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2014年12月7日 (日) 13:41時点における版
supercookie(スーパークッキー) とは、Webの世界で、ユーザをトラッキングするための仕組みです。supercookieは、HTTP cookieよりも強力にユーザをトラッキングできます。HTTP cookieよりもしつこく、cookieよりも削除しにくいのが特徴です。
読み方
- supercookie
- すーぱーくっきー
目次
概要
HTTP cookieを使用したユーザの追跡が長年行われてきました。ユーザのアクセスの追跡で用いられるcookieは、トラッキングcookieと呼ばれます。
HTTP cookieでは、ブラウザごとにしか、ユーザをトラッキングできません。ブラウザのcookie削除機能で用意にデータが消えてしまいます。また、cookieは、十分なデータを保存できません。
supercookieは、ブラウザを横断することができ、より多くのデータを保存でき、データの削除が容易ではありない、といった利点があります。このメリットは、主に「ユーザをトラッキングしたい事業者」が享受すると考えることができます。
supercookieを実現する技術
supercookieを実現する方法は、ブラウザの機能ではなく、Adobe Flash や Microsoft Silverlight のプラグインの機能を使用します。
Adobe Flashには、ローカル共有オブジェクト(Local Shared Object, LSO, Flash cookie)と呼ばれるローカルストレージの機能があります。Flashのローカルストレージは、ウェブブラウザのデータストアとは、独立しているため、ウェブブラウザのCookieや履歴の削除では、削除されません。
supercookieの場合、ユーザが使用するウェブブラウザを切り替えても、追跡できます。それは、supercookieの保存先がブラウザのデータストアと独立しているからです。
supercookieは、HTTP cookieではないため、cookieの4KBというデータサイズの制限を受けません。最大で100KBのデータを保存できます。
トラッキングcookieを復活させ、ゾンビcookieへ
ブラウザのcookieの削除機能を使用されて、トラッキング cookieが削除されても、事前にsupercookieに保存しておいたcookieを読み出し、再び、同じ cookie を設定することで、cookie を復活させ、同一のユーザとして、トラッキングを可能とします。
事例として、マイクロソフトが運営している live.com では、ブラウザの cookie を削除した後に、特定の cookie が復活したという事象が確認されています。この事例では、supercookieが用いられていました。
従来のHTTP cookieとsupercookieの違い
比較項目 | HTTP cookie | supercookie |
---|---|---|
削除の容易さ | 簡単 | 難しい |
サイズ | 4kb | 100kb |
ブラウザの切り替え | 追跡不能 | 追跡可能 |
プラグインが必要か? | 不要 | 必要 |
トラッキングの手段
ユーザをトラッキングする手段は、HTTP cookieやsupercookieだけではありません。
- HTTP cookie
- supercookie
- キャッシュ用途に用いられる HTTP の ETag
- HTML5の機能
- 画像のRGBの値
サードパーティドメインで cookieを同期する cookie sync
サードパーティドメインのcookieを同期する手段として、URLのパラメータにcookieの値をのせることで、複数のドメインに対して、同じcookieを知っていできます。
supercookie を削除する方法
- Adobe Flashの設定から削除する
- Firefox ならアドオン BetterPrivacy を使用する
- システムを掃除するためのツール CCleaner などを使用する
supercookie への対策
- Global Privacy Settings panelでプライバシー設定をする
- Flashのグループポリシー機能を拡張する製品を利用する