xtrap

Section: User Commands (1)
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名前

xtrapreset, xtrapinfo, xtrapstats, xtrapout, xtrapin, xtrapchar, xtrapproto - XTrap 機能拡張のサンプルクライアント  

書式

xtrapreset [ -d[isplay] display ]

xtrapinfo [ -d[isplay] display ]

xtrapstats [ -d[isplay] display ]

xtrapout [ -f script ] [ -e ] [ -d[isplay] display ] [ -v ]

xtrapin [ -f script ] [ -d[isplay] display ]

xtrapchar [ -v ] [ -d[isplay] display ]

xtrapproto [ -d[isplay] display ]  

説明

これらのコマンドは X サーバの XTrap 機能拡張(バージョン 3.3)のソースコードに 付属している サンプルクライアント である。 XTrap 機能拡張は、サーバプロトコルの横取りやコア入力イベントの合成を 行えるようにする機能拡張である。 XTrap 機能拡張のソースコードの入手方法については、 後述の「ソースコード」の項目を参照すること。

xtrapreset は最も簡単な XTrap クライアントであり、XTrap に対して XQueryExtension() を実行するだけのものである。 「reset」という名前は歴史的な経緯でついているだけである。 display は X ツールキットによって解析される引き数で、XTrap が ロードされているディスプレイを指定する。 詳しくは X(1) を参照すること。

xtrapinfo は、XTrap の GetAvailable リクエストを指定されたサーバに送り、 その結果をもとに一般的な設定情報を表示する。 このコマンドは、調べた設定情報の表示に加えて、XTrap 機能拡張と クライアントライブラリの間のリクエスト/レスポンス機構の単なるテストを 行うようにも設計されている。

xtrapstats は、サーバの機能拡張によるイベントとリクエストのベクトル化処理をテスト する。 このテストは、全てのコア入力イベントとリクエストに関する利用状況を集め るようにXTrap を設定することによって行う。 このコマンドは簡単なコマンド行インタフェースを持ち、カウンタ表示・ カウンタのリセット・プログラムの終了を行える。

xtrapout は出力の XTrap 機能拡張から XTrap のクライアントライブラリへの 転送をテストする。 これとは別に、xtrapout は受け取ったイベントとリクエストの「記録」 機能を持っているので、 xtrapoutxtrapin をテストするための入力データの準備に理想的である。 イベントに関係するのは入力する向きのデータ転送だけなので、-e フラグを 指定することにより、全ての入力イベントを(そしてイベントだけを) xtrapout で記録するように指示できる。 script は、主に I/O リダイレクションへの対応が難しい 非 U*IX マシンを使う場合に指定する。 -v フラグを指定すると、全てのリクエストと入力イベントが記録される。

xtrapin は XTrap 機能拡張(サーバ側)への入力データ転送をテストするために使う。 前に述べたように、このコマンドへの入力は xtrapout に -e オプションを指定して実行することで用意できる。 このコマンドの主な機能は XTrap のテストと XTrap の機能の例を示すことで あるが、X セッションを「再生する」簡単なクライアントとしても十分使える。

xtrapchar は、アプリケーションプログラムのシーケンスも含めた ANSI のキャラクタ シーケンスを解析し、XTrap のサーバ機能拡張を使って X ウィンドウのサーバへの入力イベントを生成することである。 このプログラムの目的は、文字ベースの別の入力ソースを X サーバと繋ぐ 実装の例を示すことである(例: 音声認識システム)。 他の応用としては「リモートキーボード」等が考えられる。 -v オプションを指定すると、このプログラムは XTrap の設定情報を表示し、 処理した文字を標準出力にエコーする。 -v オプションを指定する場合には、最初のオプションでなければならない。

注意: 今まで xtrapchar が使われてきたのは、LK201 互換のキーボードが付いている DEC ワークステーション だけである。 移植性を保つために適度な努力はしたが、現時点ではこのプログラムの DEC 以外のマシンへの移植性の高さについては苦情を出さないでほしい。

xtrapproto コマンドは、サーバ・クライアント間で XTrap の基本プロトコルをテスト するために設計された回帰テスト用プログラムである。 使用している XTrap の実装が疑わしい場合には、 このテストの結果を XTrap の実装者や開発者に送るべきである。  

オプション

-d[isplay] display
記録や再生を行う対象のサーバを指定する。 詳しくは を参照すること。

-e
イベントだけを記録する(イベントは全て記録する)。 への入力を作るときに使うべきである。

-f script
記録や再生に使うスクリプトのパス名。

-v
詳細情報出力モード。

 

診断

X Toolkit Error: Can't load DEC-XTRAP extension

XTrap 機能拡張は、指定された X サーバにリンクされていない。  

ソースコード

ソースコードは anonymous FTP 経由で UseNet に投稿されている。 これは以下の場所にある 西海岸(米国): export@lcs.mit.edu:contrib/XTrap_v32*.tar.Z 東海岸(米国): gatekeeper@pa.dec.com:X11/contrib/XTrap_v32*.tar.Z

 

重要な注意

DEC は X コンソーシアムの xtest ワーキンググループに参加した。 このワーキンググループは XTrap の機能を発展させ、これを RECORD 機能拡張 として知られる X11R6 の新しい機能拡張として追加することを決めた(XTrap の入力データ合成機能は現在は XTEST 機能拡張のサポート範囲になっている)。 XTrap 技術のユーザには、RECORD/XTEST 機能拡張を使った開発を始めること を強く推奨する。なぜなら、プロトコルの取り込み機能や作成機能を提供する ために RECORD/XTEST 機能拡張を推進することが X コンソーシアムの考えだ からである。 xtest ワーキンググループには、XTrap から RECORD への移行に関する問題に ついて活発に検討しているメンバーもいる。 貢献したいと思うのであれば、ぜひ御参加してほしい! xtest メーリングリストへの参加方法については、お近くの X コンソーシアム の評議員に相談すること。

XTrap に関する問題が起きた場合や疑問点がある場合などはメールまたは電話 で下記に連絡すること:


        Ken Miller         miller@zk3.dec.com
        (VOICE) 603-881-6221

        (FAX)   603 881-2257

下記の住所に手紙を出してもよい:


        Digital Equipment Corp.
        Ken Miller @ ZKO3-3/Y25
        110 Spitbrook Rd.
        Nashua, NH 03062

もちろん電子メールが好ましいし、返事も一番早くできるだろう。  

関連項目

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Time: 07:00:45 GMT, January 12, 2009