objfile... で調べるオブジェクトファイルを指定します。 アーカイブを指定した場合は、 objdump はメンバのオブジェクトファイルそれぞれの情報を表示します。
例えば
objdump -b oasys -m vax -h fu.o
では、Oasys のコンパイラで生成された形式の、VAX のオブジェクトファイルで あることが明示的に指定された ( -m )、ファイル fu.o のセクションヘッダ ( -h ) からのサマリ情報を表示します。 指定可能な形式名は -i オプションでリストできます。
ファイルセグメントは非標準アドレスへ再配置されるかもしれません。 これは例えば -Ttext, -Tdata, -Tbss を ld に使用することで可能となります。 しかしながら、a.out のようなオブジェクトファイル形式では、 ファイルセグメントの開始アドレスを格納しません。 このような場合、 ld はセクションを正しく再配置しますが、 objdump -h を使用してファイルセクションヘッダを列挙しても 正しいアドレスを表示できません。 代りに、ターゲットにとって暗黙的な、通常のアドレスを表示してしまいます。
ターゲットが ARM アーキテクチャの場合、 このスイッチを使用して、逆アセンブラが使用するレジスタ名セットを選択可能です。 -M reg-name-std (デフォルト) を指定すると、 ARM 命令セット文書で使われるレジスタ名を選択しますが、 レジスタ 13 は 'sp'、 レジスタ 14 は 'lr'、 レジスタ 15 は 'pc' と呼ばれます。 -M reg-names-apcs を指定すると、 ARM Procedure Call Standard で使用される名前セットを選択します。 -M reg-names-raw を指定すると、 r の後にレジスタ番号が続く名前を使用します。
APCS のレジスタ名規則には 2 つの変種があり、 -M reg-names-atpcs および -M reg-names-special-atpcs で 有効化できます。 これらは ARM/Thumb Procedure Call Standard の命名規則を使用します (それぞれ、通常レジスタ名と特殊レジスタ名です)。
ARM アーキテクチャにおいては、このオプションを使用することで、 全命令を Thumb 命令として解釈するよう、逆アセンブラに強制できます。 このためには、 --disassembler-options=force-thumb スイッチを使用します。 他のコンパイラで生成された Thumb コードを逆アセンブルするときに有用です。
x86 では、オプションの一部は -m と重複した機能を持ちますが、 細粒度の制御を提供します。 次の選択肢の複数を、コンマで区切った文字列として指定可能です。 x86-64, i386, i8086 は、 指定したアーキテクチャの逆アセンブリを選択します。 intel および att は、 intel 文法モードと AT&T 文法モードを選択します。 addr32, addr16, data32, data16 は、 デフォルトのアドレスサイズとオペランドサイズを指定します。 これらの 4 オプションより、 オプション文字列中で後方に登場する x86-64, i386, i8086 が優先します。 最後に、AT&T モードでは、 suffix は、サフィックスがオペランドから推察できる場合であっても、 逆アセンブラがニーモニックサフィックスを表示するよう指示します。
PPC では、booke, booke32, booke64 は BookE 命令の逆アセンブリを選択します。 32 および 64 は PowerPC および PowerPC64 の逆アセンブリ をそれぞれ選択します。
MIPS では、このオプションは逆アセンブルされた命令における レジスタ名の表示を制御します。 以下の項目から複数個を選択して コンマで区切って並べることで指定できます。 不当なオプションは無視されます。
上記に示したオプションのいずれにおいても、ABI または ARCH を numeric として指定して、 指定したレジスタのタイプに対する名前でなく番号を表示させるように することができます。 利用可能な ABI と ARCH の値の一覧は、 --help オプションを用いることで得られます。
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