C++11

提供: C++入門
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C++11 とは、2011年での最新のC++言語のISO標準です。言語の機能追加や標準C++ライブラリの拡張を行っています。g++clang++で利用できます。新しい機能を利用するためには、新しいコンパイラが必要な場合があります。

読み方

C++11
しーぷらすぷらす じゅういち

概要

C++11の拡張やライブラリを使用するためには、新しいコンパイラが必要になります。また、コンパイラによっては、C++11の機能を使うために、明示的にオプションで指定する必要があります。

以下は、コンパイルオプションの例です。

g++49 -std=c++11 foo.cc
g++48 -std=c++11 foo.cc
clang++ -std=c++11 foo.cc

FreeBSDのベースシステム以外のg++では、rpathを指定してコンパイルする必要があります。

g++49 -std=c++11 -Wl,-rpath=/usr/local/lib/gcc49/ foo.cc

それぞれコンパイラのオプションについては、g++clang++をご参照ください。

クラスの初期化

従来は、このようにクラスの初期化を定義できませんでした。

#include <iostream>
using namespace std;
class C {
        int i;
        public:
        C (int ia) : i(ia) {}
        C () : C (123) {}
 
};
int main(int argc, char const* argv[])
{
        C c;
        return 0;
}

コンパイル方法は、以下の通りです。

clang++ constractor1.cpp -std=c++11

従来のコンパイラ・コンパイルモードでは、以下のエラーになります。 clang++では、C++11でのみ許可されると説明しています。

% g++ constractor1.cpp
constractor1.cpp: In constructor 'C::C()':
constractor1.cpp:7: error: type 'C' is not a direct base of 'C'
% clang++ constractor1.cpp
constractor1.cpp:7:9: error: delegating constructors are permitted only in C++11
        C () : C (123) {}
               ^
1 error generated.

コンテナクラスの初期化

クラスでも初期化リストを扱えるように、std::initializer_listを追加されました。 従来では、std::vectorは、初期化リストを指定できず、push_back()で初期化するなどのコーディングを必要としていました。

しかし、C++11では、こんなに簡単です。

#include <vector>
using namespace std;
int main(int argc, char const* argv[])
{
        vector<int> v = {1,2,3};
        return 0;
}

std::mapであれば、std::make_pairでさらに面倒なコーディングが必要でした。 しかし、C++11では、こんなに簡単です。

#include <map>
#include <string>
using namespace std;
int main(int argc, char const* argv[])
{
        map<string,int> m = {
                {"foo",1},
                {"bar",2},
        };
        return 0;
}

推論型

変数の型を推論型にすることで、プログラミングが簡単・簡素になります。autoとRange-pased forを組み合わせることでループが簡単に書けます。

定数

constexprを使用することで、このような初期化も可能になりました。

/*
 * constexpr1.cpp
 * Copyright (C) 2014 kaoru <kaoru@bsd>
 */
#include <iostream>
 
using namespace std;
 
int
main(int argc, char const* argv[])
{
        struct X { int n; };
        constexpr X x = {123};
        int a[x.n] = { 1 };
        return 0;
}

nullptr

NULL の定義が 0 や 0L のため、オーバーロード時の評価で期待した結果が得られない問題あり、nullptrが導入されました。

#include <iostream>
using namespace std;
void f(double *fptr) {
        cout << __PRETTY_FUNCTION__ << endl;
}
void f(int i) {
        cout << __PRETTY_FUNCTION__ << endl;
}
int main(int argc, char const* argv[])
{
        f(0);           // f(int)
        f(nullptr);     //f(double*)
 
        {
                char *null_ptr = NULL;
                char *nullptr_ptr = nullptr;
                if (null_ptr == nullptr_ptr) {
                }
        }
        return 0;
}

詳しくは、nullptrをご参照ください。

関連項目




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