減算は有効です。 off 指定時には、pltime の減 算は無効です。
rrf_decrvalid on|off

vltime の減算を有効化または無効化します。 on 指定時に は、vltime の減算は有効です。 off 指定時には、vltime の減 算は無効です。

seqnum seqnum-val { rrenum-cmd };
特定の seqnum で送信するルータリナンバリングメッセージを指定しま す。それぞれの seqnum-val が異なる場合には、この文を複数指定可能 です。 rrenum-cmd は、前述の add|change|setglobal 文のものとまっ たく同じ文法です。

使用例

以降に示す各設定ファイル例では、 fec0:0:0::/48 および各自のサブネット番号 で開始する各自のプレフィックスを、各 IPv6 サブネットが持つことを仮定して います (この場合サブネット番号は、プレフィックスの 7 番目と 8 番目のオク テット値です)。

各サブネットに 3ffe:501:ffff::/48 から開始するプレフィックスを割り当てた い場合、各ルータが IPv6 マルチキャストフォワーディングをサポートしていれ ば、次の設定で十分でしょう。サブネット番号は、既存の fec0:0:0::/48 プレ フィックスと、新規に割り当てられる 3ffe:501:ffff::/48 プレフィックスで は、同一です。

      dest ff05::2;

     add match-prefix fec0:0:0:: /48 use-prefix 3ffe:501:ffff:: /48 keeplen 16;

ルータが IPv6 マルチキャストフォワーディングをサポートしない場合、 dest コマンドで各々の終点を指定する必要があります。

      dest fec0:0:0:1:260:8ff:fe24:fb3a fec0:0:0:2:200:eff:fe2e:dfe1 fec0:0:0:3:5254:ff:fedc:5217;

     add match-prefix fec0:0:0:: /48 use-prefix 3ffe:501:ffff:: /48 keeplen 16;

リナンバリングを行う場合、次の手順で行うのが自然です。

             1. 新規プレフィックスを割り当てます。

2. 古いプレフィックスの有効期間を、適切な移行期間長に設定します。 次の例では、有効期間として 1 週間を使用し、推奨有効期間として 0 を使用しています。また、古いプレフィックスに対し、有効期間の 期限切れ機能を有効にします (デフォルトでは、静的であり期限切れ にはなりません)。

3. 移行期間後、古いプレフィックスは無効になるはずで、除去されてし まったかもしれません。除去されたことを確認するには、マッチプレ フィックスが古いプレフィックスで、使用プレフィックスを指定しな い、新規ルータリナンバリングメッセージを送ります。
次の設定ファイルが 1 と 2 を行います。

dest ff05::2;

seqnum 0 {

add match-prefix fec0:0:0:: /48 use-prefix 3ffe:501:fffe:: /48 keeplen 16;

};

seqnum 1 {

change match-prefix 3ffe:501:ffff:: /48 use-prefix 3ffe:501:ffff:: /48 keeplen 16 vltime d7 pltime 0 rrf_decrvalid on rrf_decrprefd on;

};

次の設定ファイルが 3 を行います (1 週間後にルータリナンバリングメッセージ を送信するために使用します)。

dest ff05::2;

change match-prefix 3ffe:501:ffff:: /48;

前記の例では、 addchange のコマンドのみを使用し、 setglobal コマンド の例はありません。 setglobal コマンドは、 change コマンドとほとんど同じで すが、定義済みの IPv6 グローバルアドレスをすべて削除することが違います。

関連項目

prefix(8), rrenumd(8)

歴史

rrenumd.conf 設定ファイルは KAME IPv6 プロトコルスタックキットではじめて 登場しました。

FreeBSD 10.0 November 5, 1998 FreeBSD 10.0

スポンサーリンク