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STTY(1) FreeBSD 一般コマンドマニュアル STTY(1)

名称

stty − 端末の設定を行なう

書式

stty [−a | −e | −g] [−f file] [operands]

解説

stty は、標準入力になっているデバイスの端末属性を設定もしくは表示するプロ グラムです。オプションや引数を指定しなかった場合、設定されている属性の一 部や、デフォルト値と違う値が設定されている属性を表示します。指定した場合 は、指定された引数に従って端末の状態を変更します。ターミナルの種類によっ ては相互に排他的な引数の組み合わせもあります。

オプションとしては以下のものがあります。

       −a

IEEE Std 1003.2 (‘‘POSIX.2’’) に規定された形式で、現在の端末属性 をすべて標準出力に出力します。

−e
BSD の伝統的な ‘‘all’’ や ‘‘everything’’ の形式で、現在の端末属性 をすべて標準出力に出力します。

−f
標準入力ではなく、 file で指定された端末を使います。このファイル は open() 関数に O_NONBLOCK フラグを付けてオープンされるので、端 末の設定や表示をブロックされずに行なうことができます。

−g
端末変更後に端末の状態を復帰させられるように、 stty の引数として 指定できる形式で、現在の端末属性を標準出力に出力します。この形式 は IEEE Std 1003.2 (‘‘POSIX.2’’) に規定されています。

端末属性の設定には、以下の引数が使えます。

制御モード:

制御モードのフラグは端末と関連するハードウェアの属性に影響します。これは termios 構造体の c_cflag に相当します。

parenb (−parenb)
パリティ生成および検出を有効 (無効) にします。

parodd (−parodd)
奇数パリティ (偶数パリティ) にします。

cs5 cs6 cs7 cs8
可能なら 1 文字のビット幅を設定します。

number
可能なら、端末のボーレートを number に設定します。0 を指定し た場合は、モデムの制御を切ります。

ispeed number
可能なら、入力のボーレートを number に設定します。0 を設定し た場合は、出力のボーレートと同じ値に設定されます。

ospeed number
可能なら、出力のボーレートを number に設定します。0 を設定し た場合は、モデムの制御を切ります。

speed number
ispeed
ospeed の両方を number に設定します。

hupcl (−hupcl)
そのデバイスをオープンしているプロセスがクローズ処理を行った とき、ほかにこのデバイスをオープンしているプロセスがなけれ ば、モデムの制御機能により切断処理を行います (行いません)。

hup (−hup)
hupcl (−hupcl) と同じです。

cstopb (−cstopb)
ストップビットを 2 ビット (1 ビット) にします。

cread (−cread)
受話器を有効 (無効) にします。

clocal (−clocal)
回線に対してモデム制御が不要である (必要である) とみなしま す。

crtscts (−crtscts)
RTS/CTS フロー制御を有効 (無効) にします。

入力モード:
これは termios 構造体の c_iflag に相当します。

ignbrk (−ignbrk)
入力のブレーク信号を無視します (無視しません)。

brkint (−brkint)
ブレークを受信したとき、シグナル INTR を出します (出しませ ん)。

ignpar (−ignpar)
パリティエラーを無視します (無視しません)。

parmrk (−parmrk)
パリティエラーをマークします (マークしません)。

inpck (−inpck)
入力のパリティチェックを有効 (無効) にします。

istrip (−istrip)
入力した文字の 8 ビット目を捨てて 7 ビットにします (8 ビット 目を捨てません)。

inlcr (−inlcr)
入力の NL を CR に変換します (変換しません)。

igncr (−igncr)
入力の CR を無視します (無視しません)。

icrnl (−icrnl)
入力の CR を NL に変換します (変換しません)。

ixon (−ixon)
制御コードの START/STOP を使った出力フロー制御を有効 (無効) にします。システムから端末への出力において、システムが STOP を受信したら出力を中断し、 START を受信するか、 ixany が設定 されている場合は何らかの文字を受信すると、出力を再開するよう になります。

ixoff (−ixoff)
システムの入力キューが空/満杯に近づいたら、それぞれ START/STOP を出力するようにします (近づいても、出力しませ ん)。

ixany (−ixany)
どんな文字が来ても ( START が来た場合のみ) 出力を再開します。

imaxbel (−imaxbel)
システムによって入力キューの MAX_INPUT (一般的には 255) の最 大文字数が規定されており、 imaxbel がセットされていると、入力 キューの制限を越えた入力に対して ASCII BEL キャラクタを出力 キューに送ります (端末が鳴ります)。 imaxbel がセットされてい なくて入力キューが一杯になった場合、次の文字入力ですべての入 力、出力キューは捨てられます。

出力モード:
これは termios 構造体の c_oflag に相当します。

opost (−opost)
プロセス後の処理を行った上で出力をします (プロセス後の処理を 行わずに出力します。この指定をすると、他のすべての出力モード が無視されます)。

onlcr (−onlcr)
出力の NL を CR-NL に変換します (変換しません)。

ocrnl (−ocrnl)
CR を NL へマップします (マップしません)。

oxtabs (−oxtabs)
出力のタブをスペースに展開します (展開しません)。

onocr (−onocr)
桁 0 において CR を出力します (出力しません)。

onlret (−onlret)
端末上で NL が CR の機能を実行します (実行しません)。

ローカルモード:

ローカルモードのフラグ (lflags) は端末処理のさまざまな属性に影響します。 歴史的には、"local" という名前のつけられた新しいジョブコントロール機能は Jim Kulp によって IIASA の Pdp 11/70 に実装されました。その後このドライバ は、 Evans Hall, UC Berkeley の最初の VAX 上で走りました。その際ジョブコ ントロールの細部は大幅に変更されましたが、構造体の定義と名前は根本的には 変わりませんでした。 lflag の ’l’ の 2 つ目の解釈は、 termios 構造体の c_lflag に相当する ‘‘line discipline flag’’(行制御規則フラグ) です。

isig (−isig)
特殊な制御文字 INTR, QUIT, SUSP に対する処理を有効 (無効) に します。

icanon (−icanon)
ERASE と KILL 処理による入力制御を有効 (無効) にします。

iexten (−iexten)
icanon, isig, ixon で制御に使われているもの以外の特殊な制御文 字の処理を有効 (無効) にします。

echo (−echo)
タイプされた文字をエコーバックします (エコーバックしません)。

echoe (−echoe)
ERASE 文字の入力があった場合、可能ならディスプレイ上に見える 現在の出力行の最後の文字を消します (消しません)。

echok (−echok)
KILL 文字の入力があった場合、そのあとに NL を出力します (出力 しません)。

echoke (−echoke)
可能なら、 KILL 文字でディスプレイ上の現在の行を消します (消 しません)。

echonl (−echonl)
echo が無効になっているときでも NL 文字だけはエコーバックさせ ます (エコーバックしません)。

echoctl (−echoctl)
echoctl
をセットすると、制御文字は ^X のように表示されます。 セットしなければ、その文字自身が表示されます。

echoprt (−echoprt)
プリンタ端末に対するもので、設定された場合、削除された文字を ‘‘\’’ と ‘‘/’’ で囲んで逆方向にエコーします。設定されていなけ れば、この機能を無効にします。

noflsh (−noflsh)
INTR, QUIT, SUSP のあとのフラッシュ処理を無効 (有効) にしま す。

tostop (−tostop)
バックグラウンドジョブが出力を行おうとした時に SIGTTOU を送り ます (送りません)。これによってバックグラウンドジョブは画面出 力を行おうとすると停止するようになります。

altwerase (−altwerase)
WERASE 文字を処理するときに、別の単語消去アルゴリズムを用いま す (用いません)。このアルゴリズムは英数字とアンダスコアの並び を単語とみなします。また、分類上直前の文字をスキップします ( 便宜的に、直前の文字を ERASE 一文字で消すことができるようにす るため)。

mdmbuf (−mdmbuf)
セットされると、CD 信号の検出によるフロー制御の出力を行いま す。セットされなければ、CD 信号の低下に対してエラーを出力しま す (キャリア信号は CLOCAL フラグによっても無視されません)。

flusho (−flusho)
出力を捨てます (捨てません)。

pendin (−pendin)
入力を非標準 (non-canonical) モードから標準 (canonical) モー ドへ切り換えたあと、入力を保留します (保留しません)。読み込み が保留されたとき、または更に入力があったときに再入力されま す。

制御文字:

control-character string
string
control-character を割り当てます。もし string が 1 文字だけなら、その文字に control-character が割り当てられま す。 string が 2 文字の "^-" もしくは "undef" の場合は control-character は無効にされます (つまり、 {_POSIX_VDISABLE} になります)。

認識される制御文字:

制御文字 記号 説明
_________ _________ _______________
eof VEOF EOF character
eol VEOL EOL character
eol2 VEOL2 EOL2 character
erase VERASE ERASE character
erase2 VERASE2 ERASE2 character
werase VWERASE WERASE character
intr VINTR INTR character
kill VKILL KILL character
quit VQUIT QUIT character
susp VSUSP SUSP character
start VSTART START character
stop VSTOP STOP character
dsusp VDSUSP DSUSP character
lnext VLNEXT LNEXT character
reprint VREPRINT REPRINT character
status VSTATUS STATUS character

       min number

time number
min あるいは time の値を number にします。 MIN と TIME は非標 準的なモード (-icanon) での入力処理に使われます。

複合モード:

saved settings
現在の端末属性を −g オプションによって保存された属性にしま す。

evenp or parity
parenb と cs7 を有効にし、parodd を無効にします。

oddp
parenb, cs7, parodd を有効にします。

−parity, −evenp, −oddp
parenb を無効にして、cs8 をセットします。

nl (−nl)
icrnl を有効 (無効) にします。それに加えて、-nl は inlcr と igncr を解除します。

ek
ERASE, ERASE2, KILL に割り当てられている文字をシステムのデ フォルトのものに戻します。

sane
すべてのモードを対話的な端末利用に妥当な値にリセットします。

tty
行制御規則を標準端末の規則 TTYDISC に設定します。

crt (−crt)
CRT ディスプレイ用に適合するモードをすべて有効 (無効) にしま す。

kerninfo (−kerninfo)
STATUS 文字 (通常 ^T に設定されています) に結びつけられたシス テムステータス行の生成を有効 (無効) にします。このステータス 行はシステムの負荷、現在のコマンドの名前、プロセス ID、プロセ スが待っているイベント (あるいはプロセスの状態)、ユーザ時間と システム時間、CPU 利用率、現在のメモリ使用状況からなっていま す。

columns number
端末の大きさを number 列とします。

cols number
columns
の別名定義です。

rows number
端末の大きさを number 行とします。

dec
Digital Equipment Corporation systems の端末設定にします。 ( ERASE, KILL, INTR をそれぞれ ^?, ^U, ^Cとし、 ixany を無効、 crt を有効にします)

extproc (−extproc)
設定されると、一部の端末処理が端末機器ないし pty に接続された リモート側で行なわれるようになります。

raw (−raw)
端末モードを全く入出力処理を行なわないモードにします。これを 無効にすると、端末を入出力処理を行なう普通のモードに戻しま す。注意すべきなのは、端末用のドライバは単一の RAW ビットを持 つわけではないので、 raw モードに設定する前にどのようなフラグ が設定してあったのかを知ることができないということです。つま り、 raw モードを解除するだけでは、 raw モード設定前の状態に は戻りません。端末を raw 状態にして、それを正確に元に戻すため には、以下のようなシェルコマンドを使うことを薦めます。

save_state=$(stty -g)
stty raw
...
stty "$save_state"

       size

端末の大きさを行、列の順に並べた 1 行で表示します。

互換モード:

以下のモードは旧バージョンの stty コマンドとの互換性保持のために残されて います。

all
縦覧式でコントロール文字を表示する以外は、 stty −a と同様に端 末設定を表示します。

everything
all
と同じです。

cooked
sane
と同じです。

cbreak
brkint
, ixon, imaxbel, opost, isig, iexten, −icanon を有効に します。解除した場合は sane と同じです。

new
tty
と同じです。

old
tty
と同じです。

newcrt (−newcrt)
crt
と同じです。

pass8
parity
の反対です。

tandem (−tandem)
ixoff
と同じです。

decctlq (−decctlq)
ixany
の反対です。

crterase (−crterase)
echoe
と同じです。

crtbs (−crtbs)
echoe
と同じです。

crtkill (−crtkill)
echoke
と同じです。

ctlecho (−ctlecho)
echoctl
と同じです。

prterase (−prterase)
echoprt
と同じです。

litout (−litout)
opost
の反対です。

tabs (−tabs)
oxtabs
の反対です。

brk value
制御文字 eol と同じです。

flush value
制御文字 discard と同じです。

rprnt value
制御文字 reprint と同じです。

診断

ユーティリティ stty は、成功すると 0 で、エラーがあった場合は >0 で終了し ます。

関連項目

termios(4)

規格

stty ユーティリティは、 IEEE Std 1003.2 (‘‘POSIX.2’’) 互換です。 −e−f のフラグは規格を拡張しています。

FreeBSD 10.0 April 18, 1994 FreeBSD 10.0

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