「std::mutex」の版間の差分
提供: C++入門
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== 簡単なmutexの例 == | == 簡単なmutexの例 == |
2013年12月29日 (日) 21:56時点における最新版
std::mutex とは、C++で同時に複数のスレッドによってアクセスされる共有データを保護するための同期プリミティブです。
読み方
- std::mutex
- えすてぃーでぃー みゅーてっくす
概要
mutexを使用してロックとアンロックを行うことで、データを安全に操作できます。
- lock
- mutexが使用できない場合は、ブロックし、ロックします。
- try_lock
- mutexがロックできない場合は、戻ります。
- unlock
- mutexのロック(lock)を解放します。
- std::thread::thread
- いろいろなスレッドの動かし方
- std::unique_lock
- タイムアウト付きのロック
- std::lock
- 複数のmutexをロックするための遅延ロック
簡単なmutexの例
ソースコード std_mutex1.cpp
#include <iostream> #include <thread> #include <exception> #include <mutex> #include <vector> #include <ctime> using namespace std; std::mutex m; std::vector<time_t> v; void do_worker1 () { std::cout << __PRETTY_FUNCTION__ << std::endl; m.lock(); v.push_back(time(NULL)); m.unlock(); } int main (int argc, char *argv[]) { try { std::thread t1(do_worker1); std::thread t2(do_worker1); t1.join(); t2.join(); for(auto t:v) { cout << t << endl; } } catch (std::exception &ex) { std::cerr << ex.what() << std::endl; } return (0); }
コンパイル
g++49 -std=c++11 -I/usr/local/lib/gcc49/include/c++/ \ -Wl,-rpath=/usr/local/lib/gcc49 -pthread std_mutex1.cpp -o std_mutex1
実行例
% ./std_mutex1 void do_worker1() void do_worker1() 1388302924 1388302924
関連項目
mutexの種類 | 説明 |
---|---|
std::mutex | 非再帰的mutex |
std::recursive_mutex | 再帰的mutext |
std::timed_mutex | ロック関数でタイムアウトが可能な非再帰的mutex |
std::recursive_timed_mutex | ロック関数でタイムアウトが可能な再帰的mutex |
ロッククラステンプレート
関数 | 説明 |
---|---|
メンバ関数 | |
std::thread::thread | コンストラクタ。threadオブジェクトを作成します。 |
std::thread::~thread | スレッドがjoinかdetachされている必要があります。スレッドオブジェクトを破棄します。 |
std::thread::operator= | スレッドオブジェクトをmoveします。 |
オブザーバー | |
std::thread::joinable | スレッドが合流可能であるかチェックします。 |
std::thread::get_id | スレッドのIDを返します。 |
std::thread::native_handle | スレッドハンドルを返します。 |
std::thread::hardware_concurrency | 実装によってサポートされる同時スレッド数を返します。 |
操作 | |
std::thread::join | スレッドの終了を待ちます。 |
std::thread::detach | スレッドハンドルから独立して実行するスレッドを許可します。 |
std::thread::swap | スワップ |
非メンバ関数 | |
std::swap | スワップ |
カレントスレッドの管理 | |
std::this_thread::yield_id | 処理系に再スケジュールの機会を与えます。 |
std::this_thread::get_id | スレッドIDを返します。 |
std::this_thread::sleep_for | 指定した時間、現在のスレッドの実行を停止します。 |
std::this_thread::sleep_until | 指定した時刻まで、現在のスレッドの実行を停止します。 |