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「暗号化の鍵」で暗号化された暗号文は、「暗号化の鍵」で復号化できません。 | 「暗号化の鍵」で暗号化された暗号文は、「暗号化の鍵」で復号化できません。 | ||
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このとき、「暗号化の鍵」は、盗聴者に知られても構いません。「復号化の鍵」は、盗聴者に知られてはなりません。 | このとき、「暗号化の鍵」は、盗聴者に知られても構いません。「復号化の鍵」は、盗聴者に知られてはなりません。 | ||
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+ | [[公開鍵暗号]]と[[共通鍵暗号]]には、メリット・デメリットがありますが、それらを補うために[[ハイブリッド暗号]]を用いることができます。 | ||
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== 使い方 == | == 使い方 == | ||
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* [[OpenSSLコマンドを用いた共通鍵暗号]] | * [[OpenSSLコマンドを用いた共通鍵暗号]] | ||
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* [[OpenSSLコマンドを用いた共通鍵暗号]] | * [[OpenSSLコマンドを用いた共通鍵暗号]] | ||
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2014年11月16日 (日) 01:28時点における最新版
公開鍵暗号 ( public key cryptography ) は、暗号方式の1つです。公開鍵暗号では、鍵ペアを利用します。
読み方
- 公開鍵暗号
- こうかいかぎあんごう
- public key cryptography
- ぱぶりっく きー くりぷとぐらふぃー
目次
概要
公開鍵暗号 ( public key cryptography ) は、「暗号化の鍵」と「復号化の鍵」の2つの鍵を使用します。 「暗号化の鍵」で暗号化された暗号文は、「暗号化の鍵」で復号化できません。 共通鍵暗号 では、暗号化と復号化は同じ鍵を使用します。
共通鍵暗号 では、暗号化と復号化で用いる秘密鍵が共通であるため、鍵配送問題があります。 この鍵配送問題を解決する方法は、いくつかありますが、ソリューションの1つが公開鍵暗号です。
公開鍵暗号では、メッセージを暗号化するときに、「暗号化の鍵」を使用して、暗号化します。 暗号文を復号化するときは、「復号化の鍵」をします。 このとき、「暗号化の鍵」は、盗聴者に知られても構いません。「復号化の鍵」は、盗聴者に知られてはなりません。
公開鍵暗号では、「暗号化の鍵」を公開鍵(public key)と呼びます。 公開鍵は、メールで送信して構いません。
公開鍵暗号で、復号化に用いる「復号化の鍵」をプライベート鍵(private key, もしくは、秘密鍵)と呼びます。 プライベート鍵(秘密鍵)は、誰にも公開してはなりません。
公開鍵暗号は、公開鍵とプライベート鍵(もしくは、秘密鍵)が対になっています。この鍵の対を鍵ペアと呼びます。
RSA暗号は、公開鍵暗号のデファクトスタンダードです。
公開鍵はプライベート鍵から作成される
公開鍵からプライベート鍵(秘密鍵)は求められない
公開鍵は、プライベート鍵から作成します。しかしながら、公開鍵からプライベート鍵(秘密鍵)を求めるのは、困難です。
この「困難」の理由は、「数学的未解決問題を安全性の根拠としている」ことです。
暗号アルゴリズムによって、問題の困難性が異なります。
根拠となっている困難性は、計算機の能力向上によって脅かされます。RSA暗号では、素因数分解問題が解けるとプライベート鍵が求まります。
公開鍵暗号は共通鍵暗号に比べて計算コストが高い
公開鍵暗号では、復号に時間のかかるアルゴリズムが多くなっています。そのため、共通鍵暗号のほうが計算コスト上は、パフォーマンスが良いということになります。
公開鍵暗号と共通鍵暗号には、メリット・デメリットがありますが、それらを補うためにハイブリッド暗号を用いることができます。