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ISDNTRACE(8) FreeBSD システム管理者マニュアル ISDNTRACE(8)

名称

isdntrace − isdn4bsd ISDN プロトコルトレースユーティリティ

書式

isdntrace [−a] [−b] [−d] [−f filename] [−h] [−i] [−l] [−n number] [−o] [−p filename] [−r] [−u number] [−x] [−B] [−F] [−P] [−R unit] [−T unit]

解説

isdntrace ユーティリティは isdn4bsd パッケージの一部であり、 D チャネル上 のレイヤ 1, 2, 3 のプロトコルアクティビティのニーモニック表記と、 B チャ ネルアクティビティの 16 進数ダンプを、ユーザに提供するために使用されま す。

受動動作がサポートされているカード 2 枚および容易に作成可能なケーブルと共 に本ユーティリティを使用することにより、 S0 バス上のトラフィックを完全に 監視して、 S0 バスアナライザ機能を提供することもできます。

isdntrace ユーティリティは、受動動作がサポートされているカードでのみ動作 します。

すべてのファイルは、ユーザが指定してもデフォルトであっても、タイムスタン プ文字列が -yyyymmdd-hhmmss の形式で追加されます。この形式は、ハイフン、4 桁の年、2 桁の月と日、ハイフン、 2 桁の時間と分と秒です。トレースファイル は上書きされることはありません。 1 秒以内に新規ファイルが必要な場合、ファ イル名生成機構は 1 秒間眠ります。

プログラムが USR1 シグナルを送られた場合、ユーザが指定した新規ファイルま たはデフォルトのファイル名に、新規の日付とタイムスタンプを付けたものが、 生成されてオープンされます。

次のオプションを使用可能です:

       −a

2 枚の受動カードとカスタムケーブルを使用して、 isdntrace をアナラ イズモードで動作させます。カスタムケーブルは、isdn4bsd ソース配布 物中のファイル cable.txt に記述されている方法で作成可能です。片方 のカードが S0 バスの送信方向におけるレシーバとして動作し、もう片 方のカードが S0 バスの受信方向におけるレシーバとして動作します。 この設定により、完全なトラフィック監視が可能となります。

−b
B チャネルのトレースをオンにします (デフォルトではオフです)。

−d
D チャネルのトレースをオフにします (デフォルトではオンです)。

−f
トレース出力を書き込むファイル名として filename を使用します (デ フォルトのファイル名は isdntrace<n> であり、 n はトレースに使用す るユニット番号です)。

−h
ヘッダ表示をオフにします (デフォルトではオンです)。

−i
レイヤ 1 アクティビティを監視するために、レイヤ 1 (I.430) INFO シ グナルを表示します (デフォルトではオフです)。

−l
レイヤ 2 (Q.921) フレームの表示をオフにします (デフォルトではオン です)。

−n
本オプションは数値引数を取り、表示されるフレームの最小フレームサ イズをオクテットで指定します (デフォルトは 0)。

−o
トレース出力のファイルへの書き込みをオフにします (デフォルトでは オンです)。

−p
オプション -B および -P で使用するファイル名として filename を使 用します (デフォルトのファイル名は isdntracebin<n> であり、 n は トレースに使用するユニット番号です)。

−r
パケットの生の 16 進数ダンプを、デコードされたプロトコル情報の前 に表示することを、オフにします (デフォルトではオンです)。

−u
トレースに使用するコントローラカードのユニット番号として、 number を使用します (デフォルトでは 0 です)。

−x
Q.931 プロトコル識別を持たないパケットの表示をオンにします (デ フォルトではオフです)。

−B
後でアナライズするためまたは遠隔アナライズするために、デコード前 のバイナリトレースデータをファイルに書き込みます (デフォルトでは オフです)。

−F
オプション -P (バイナリデータファイルの再生) が使用されたときだ け、本オプションを使用可能です。オプション -F を指定すると、ファ イルが終了しても再生を終了せずに、更なるデータが入力ファイルから 利用できるようになるまで待つようにさせます。

(ディスクスペースを節約するために) トレースデータをバイナリ形式で 収集しているときに、監視機構もまた必要な場合に、本オプションが有 用です (デフォルトではオフです)。

−P
デバイスからではなく、ファイルから、デコード前のバイナリトレース データを読み込みます (デフォルトではオフです)。

−R
アナライズモードにおいて、受信インタフェースユニット番号として、 unit を使用します。

−T
アナライズモードにおいて、送信インタフェースユニット番号として、 unit を使用します。

USR1 シグナルが isdntrace プロセスに送信されると、現在使用されているログ ファイルが再オープンされますので、ログファイルの回転を行うことができま す。

トレース出力は明確なはずです。 ISDN プロトコルトレース時に、次の標準的な テキストを持っていると非常に便利でしょう:

I.430
ISDN BRI レイヤ 1 プロトコルの記述。
Q.921

ISDN D チャネルレイヤ 2 プロトコルの記述。
Q.931

ISDN D チャネルレイヤ 3 プロトコルの記述。
1TR6

ドイツ固有の ISDN レイヤ 3 プロトコルの記述。 (注意: 1TR6 プロトコルのデコードが含まれていますが、サポートされていま せん。なぜなら作者が 1TR6 ベースの ISDN 装置をもう持ってい ないためです。)

isdntrace ユーティリティは、プロトコル分別器 (Protocol Discriminator) を 見て、使用されているレイヤ 3 プロトコルを自動的に検出します (Q.931/1993 pp. 53 参照)。

関連ファイル

       /dev/i4btrc<n>

ISDN カードユニット <n> のトレースメッセージをカーネルから取り 出すために使用するデバイスファイル。

使用例

コマンド:

      isdntrace -f /var/tmp/isdn.trace

は、D チャネルのトレースを受動コントローラ 0 上で開始します。この際、B チャネルのトレース以外はすべて有効にされ、すべては出力ファイル /var/tmp/isdn.trace-yyyymmdd-hhmmss へ書き込まれます。 (yyyymmdd と hhmmss は現在の日付と時刻の値で置き換えられます)。

関連項目

isdnd(8)

バグ

まだ 1 個以上残っています。

規格

ITU Recommendations I.430, Q.920, Q.921, Q.930, Q.931

FTZ Richtlinie 1TR3, Band III

ITU Recommendation Q.932 (03/93), Q.950 (03/93)

ETSI Recommendation ETS 300 179 (10/92), ETS 300 180 (10/92)

ETSI Recommendation ETS 300 181 (04/93), ETS 300 182 (04/93)

ITU Recommendation X.208, X.209

作者

isdntrace ユーティリティは Gary Jennejohn ⟨gj@FreeBSD.org⟩ と Hellmuth Michaelis ⟨hm@FreeBSD.org⟩ が書きました。

本マニュアルページは Hellmuth Michaelis が書きました。

FreeBSD 10.0 November 1, 2000 FreeBSD 10.0

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