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PCCARDC(8) FreeBSD システム管理者マニュアル PCCARDC(8)

名称

pccardc − PC-CARD (PCMCIA) の制御とモニタを行うツール

書式

pccardc subcommand [arg ...]

解説

pccardc ユーティリティは PC-CARD スロットの制御と、 PCMCIA カードの設定や 情報表示を行います。次のサブコマンドを理解します:

       beep

ビープタイプを設定します
dumpcis

カードの CIS (複数可) を表示します
dumpcisfile

カードの CIS (複数可) をファイルから表示します
enabler

デバイスドライバのイネーブラ
help

コマンドのまとめを表示します
pccardmem

pccard ドライバにメモリを割り当てます
power

スロットの電源をオン/オフし、無効なままにします
rdattr

アトリビュートメモリを読み込みます
rdmap

pcic マッピングを読み込みます
rdreg

pcic レジスタを読み込みます
wrattr

アトリビュートメモリへバイトを書き込みます
wrreg

pcic レジスタへ書き込みます

1. beep beep_mode

カード挿抜時のサウンド種別を設定します。本サブコマンドは、 rc.conf(5) 中の pccard_beep に対応します。 beep_mode に使用可能な値 は次の通りです:

0
サイレントモード
1
シンプルビープモード
2
メロディモード

2. dumpcis [slot]

カードの不揮発性メモリ (EEPROM) に格納されている CIS (Card Information Structure) タプルを表示します。 slot は、どのスロットを 読み込むのかを指定します。オプションを指定しないと、利用可能なすべて のカードの CIS を表示します。

3. dumpcisfile file ...

dumpcis と同じ書式の CIS (複数可) を表示します。その際、物理的な PC-CARD カードではなく、 1 個以上のファイルを CIS データとして使用し ます。

4. enabler slot driver [−m card addr size] [−a iobase] [−i irq]

「ポイントイネーブラ」です。 pccardd(8) によるドライバの割り当てがう まく動作しないときに、手動でパラメータを設定するために使用します。 slot で PC-CARD スロットを指定し、 driver でデバイス名 ("ed0" や "sio2" など) を指定し、それと同時に次のオプションの一部またはすべて を指定します:

−m card addr size
カードの共有メモリウィンドウをホストアドレスにマップします。 card はカードのアドレス空間での共有メモリ開始アドレス (16 進 数) であり、 addr はホスト側のアドレス空間でのマップするメモ リのアドレス (16 進数) であり、 size はメモリウィンドウのサ イズ (kb) です。

−a iobase
iobase
は、I/O ウィンドウをマップするポート番号 (16 進数) を 指定します。

−i irq
irq
は、カードが割り込みに使用する IRQ (1 から 15 までの 10 進数) を指定します。

例えば

enabler 0 ed0 -m 2000 d4000 16 -a 300 -i 3

は、スロット 0 を、ポート 0x300 で IRQ 3 にある最初の NE2000 イーサ ネットカードドライバに割り当て、カード内の 0x2000 からの 16KB のメモ リ領域を 0xd4000 にマップします。

いままでにも壊れた CIS タプルのために認識できないカードをこの機能で 使用することができたようです。また、動作報告のまだ無いカードをテスト するときにも有用でしょう。それでも、新しいカードを正しく認識できない ことが多いので、注意して下さい。

       5. help
pccardc のヘルプを表示します。

6. pccardmem addr

PC-CARD コントローラ (PCIC) がカードをマップするために使用するホスト アドレスを指定します。 PCIC は 16KB の連続するメモリを必要とし、ほと んどのマシンでは ISA I/O メモリアドレスレンジに他の ROM やデバイスが ありますので、一般的には指定可能なアドレスは次の 4 通りとなります:

0xd0000
0xd0000-0xd3fff (デフォルト)
0xd4000

0xd4000-0xd7fff
0xd8000

0xd8000-0xdbfff
0xdc000

0xdc000-0xdffff

0xd0000 の代わりに "DEFAULT" を指定可能です。このサブコマンドは、 rc.conf(5)pccard_mem に対応します。

7. power slot power_mode

slot で指定されるスロット中のカードの給電状態を変えます。

0
給電をオフにします。活性状態で抜くとカードが不安定になる場 合、本機能によりまず強制的に不活性状態として、安全にカードを 取り除けます。システム稼働中にカードを抜くか、電源コマンド pccardc power でカードを再有効化するまで、スロットは無効化さ れたままとなります。計算機をサスペンドしレジュームしても、ス ロットは無効化されたままとなります。

1
給電をオンにし、活性状態にします (システムは、カードが挿入さ れたものとして扱います)。

8. rdattr slot offs length

スロット slotoffs から開始する length バイトの不揮発性メモリ (EEPROM) を、16 進ダンプ表示します。すべてのパラメータは 16 進数で す。

9. rdmap [slot]

PC-CARD スロットの 4 つのメモリウィンドウと 2 つの I/O ウィンドウの ホストマシンへのマッピング状況を報告します。 slot を指定しない場合に は、システム上の全スロットに関して表示します。

10.rdreg [slot]

slot の 64 個のレジスタを表示します (デフォルトでは全スロットを対象 とします)。

11.wrattr slot offs value

カードの不揮発性メモリ (EEPROM) の、先頭からのオフセット offs (16 進 数) の 1 バイトを value (16 進数) で書き換えます。変更結果はカードを 抜いても保存されます。

12.wrreg slot reg value

PC-CARD のレジスタへ書き込みます。 PC-CARD スロット番号は slot で指 定し、レジスタ番号を reg (16 進数) で指定し、値を value (16 進数) で 指定します。

関連ファイル

       /etc/rc.conf

設定ファイル

関連項目

rc.conf(5), pccardd(8)

作者

オリジナルバージョンを Andrew McRae ⟨andrew@mega.com.au⟩ が記述しました。 Tatsumi Hosokawa ⟨hosokawa@mt.cs.keio.ac.jp⟩ がバグ修正と機能拡張を行いま した。このマニュアルページを Toshihiko ARAI ⟨toshi@jp.FreeBSD.org⟩ が記述 しました。

バグ

enablerwrattr の使用に際しては注意して下さい。誤用すると、システムを 不安定にしたり、カードにダメージを与えるかもしれません。

FreeBSD 10.0 November 14, 1998 FreeBSD 10.0

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