スポンサーリンク

PN(4) FreeBSD/i386 カーネルインタフェースマニュアル PN(4)

名称

pn − Lite-On 82c168/82c169 PNIC ファストイーサネットデバイスドライバ

書式

device pn0

解説

pn ドライバは Lite-On 82c168、82c169 ファストイーサネットコントローラチッ プを使用した PCI イーサネットアダプタ及び組み込みコントローラをサポートし ます。これらの中には、LinkSys LNE100TX、 Bay Networks Netgear FA310TX リ ビジョン D1、 Matrox Networks FastNIC 10/100、また D-Link や Trendware を はじめとする、いくつかのファストイーサネットカードが含まれます。

バスマスタ DMA を使用する Lite-On チップは、 DEC の ’tulip’ と似た動作を するように設計されています。以前 DEC 21x4x デバイスを使用して設計していた たくさんのベンダが現在では PNIC を代わりに使用しています。このチップは内 蔵トランシーバと MII バス経由の外部トランシーバの両方をサポートしていま す。 Lite-On チップは EEPROM や MII アクセスが追加されましたが、 DEC 21x4x コントローラとレジスタ互換であるように設計されています。 PNIC コン トローラは 10Mbps、100Mbps のそれぞれで全二重、半二重の双方をサポートしま す。

pn ドライバは以下のメディアタイプをサポートします。

       autoselect

メディアタイプとオプションの自動選択を許可します。 ユーザは /etc/rc.conf ファイルにメディアオプション を追加することにより、手動で自動選択されたモードを 変更することができます。

10baseT/UTP
10Mbps 動作に設定します。さらに、 mediaopt オプショ ンは full-duplexhalf-duplex のモードを設定する のに使えます。

100baseTX
100Mbps (ファストイーサネット) 動作に設定します。 mediaopt またオプションは、 full-duplex もしくは half-duplex モードで動作するように設定することもで きます。

pn ドライバは以下のメディアオプションをサポートします。

full-duplex
強制的に半二重モードでの動作にします。

half-duplex
強制的に半二重モードでの動作にします。

メディアタイプ 100baseTX は、アダプタによってサポートされている場合にのみ 使用可能だということに注意してください。このデバイスの設定に関するより情 報については、 ifconfig(8) も参照してください。

診断

pn%d: couldn’t map memory 致命的な初期化エラーが発生しました。

pn%d: couldn’t map interrupt 致命的な初期化エラーが発生しました。

pn%d: watchdog timeout デバイスがネットワークへの応答を停止したか、ネッ トワークへの接続 (ケーブル) に問題があります。

pn%d: no memory for rx list ドライバが受信呼出しのためのメモリバッファを 確保できませんでした。

pn%d: no memory for tx list ドライバが、送信のためのバッファを確保できな かったか、送信バッファのメモリチェーンが壊れました。

pn%d: chip is in D3 power state -- setting to D0 このメッセージはパワー マネジメントをサポートしたカードでのみ発生します。オペレーティングシステ ムによっては、シャットダウンの際にコントローラを省電力モードにするものが あり、PCI BIOS によっては、チップの設定をする前にこのモードからチップを戻 すことができません。コントローラは D3 状態ですべての PCI コンフィギュレー ションを失うため、BIOS がその時にフルパワーモードにセットすることができな ければ正しい設定を行うことはできません。ドライバはこの状況を検出して D0 ( フルパワー) 状態に持っていこうとしますが、これではドライバを通常の作動状 態に復帰させることはできないでしょう。もしこのメッセージが起動時に表示さ れて、ドライバがデバイスをネットワークインタフェースとして認識することが できなければ、デバイスが正しく設定されるように二度目の再起動を行う必要が あります。

この状況は他の OS を使用していて再起動した (warm booting) ときにだけ発生 することに注意してください。もし電源を切ってから、最初に FreeBSD を起動す れば、カードは正しく設定されるでしょう。

関連項目

arp(4), netintro(4), ifconfig(8)

歴史

pn デバイスドライバは FreeBSD 3.0 ではじめて登場しました。

作者

pn ドライバは Bill Paul ⟨wpaul@ctr.columbia.edu⟩ によって開発されました。

バグ

pn ドライバは現在のところ、 MII バス経由の PNIC コントローラに接続されて いる外部トランシーバをもつカードしかサポートしていません。これは作者が内 蔵トランシーバをテストするためのボードを入手できなかったためです。現在出 回っている PNIC の実装のほとんどは外部 PHY を使用しており、したがってこの ことは深刻な問題ではないでしょう。ハードウェアが入手できるようになれば、 内蔵トランシーバをサポートするコードが追加されるかもしれません。

FreeBSD November 7, 1998 FreeBSD

スポンサーリンク