「std::unique lock」の版間の差分

提供: C++入門
移動: 案内検索
(ページの作成:「std::unique_lock とは、C++のmutexの処理を書くときに、コンストラクトデストラクタで確実にロックとアンロックを行うための...」)
(相違点なし)

2013年12月29日 (日) 19:33時点における版

std::unique_lock とは、C++のmutexの処理を書くときに、コンストラクトデストラクタで確実にロックとアンロックを行うためのクラスです。

読み方

std::unique_lock
えすてぃーでぃー ゆにーく ろっく

概要

std::unique_lockは、タイムアウト付きのロックを試行できます。 std::lock_guardとの違いは、以下の通りです。

  • コンストラクタでは、ロックせずに、あとからロックを取得します(defer lock)。
  • 今ストラクでロックの取得に、lock()ではなく try_lock()を使用できます。
  • mutexの所有権を移動・交換(swap)と放棄(release)ができます。
  • 任意のタイミングで、所有 mutex の lock 操作を呼び出せます。

タイムアウト付きのロックの例

ソースコード std_mutex_unique_lock1.cpp

#include <iostream>
#include <thread>
#include <exception>
#include <mutex>
#include <vector>
#include <ctime>
using namespace std;
std::timed_mutex m;
std::vector<time_t> v;
 
void
do_worker1 () {
        std::cout << __PRETTY_FUNCTION__ << std::endl;
        std::unique_lock<std::timed_mutex> ul(m,
                        std::chrono::milliseconds(3)
                        ); // wait upt to 3ms
        if (ul) { // If I got the lock, access data.
                v.push_back(time(NULL));
        }
        // mutex unlocked !
}
 
int
main (int argc, char *argv[]) {
        try {
                std::thread t1(do_worker1);
                std::thread t2(do_worker1);
                t1.join();
                t2.join();
                for(auto t:v) {
                        cout << t << endl;
                }
        } catch (std::exception &ex) {
                std::cerr << ex.what() << std::endl;
        }
        return (0);
}

コンパイル

g++49 -std=c++11 -I/usr/local/lib/gcc49/include/c++/ \
-Wl,-rpath=/usr/local/lib/gcc49  -pthread std_mutex_unique_lock1.cpp -o std_mutex_unique_lock1

実行例

% ./std_mutex_unique_lock1
void do_worker1()
void do_worker1()
1388312730
1388312730

関連項目

mutex
mutexの種類 説明
std::mutex 非再帰的mutex
std::recursive_mutex 再帰的mutext
std::timed_mutex ロック関数でタイムアウトが可能な非再帰的mutex
std::recursive_timed_mutex ロック関数でタイムアウトが可能な再帰的mutex

ロッククラステンプレート

std::thread メンバ関数
関数 説明
メンバ関数
std::thread::thread コンストラクタ。threadオブジェクトを作成します。
std::thread::~thread スレッドがjoinかdetachされている必要があります。スレッドオブジェクトを破棄します。
std::thread::operator= スレッドオブジェクトをmoveします。
オブザーバー
std::thread::joinable スレッドが合流可能であるかチェックします。
std::thread::get_id スレッドのIDを返します。
std::thread::native_handle スレッドハンドルを返します。
std::thread::hardware_concurrency 実装によってサポートされる同時スレッド数を返します。
操作
std::thread::join スレッドの終了を待ちます。
std::thread::detach スレッドハンドルから独立して実行するスレッドを許可します。
std::thread::swap スワップ
非メンバ関数
std::swap スワップ
カレントスレッドの管理
std::this_thread::yield_id 処理系に再スケジュールの機会を与えます。
std::this_thread::get_id スレッドIDを返します。
std::this_thread::sleep_for 指定した時間、現在のスレッドの実行を停止します。
std::this_thread::sleep_until 指定した時刻まで、現在のスレッドの実行を停止します。