「Intel Virtualization Technology」の版間の差分

提供: 自作パソコン入門
移動: 案内検索
行13: 行13:
 
;VT-x: Intel 64アーキテクチャ用の仮想支援機能
 
;VT-x: Intel 64アーキテクチャ用の仮想支援機能
 
;VT-d: I/O仮想化機能
 
;VT-d: I/O仮想化機能
 +
;VT-c: 仮想化環境のネットワーク用機能。 Virtualization Technology for Connectivity.
 
;VT-i: Itanium 2 , IA-64 アーキテクチャ向け
 
;VT-i: Itanium 2 , IA-64 アーキテクチャ向け
 
== VTは必要か? ==
 
== VTは必要か? ==
行26: 行27:
  
 
VT-d は、チップセットのノースブリッジ(north-bridge)のサポートが必要です。
 
VT-d は、チップセットのノースブリッジ(north-bridge)のサポートが必要です。
 +
== VT-c (Virtualization Technology for Connectivity) ==
 +
VT-c は、ネットワーク・インターフェースの仮想化のパフォーマンスを向上させます。
 +
VT-c は、
 +
* I/O AT(Acceleration Technology)
 +
* VMDq(Virtual Machine Device Queues)
 +
* Single Root IOV(Single Root I/O Virtualization)
 +
 +
の3機能で構成されます。
 +
=== I/O AT(Acceleration Technology)  ===
 +
NICのTCP/IPプロトコルの処理を行うことで、OSの処理を簡略化して、CPU負荷を軽減します。
 +
=== VMDq(Virtual Machine Device Queues) ===
 +
複数の仮想マシンからのNICへのアクセスを調整し、データの並び替えと通信の効率化を行います。
 +
=== Single Root IOV(Single Root I/O Virtualization) ===
 +
I/Oデバイスを仮想化します。PCI-Express カードを仮想化し、複数の仮想マシンからアクセスが可能になり、パフォーマンスが改善します。
 
== VTが使える環境 ==
 
== VTが使える環境 ==
 
マザーボードと[[CPU]]がVTに対応している必要があります。
 
マザーボードと[[CPU]]がVTに対応している必要があります。

2015年1月17日 (土) 17:18時点における版

Intel Virtualization Technology (インテル バーチャライゼーション・テクノロジー, Intel VT, VT) とは、仮想マシンのパフォーマンスを向上させるためのテクノロジーです。VMのスピードアップに貢献します。VMを使って、いろいろなOSを使って、作業や検証、サービスの提供をされる人向けの技術です。

読み方

Intel Virtualization Technology
いんてる ばーちゃらいぜーしょん てくのろじー
インテル バーチャライゼーション・テクノロジー
いんてる ばーちゃらいぜーしょん てくのろじー

概要

Intel VTは、ハイパーバイザ(hypervisor, 仮想マシンモニタ(VMM))が複数のOSを効率的に並列実行するための支援技術です。VMのパフォーマンスを改善するために開発されました。AMDでは、同様の機能を実現する AMD Virtualization(AMD-V)を開発しています。

VT系には、いくつかの種類があります。

VT-x
Intel 64アーキテクチャ用の仮想支援機能
VT-d
I/O仮想化機能
VT-c
仮想化環境のネットワーク用機能。 Virtualization Technology for Connectivity.
VT-i
Itanium 2 , IA-64 アーキテクチャ向け

VTは必要か?

仮想マシン(VM)を利用しない人は、必要ありません。一般の人は、VT-dの対応したCPUが必要ではありません。

VT-xによるCPUのサポートにより、特権命令やコンテキストスイッチが高速化されます。

拡張ページテーブル(EPT)

拡張ページテーブル(EPT)は、ゲストOSの物理アドレスからVMM(ホストOS)の物理アドレス空間への変換をサポートします。

EPTのない環境では、仮想マシン側(VMM)でリマッピングが必要だったため、VMMのオーバーヘッドになっていました。

VT-dとは I/O仮想化機能

VT-d がない場合、VMは、I/Oデバイスをエミュレートする必要があり、DMAのメモリ領域のりマッピングが必要になります。VT-d は、ハードウェアでDMA転送時のリマッピングを行います。

VT-d は、チップセットのノースブリッジ(north-bridge)のサポートが必要です。

VT-c (Virtualization Technology for Connectivity)

VT-c は、ネットワーク・インターフェースの仮想化のパフォーマンスを向上させます。 VT-c は、

  • I/O AT(Acceleration Technology)
  • VMDq(Virtual Machine Device Queues)
  • Single Root IOV(Single Root I/O Virtualization)

の3機能で構成されます。

I/O AT(Acceleration Technology)

NICのTCP/IPプロトコルの処理を行うことで、OSの処理を簡略化して、CPU負荷を軽減します。

VMDq(Virtual Machine Device Queues)

複数の仮想マシンからのNICへのアクセスを調整し、データの並び替えと通信の効率化を行います。

Single Root IOV(Single Root I/O Virtualization)

I/Oデバイスを仮想化します。PCI-Express カードを仮想化し、複数の仮想マシンからアクセスが可能になり、パフォーマンスが改善します。

VTが使える環境

マザーボードとCPUがVTに対応している必要があります。

Intel Core i7

VT-x は、対応しているが、VT-d は、無印(K無し)は、VT-dに対応しているが、K有のモデルはVT-dに非対応です。

Core i7 2600
VT-d 対応
Core i7 2600K
VT-d 非対応
Core i7 3770
VT-d 対応
Core i7 3770K
VT-d 非対応
Core i7 4770
VT-d 対応
Core i7 3770K
VT-d 非対応

使い方

  • VTを使うには、BIOS/UEFI で有効にする必要があります。
  • VMWare などのVM(仮想マシン)でVTを有効にします。

VTは、BIOS/UEFIでデフォルトでオフになっている(と思われる)ので、利用する場合は、設定を忘れないでください。

関連項目