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GROTTY

名称
書式
解説
オプション
使用法
環境変数
関連ファイル
バグ
関連項目

名称

grotty − タイプライタ型デバイスのための groff ドライバ

書式

grotty [ −bBcdfhioruUv ] [ −Fdir ] [ files... ]

−F オプションとパラメータの間に空白を含めることが可能です。

解説

grotty は、GNU troff の出力をタイプライタ型デバイスのために変換します。 通常 grotty は、ASCII ベースのシス テ ム 上 で は groff−Tascii, −Tlatin1, −Tkoi8-r, −Tutf8 のいずれかのオプションを指定することによ り、EBCDIC ベースのシステム上では −Tcp1047 および −Tutf8 オプションを指 定 することによりそれぞれ起動されます。ファイル名を指定しない場合は標準 入力を読み込みます。ファイル名として を指定した場合も標準入力を読み込 みます。出力は標準出力に書き出されます。

デ フォ ル トでは、テキスト属性 (ボールド、イタリック、色) を変えるため に、 grotty は SGR エスケープシーケンス (ISO 6429 であり ANSI 色シー ケ ン スとも呼ばれます) を出力します。これにより、8 種類の 背景色 と前景色 が持てます。更に、ボールドとイタリック属性は同時に 使用可 能 で す (BI フォントを使います)。

次 の 色が tty.tmac で定義されています: black, white, red, green, blue, yellow, magenta, cyan。未知の色はデフォルトの色にマップされます (端末の 設定に依存しますが、ほとんどの場合前景色は黒で、背景色は白です)。

昔の動作に戻すには −c を使用してください。 grotty は、ボールド文字 c を ‘c BACKSPACE c’ というシーケンスで、イタリック文字 c を ‘_ BACKSPACE c’ と い う シーケンスで出力するようになります。同時に色出力が無効になりま す。同じ効果を得るには、環境変数 GROFF_NO_SGR を設定するか、‘sgr’ X コ マンド (後述) を使用します。

SGR サ ポー トのためには、 less(1) に −R オプションを使用することで、 grotty の古い出力フォーマットを解釈しないようにさせます。 そ の 結 果、 less をページャとして使うすべてのプログラムはこのオプションを渡す必要が ありなす。特に man(1) の場合、 −R$PAGER 環境変数に追加する、例えば

PAGER="/usr/bin/less -R"
export PAGER

とするか、 man−P オプションにてページャ実行形式とオプションを指定す るか、 man の設定ファイルを同様の方法で修正します。

grotty の古い整形を ul(1) を通すことにより、端末で表示することができる ようになります。 more(1) や less(1) のようなページャも、これらのシー ケ ンスを表示することができます。 less(1) を使って表示する場合は −B または −U オプションを、 more(1) を使って表示する場合は −b オプションを使用 し て ください。 grotty は逆改行を出力しないので、 col(1) を通す必要はあり ません。

フォント記述ファイルには、以下のコマンドを含めることができます。

internalname n

ここで、 n は 10 進数の整数です。もし n の 01 ビットがセットされてい る な ら、 そ のフォントはイタリックフォントとして扱われます。 02 ビットが セットされているなら、ボールドフォントとして扱われます。フォント記述 の コー ドフィールドは、出力時に用いられる文字を指定します。このコードは、 troff\N エスケープシーケンスでも使用されます。

オプション

−b

ボールド文字を出力するのに二重打ちを使わないようにしま す。 −c が使われていない場合には無視されます。

−B

ボールドイタリック文字をただの二重打ちで出力します。 −c が 使われていない場合には無視されます。

−c

grotty の古い出力フォーマット (上述) を使用します。また、色 出力も無効化します。

−d

すべての \D コマンドを無視します。このオプションを指定しな いと、 grotty\D’l...’ コマンドのうち引数のどちらかが 0 ( す なわち水平あるいは垂直線の描画) であるものを、文字 , |, + を用 いて描画します。

−f

フォームフィードを使用します。最終行に出力するもの が な い ページの最後にフォームフィードが出力されます。

−Fdir

フォントとデバイス記述ファイルの検索パスの前に、ディレク トリ dir/devname を追加します。 name はデバイス名 で、 通 常 は ascii, latin1, koi8-r, utf8, cp1047 のいずれかです。

−h

出力に水平タブを使用します。水平タブは 8 桁ごとに設定されて いるものとします。

−i

イタリックフォント (‘I’ と ‘BI’) に対し、下線属性を使用する 代 りにイタリックテキスト属性を設定するエスケープシーケンスを使 用します。ほとんどの端末 (xterm を含みます) がこれをサポート し な いことに注意してください。 −c が使用されている場合には無視さ れます。

−r

イタリックフォント (‘I’ と ‘BI’) に対し、下線属性を使用する 代 りに反転テキスト属性を設定するエスケープシーケンスを使用しま す。 −c が使用されている場合には無視されます。 −u イタリック 文 字 を出力するのにアンダラインを使用しないようにします。 −c が使 用されていない場合には無視されます。

−U

ボールドイタリック文字をただのアンダラインで出力します。

−v

バージョン番号を表示します。

使用法

grotty は、 \X エスケープシーケンスで生成した、単独の X コマンドを理 解 します。

\X’tty: sgr n

n が 0 でない場合か無い場合、SGR 出力を有効にします (デフォルト です)。そうではない場合、ボールドと下線に関し、古い描画方式を使 用します。

環境変数

GROFF_NO_SGR

設 定すると、ボールドとアンダラインに対し (バックスペース文字を 使うという) 古い描画方式を使用します。色は無効化されます。

関連ファイル

/usr/share/groff_font/devascii/DESC

ascii デバイス記述ファイル

/usr/share/groff_font/devascii/F

ascii デバイスにおけるフォント F 用のフォント記述ファイル

/usr/share/groff_font/devkoi8-r/DESC

koi8-r デバイス記述ファイル

/usr/share/groff_font/devkoi8-r/F

koi8-r デバイスにおけるフォント F 用のフォント記述ファイル

/usr/share/groff_font/devlatin1/DESC

latin1 デバイス記述ファイル

/usr/share/groff_font/devlatin1/F

latin1 デバイスにおけるフォント F 用のフォント記述ファイル

/usr/share/groff_font/devutf8/DESC

utf8 デバイス記述ファイル

/usr/share/groff_font/devutf8/F

utf8 デバイスにおけるフォント F 用のフォント記述ファイル

/usr/share/groff_font/devcp1047/DESC

cp1047 デバイス記述ファイル

/usr/share/groff_font/devcp1047/F

cp1047 デバイスにおけるフォント F 用のフォント記述ファイル

/usr/share/tmac/tty.tmac

grotty で用いるマクロ

/usr/share/tmac/tty-char.tmac

そのままでは grotty に表示できない文字の表示方法の定義

EBCDIC ホストでは、 cp1047 デバイス用のファイルのみがインストールされる ことに注意してください。

バグ

grotty は、単純なドキュメントの作成を意図して作られています。

水平や鉛直方向への小さな移動 (半改行など、1文字、1行より小さな位置決め) をサポートしていません。

水平線、鉛直線以外の \D コマンドはサポートされていません。

1 行目よりも上に位置する文字(すなわち垂直方向の座標が 0 である文字)は出 力されません。

色 の扱い方が grops(1) と違います。 \M は閉じたグラフィック物体 (どちら にせよ grotty はこれをサポートしません) の塗り潰し色を設定しません が、 文字セルの背景色を変えるので、後続する操作すべてに影響します。

関連項目

groff(1), troff(1), groff_out(5), groff_font(5), groff_char(7), ul(1), more(1), man(1), less(1)

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