「仮想関数」の版間の差分
提供: C++入門
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[[仮想関数]] を使用したときは、派生クラスのポインタを基底クラスのポインタで受け取っても、派生クラスのメンバ関数を呼び出します。 | [[仮想関数]] を使用したときは、派生クラスのポインタを基底クラスのポインタで受け取っても、派生クラスのメンバ関数を呼び出します。 | ||
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[[クラス]]を継承する場合には、デストラクタを[[仮想関数]]として定義する必要があります。[[継承と仮想デストラクタ]]をご参照ください。 | [[クラス]]を継承する場合には、デストラクタを[[仮想関数]]として定義する必要があります。[[継承と仮想デストラクタ]]をご参照ください。 | ||
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== 継承の例 == | == 継承の例 == | ||
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=== ソースコード extends_0.cpp === | === ソースコード extends_0.cpp === | ||
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[[クラス]] Bのx()は、f()を呼び出しています。 | [[クラス]] Bのx()は、f()を呼び出しています。 | ||
Bを[[継承]]したC1は、f()を[[オーバーライド]]しています。 | Bを[[継承]]したC1は、f()を[[オーバーライド]]しています。 | ||
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void C1::f() | void C1::f() | ||
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親クラスの関数が呼び出している関数を[[オーバーライド]]しても、親クラスの関数を呼び出すと[[オーバーライド]]した関数を呼び出せませんでした。 | 親クラスの関数が呼び出している関数を[[オーバーライド]]しても、親クラスの関数を呼び出すと[[オーバーライド]]した関数を呼び出せませんでした。 | ||
一部の関数の機能変更をしたいときに、これでは、たくさん書き換えないといけなくなってしまいます。 | 一部の関数の機能変更をしたいときに、これでは、たくさん書き換えないといけなくなってしまいます。 | ||
そこで、[[継承]]して[[オーバーライド]]して拡張しやすくするには、基底クラスのメンバ関数を[[仮想関数]]にします。 | そこで、[[継承]]して[[オーバーライド]]して拡張しやすくするには、基底クラスのメンバ関数を[[仮想関数]]にします。 | ||
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=== ソースコード virtual_2.cpp === | === ソースコード virtual_2.cpp === | ||
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=== 実行例 === | === 実行例 === | ||
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B の[[仮想関数]] f()は、C1 で[[オーバーライド]]しています。 | B の[[仮想関数]] f()は、C1 で[[オーバーライド]]しています。 | ||
C1 は、基底クラスの x() を呼び出すと、 x()は、C1 で[[オーバーライド]]した関数を呼び出しました。 | C1 は、基底クラスの x() を呼び出すと、 x()は、C1 で[[オーバーライド]]した関数を呼び出しました。 | ||
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virtual void C1::f() | virtual void C1::f() | ||
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== 通常の継承の例 == | == 通常の継承の例 == | ||
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この例では、[[仮想関数]]を使用していません。 | この例では、[[仮想関数]]を使用していません。 | ||
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=== ソースコード extends_1.cpp === | === ソースコード extends_1.cpp === | ||
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=== コンパイル === | === コンパイル === | ||
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=== 実行例 === | === 実行例 === | ||
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[[クラス]] B と C1 は、両方とも基底クラスのf()を呼び出しています。 | [[クラス]] B と C1 は、両方とも基底クラスのf()を呼び出しています。 | ||
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% ./extends_1 | % ./extends_1 | ||
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void B::f() | void B::f() | ||
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== 仮想関数の例 == | == 仮想関数の例 == | ||
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=== ソースコード virtual_1.cpp === | === ソースコード virtual_1.cpp === | ||
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#include <iostream> | #include <iostream> | ||
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=== コンパイル === | === コンパイル === | ||
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<syntaxhighlight lang="bash"> | <syntaxhighlight lang="bash"> | ||
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=== 実行例 === | === 実行例 === | ||
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クラス B のポインタにC1のアドレスを渡して、f() を呼び出すと、C1のメンバ関数が呼び出されています。 | クラス B のポインタにC1のアドレスを渡して、f() を呼び出すと、C1のメンバ関数が呼び出されています。 | ||
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<syntaxhighlight lang="bash"> | <syntaxhighlight lang="bash"> | ||
% ./virtual_1 | % ./virtual_1 | ||
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virtual void C1::f() | virtual void C1::f() | ||
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== 関連項目 == | == 関連項目 == | ||
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2016年1月14日 (木) 15:08時点における版
読み方
- 仮想関数
- かそうかんすう
目次
概要
仮想関数 を用いない場合、ポインタの型のメンバが呼び出されます。 仮想関数 を使用したときは、派生クラスのポインタを基底クラスのポインタで受け取っても、派生クラスのメンバ関数を呼び出します。
クラスを継承する場合には、デストラクタを仮想関数として定義する必要があります。継承と仮想デストラクタをご参照ください。
継承の例
ソースコード extends_0.cpp
#include <iostream> using namespace std; class B { public: void x() { f(); } void f() { cout << __PRETTY_FUNCTION__ << endl; } }; class C1 : public B { public: void f() { cout << __PRETTY_FUNCTION__ << endl; } }; int main(int argc, char const* argv[]) { C1 c1; c1.x(); c1.f(); return 0; }
コンパイル
c++ extends_0.cpp -o extends_0
実行例
クラス Bのx()は、f()を呼び出しています。 Bを継承したC1は、f()をオーバーライドしています。
C1のインスタンスc1のxを呼び出すと、基底クラスのf()を呼び出しています。 c1のf()を呼び出すとC1のf()が呼び出されます。
このように、メンバ関数をオーバーライドしても親クラスの関数に影響していません。
% ./extends_0 void B::f() void C1::f()
仮想関数の例
親クラスの関数が呼び出している関数をオーバーライドしても、親クラスの関数を呼び出すとオーバーライドした関数を呼び出せませんでした。 一部の関数の機能変更をしたいときに、これでは、たくさん書き換えないといけなくなってしまいます。
そこで、継承してオーバーライドして拡張しやすくするには、基底クラスのメンバ関数を仮想関数にします。
ソースコード virtual_2.cpp
#include <iostream> using namespace std; class B { public: void x() { f(); } virtual void f() { cout << __PRETTY_FUNCTION__ << endl; } }; class C1 : public B { public: void f() { cout << __PRETTY_FUNCTION__ << endl; } }; int main(int argc, char const* argv[]) { C1 c1; c1.x(); return 0; }
コンパイル
c++ virtual_2.cpp -o virtual_2
実行例
B の仮想関数 f()は、C1 でオーバーライドしています。 C1 は、基底クラスの x() を呼び出すと、 x()は、C1 でオーバーライドした関数を呼び出しました。
% ./virtual_2 virtual void C1::f()
通常の継承の例
この例では、仮想関数を使用していません。
ソースコード extends_1.cpp
#include <iostream> using namespace std; class B { public: void f() { cout << __PRETTY_FUNCTION__ << endl; } }; class C1 : public B { public: void f() { cout << __PRETTY_FUNCTION__ << endl; } }; int main(int argc, char const* argv[]) { B b; C1 c1; B *p; p = &b; p->f(); p = &c1; p->f(); return 0; }
コンパイル
c++ extends_1.cpp -o extends_1
実行例
クラス B と C1 は、両方とも基底クラスのf()を呼び出しています。
% ./extends_1 void B::f() void B::f()
仮想関数の例
ソースコード virtual_1.cpp
#include <iostream> using namespace std; class B { public: virtual void f() { cout << __PRETTY_FUNCTION__ << endl; } }; class C1 : public B { public: void f() { cout << __PRETTY_FUNCTION__ << endl; } }; int main(int argc, char const* argv[]) { B b; C1 c1; B *p; p = &b; p->f(); p = &c1; p->f(); return 0; }
コンパイル
c++ virtual_1.cpp -o virtual_1
実行例
クラス B のポインタにC1のアドレスを渡して、f() を呼び出すと、C1のメンバ関数が呼び出されています。
% ./virtual_1 virtual void B::f() virtual void C1::f()