SSDのSLCとMLCとTLCの違いとは
SSDは、NAND型フラッシュメモリを利用しています。NAND型フラッシュメモリには、記録方式がいくつもあり、SLC,MLC,TLCが利用されています。方式により、スピードや価格、耐久性が変わってきます。SLC が一番良いですが、その分、高価になります。MLCは、その間で、まぁまぁ、に分類されます。MLCはそこそこの性能で、コスパも良いので、一般の用途では、MLC を選択されるのが良いでしょう。
読み方
- SLC
- えす える しー
- MLC
- えむ える しー
- TLC
- てぃー える しー
- 記憶素子
- きおく そし
目次
概要
SSDの記録方式については、SSDが出て、しばらくの間は SLC が良いと言われていました。現在(2015年)では、MLCでも問題ないクオリティになっています。
SLCとMLCとTLCとはそもそも何か?
SLC, MLC, TLCは、NAND型フラッシュメモリのデータの記録方式です。
- SLC(Single Level Cell)
- 記憶素子(メモリセル)に2値からなるデータを格納する
- MLC(Multiple Level Cell)
- 記憶素子(メモリセル)に3値以上からなるデータを格納する
- TLC(Triple Level Cell)
- 記憶素子(メモリセル)に8値・3ビットからなるデータを格納する
SSDの記録方式
- SLC
- MLC
- TLC
記録方式とスピード
SLC > MLC > TLC
記録方式と耐久性・信頼性
SLC > MLC > TLC
記録方式と価格
スピードや耐久性の高い SLC が当然、高価になります。
SLC < MLC < TLC
耐久性を表す TBW
NAND型フラッシュメモリには、書き換え回数があり、セルの寿命を意味します。SSDのカタログでは、TBWとよばれる総書き込み量が定義されています。激しく書込を続ける、ウェブサービスやデータベースのような環境でなければ、そこまで書込を気にする必要はないと思います。
- データを読み書きしまくる研究をしている
- 秒間、何百万リクエストのログを書き出ししている
- データをひたすらあつめて、DB を更新しまくってる
といった環境では、TBWを気にして下さい。 一般家庭で、ウェブサービスをして、動画を見て、メールを読み書きして、音楽を聞いて、オフィス製品を少し動かすような環境であれば、まったく気にする必要はありません。
1年利用したSSDの総書き込み量
メインPCで利用しているCrucial SSD MX100 (MLC) は、1年間で 5000GB (5TB) 書き込みました。平均値でみると、1日 あたり 14GB(13.7GB)ほど書き込んでいることになります。メインメモリが 16GB で、毎日、Windows を休止しているので、ほとんどの書込が休止のためのメモリ保存による書込なのではないかと思えます。
MX100 256GBの場合、TBWが72TBです。毎日 13.7GB のペースで書き込んでいくと 5256 日ほど使えることになります。つまり、14.4年です。
MLC だからといって、耐久性が使い物にならない、という話ではありません。
MTBFという寿命
Crucial MX100 の場合、MTBF は、150万時間です。1年での使用時間は、1331時間だったため、1127年ぐらい使える計算になりますが、パソコンどころか、人間の寿命をはるかに超えてます。
寿命が来る前に買い換える
SSDのMTBFやTBWよりも早く、ほかの部品の寿命が来るでしょう。SSDに限った話ではありませんが、1年から3年ぐらいの間に買い換えるのが良いでしょう。
まとめ
SLC が一番良いですが、その分、高価になります。MLCは、その間で、まぁまぁ、に分類されます。MLCはそこそこの性能で、コスパも良いので、一般の用途では、MLC を選択されるのが良いでしょう。
PCI Express接続で利用する Intel SSD 750 シリーズは、MLC ですが、超高速です。
関連項目
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