「Skylake」の版間の差分

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物理的に変わってきているので、互換性もなく、[[CPU]] を買い換えると、基本的にマザーボードからメモリまで一式交換になります。もちろん、パソコンのケースや[[SSD]], [[HDD]] などの周辺パーツは、継続して利用できますので、その点はご安心下さい。
 
物理的に変わってきているので、互換性もなく、[[CPU]] を買い換えると、基本的にマザーボードからメモリまで一式交換になります。もちろん、パソコンのケースや[[SSD]], [[HDD]] などの周辺パーツは、継続して利用できますので、その点はご安心下さい。
  
後述する Skylake の特徴で挙げますが、複数の命令が追加され、いろいろな面で、高速化されます。
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== Skylakeの特徴 ==
 
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;Intel AVX-512:512bit精度のSIMDレジスタを搭載し、SIMDを高速化します。AVX-2よりレジスタ幅が拡張され、SIMD発行命令も拡張されます。
 
;Intel AVX-512:512bit精度のSIMDレジスタを搭載し、SIMDを高速化します。AVX-2よりレジスタ幅が拡張され、SIMD発行命令も拡張されます。

2016年8月14日 (日) 19:58時点における最新版

開発コード Skylake(スカイレイク) とは Broadwell の次の世代のIntel CPUです。デスクトップ向けのCPU Skylake-Sが2015年8月5日に発売されました。Intel Core プロセッサの第6世代にあたります。Core i7-6700(無印,K,T),Core i5-6600(無印,K,T),i5-6500(無印,T),i5-6400(無印,T)などがリリースされています。メモリは、DDR4に対応しています。ソケットの形状がLGA1151になり、今までのソケットと互換性がありませんので、注意が必要です。CPUを交換するときは、マザーボードの変更が必要です。たいていの場合、メモリもDDR4へ変更しなければなりません。

読み方

Skylake
すかい れいく

概要

CPUの世代は、以下のように変化しています。

Skylake-SのCore i7-6700Kは、4GHz で動作しますが、温度が90度になるなど爆熱のCPUということです。Prescott(プレスコット)の再来と言われています。Tモデルは、低消費電力版です。

型番とクロック
型番 動作周波数 ターボ時周波数 L3キャッシュ 最大TDP/消費電力 コア数 スレッド数
Core i7 6700K 4GHz 4.2GHz 8MB 91W 4 8
Core i7 6700 3.4GHz 4.0GHz 8MB 65W 4 8
Core i7 6700T 2.8GHz 3.6GHz 8MB 35W 4 8
Core i5 6600K 3.5GHz 3.9GHz 6MB 95W 4 4
Core i5 6600 3.3GHz 3.9GHz 6MB 65W 4 4
Core i5 6600T 2.7GHz 3.5GHz 6MB 35W 4 4
Core i5 6500 3.2GHz 3.6GHz 6MB 65W 4 4
Core i5 6500T 2.2GHz 3.1GHz 6MB 35W 4 4
Core i5 6400 2.7GHz 3.3GHz 6MB 65W 4 4
Core i5 6400T 2.2GHz 2.8GHz 6MB 35W 4 4
Core i3 6320 3.9GHz - 4MB 47W 2 4
Core i3 6300 3.8GHz - 4MB 47W 2 4
Core i3 6300T 3.3GHz - 4MB 35W 2 4
Core i3 6100 3.2GHz - 3MB 47W 2 4
Core i3 6100T 3.2GHz - 3MB 35W 2 4
Pentium G4520 3.6GHz - 3MB 35W 2 2
Pentium G4500 3.5GHz - 3MB 35W 2 2
Pentium G4500T 3GHz - 3MB 35W 2 2
Pentium G4400T 3.3GHz - 3MB 35W 2 2

Core i7と Core i5 と Core i3 の違い

詳しくは、Intel Core i7とi5とi3のCPUの違いは?をご参照ください。

Core i7 と i5 の違い

Skylake だけに限ったことでもないのですが、 Skylake の Core i7 と i5 の非常に大雑把に言えば、 ハイパースレッディング・テクノロジー (HTT,HT) が搭載されているか、いないか、です

ハイパースレッディングが有効なケースは、整数処理と浮動小数点処理やマルチメディア処理のように、異なるパイプラインを多用するソフトウェアです。

あまりハードにパソコンを使用されないのであれば、 i5 、もしくは、i3 のCPU で十分です。

Core i7

  • ターボ・ブースト・テクノロジーが有効です。
  • ハイパースレッディングテクノロジー(HTT)が有効です。
  • L3キャッシュメモリのサイズが8MBです。

Core i5

  • ターボ・ブースト・テクノロジーが有効です。
  • ハイパースレッディングテクノロジー(HTT)が無効です。
  • L3キャッシュメモリのサイズが6MBです。

Core i3

  • ターボ・ブースト・テクノロジーが無効です。
  • L3キャッシュメモリのサイズが3MBです。
  • 内蔵GPUは、HD Graphics 530 (350MHz, 最大950MHz)

Core i3

  • ターボ・ブースト・テクノロジーが無効です。
  • L3キャッシュメモリのサイズが4MB or 3MBです。
  • 内蔵GPUは、HD Graphics 530 (350MHz, 最大950MHz)

Pentium

  • ターボ・ブースト・テクノロジーが無効です。
  • L3キャッシュメモリのサイズが3MBです。
  • 内蔵GPUは、HD Graphics 530 (350MHz, 最大950MHz)

CPUの型番の末尾のK,S,Tと無印の意味

無印
通常版のCPU
K
性能が高いCPU
S
省電力版のCPU
T
超省電力版のCPU

現時点でSはありません。

スピードの性能は、以下の順番です。

K > 無印 > S > T

消費電力の差は、以下の順番に良いです。

T > S > 無印 > K

CPU

  • デスクトップ向けのSkylake-S
    • Core i7-6700K ハイパースレッディング有 4GHz
    • Core i5-6600K ハイパースレッディング無

発売時期

2015年8月5日に発売されました。

Broadwell と Skylake の違い

Broadwell と Skylake の違いは、いろいろありますが、プラットフォームが変わった影響でいろいろな部分に変更が出ていると言えます。

  • DDR3 から DDR4
  • LGA1150 から LGA1151

物理的に変わってきているので、互換性もなく、CPU を買い換えると、基本的にマザーボードからメモリまで一式交換になります。もちろん、パソコンのケースやSSD, HDD などの周辺パーツは、継続して利用できますので、その点はご安心下さい。

後述する Skylake の特徴で挙げますが、複数の命令が追加され、いろいろな面で、高速化されます。

CPU世代の進化

HaswellからBroadwell
14nm にシュリンク
BroadwellからSkylake
グラフィック強化、GT4e(SKU)が投入
SkylakeからCannonlake
10nmプロセス
各CPU世代のスペック
Sandy Bridge Ivy Bridge Haswell Broadwell Skylake Cannonlake
製造プロセス 32nm 22nm 22nm 14nm 14nm 10nm
最大コア数 4 4 4 4 4 TBA
チップセット 6-Series 7-Series 8-Series 9-Series 100-Series 200-Series
ソケット LGA 1155 LGA 1155 LGA 1150 LGA 1150 LGA 1151 TBA
対応メモリ DDR3 DDR3 DDR3 DDR3 DDR3/DDR4 DDR4
ローンチ 2011 2012 2013-14 2015 2015-16 2016-17

IPCも増えている

Skylake では、CPUで1クロックあたりに並列実行できる命令数(Instructions Per Clock, IPC)が Broadwell よりも増やされています。

Skylakeの特徴

Intel AVX-512
512bit精度のSIMDレジスタを搭載し、SIMDを高速化します。AVX-2よりレジスタ幅が拡張され、SIMD発行命令も拡張されます。
Intel ADX
multi-protection ADs-carry instruction eXtensions の略で、マルチ精度アドオンキャリー命令拡張で任意精度演算の補助機能命令です。
Intel SHAX
Intel SHA eXtensions で、 SHA-1 と SHA-256 のハッシュの高速化命令です。 SHA と呼ばれるハッシュのアルゴリズムは、セキュリティでよく利用されます。たとえば、ウェブサイトのSSL通信(暗号化通信)で利用されるSSL証明書で使われています。
Intel MPX
Intel Memory Protection eXtensions の略で、メモリの保護拡張です。
Intel Graphics
Direct X 12 に対応します。
FIVR
チップセット全体で採用されます。
最大メモリ容量
64GB
Intel 14nm Skylake
Skylake-Y(BGA) Skylake-U(BGA) Skylake-H(BGA) Skylake-S/K(LGA)
コア数 2 2/2 4/4 4/2/4
グラフィック GT1 12 EUs
GT 1.5 18 EUs
GT2 24 Eus
GT2 24 EUs /
GT3e 48 Eus
GT2 24 EUs /
GT4e 72 Eus
GT2 24 EUs /
GT2 24 EUs/
GT4e 72 EYs
eDRAM - 64MB-GT3e 128-GT4e 64-GT4e
対応メモリ LPDDR3-1600 LPDDR3-1600 DDR4-2133 DDR3L/
DDR3L-RS-1600,
DDR4-2133
TDP 4W 15-28W 34-45W 35-95W

ソケット

ソケットが変更されています。Skylakeは、LGA1151です。

コア数

4コア

内蔵GPU

  • GT1 12
  • GT1.5 18
  • GT2 24
  • GT3(モバイルのみ) 48
  • GT4 72

メモリ

Skylakeメモリに関しては、以下の通りです。

  • DDR4 と DDR3 の両対応のみ込み
  • Skylake搭載のメモリコントローラは、DDR3Lもサポートしています。DDR3L対応のチップセットが必要なため、Intel Z170チップセットの搭載されているマザーボードが必要です。
  • DDR4 メモリ対応マザーボードが主流です。

DDR4を購入する

DDR3Lとは

DDR3Lとは、Double Data Rate 3 Low voltage の略です。DDR3 SDRAM の1つで、定電圧動作をサポートしています。駆動する電圧は、以下の通りです。

DDR3
1.5V
DDR3L
1.35V
DDR3U
1.25V

電圧が低いだけ、消費電力が抑えられるというメリットがあります。

リテールクーラーは付属しません

一部のSkylakeでは、CPUクーラーが付属しませんので、別途購入が必要です。i7 6700Kを使う場合には、130W用のCPUクーラーが推奨されます。CPUクーラーが付属しているモデルもあるので注意が必要です。

Intel純正 Skylake対応 CPUクーラー Thermal Solution TS15A(BXTS15A)

Skylakeには、CPUクーラーが付属していませんが、インテルからThermal Solution TS15A(BXTS15A)というSkylakeに対応したインテル純正のCPUクーラーが販売されています。

Skylake-S ES1 Sanple

  • 4-core 2.30GHz/TB 2.90GHz GT2 graphics DDR3/DDR4 TDP95W
  • 4-core 2.20GHz/TB 2.40GHz iGPU非搭載 DDR3/DDR4 ECC TDP80W

スペック

Core i7-6700K/Core i5-6600K

Intelによると、Core i7-6700K は、過去のモデルと比較して、以下のパーセンテージで向上しています。

Intel Core i7-4790K
10%
Intel Core i7-4770K
20%
Intel Core i7-3770K
30%
Corei7-6700K/Core i5-6600K
項目 Core i7-6700K Core i5-6600K
ソケット LGA1151 LGA1151
製造プロセス 14nm 14nm
コア数 4 4
スレッド数 8 4
HTT 有り 無し
動作周波数 4GHz 3.5GHz
最大動作周波数 4.2GHz 3.9GHz
L2キャッシュ 256KB x 4 256KB x 4
L3キャッシュ 8MB 8MB
GPUモデルナンバー Intel HD Graphics 530 Intel HD Graphics 530
GPU 周波数 350MHz 350MHz
GPU 最大周波数 1150MHz 1150MHz
TDP 91W 91W

CPUを探す

まとめ

  • とにかく、一番速いパソコンが欲しい、というのであれば、 Intel Core i7-6700K(約4.9万円) がオススメです。
  • そこそこ速いパソコンが欲しい、というのであれば、Intel Core i5 6400 (約2.4万円) あたりのCPUで良いでしょう。

関連項目