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MX(4) FreeBSD/i386 カーネルインタフェースマニュアル MX(4)

名称

mx − Macronix 98713/98715/98725 ファストイーサネットデバイスドライバ

書式

device mx0

解説

mx ドライバは Macronix 98713, 98713A, 98715, 98715A, 98725 ファストイーサ ネットコントローラチップを搭載した PCI イーサネットアダプタやそれが組み込 まれたコントローラをサポートします。NDC Communications SOHOware SFA110, SVEC PN102-TX ファストイーサネットカードなどを含みます。

Macronix のチップはバスマスタ DMA を用い、DEC ’tulip’ 互換としてデザイン されています。オリジナルの 98713 は 外部 PHY をコントロールするための MII バス を用いていますが、98713A より上位のチップは NWAY をサポートした内部 トランシーバを用いています。Macronix のチップは DEC 21x4x コントローラと レジスタ互換であると公表されています。Macronix コントローラはすべて、10, 100 Mbps を全二重または半二重通信でサポートします。

mx ドライバは次のメディアタイプをサポートします。

       autoselect

メディアタイプとオプションの自動選択を有効にしま す。ユーザは、 /etc/rc.conf ファイルにメディアオプ ションを加えることによって、自動選択されたモードを 手動で上書き可能です。

10baseT/UTP
10Mbps に設定します。 mediaopt オプションも full-duplex または half-duplex モードを選択するため に使用可能です。

100baseTX
100Mbps (ファストイーサネット) に設定します。 mediaopt オプションも full-duplex または half-duplex モードを選択するために使用可能です。

mx ドライバは次のメディアオプションをサポートします。

full-duplex
全二重通信に設定します。

half-duplex
半二重通信に設定します。

メディアタイプ 100baseTX はアダプタがサポートしている場合にのみ可能です。 このデバイスの設定に関するさらなる情報は ifconfig(8) を参照してください。

診断

mx%d: couldn’t map memory 致命的な初期化エラーが発生しました。

mx%d: couldn’t map interrupt 致命的な初期化エラーが発生しました。

mx%d: watchdog timeout デバイスがネットワークに反応しなくなったか、ネッ トワークとの接続 (ケーブル) に問題があります。

mx%d: no memory for rx list ドライバはレシーバリング用の mbuf の確保に失 敗しました。

mx%d: no memory for tx list パッドバッファを確保、または mbuf チェインを クラスタに縮めるときに、トランスミッタリング用の mbuf の確保に失敗しまし た。

mx%d: chip is in D3 power state -- setting to D0 パワーマネージメントを サポートするアダプタにのみ、このメッセージが出ます。シャットダウン時にコ ントローラをローパワーモードにするオペレーティングシステムがあり、チップ 設定前にこの状態を解除しない PCI BIOS があります。 D3 状態において、コン トローラは PCI の設定すべてを失うので、BIOS がそのときにフルパワーモード に設定しなおさなければ、正しく設定することはできません。ドライバはこの状 態を検出し、アダプタを D0 (フルパワー) 状態に設定しなおそうとしますが、ド ライバを完全に操作できる状態にするのには至らないかもしれません。ブート時 にこのメッセージが現れ、ドライバがネットワークインタフェースとしてデバイ スをアタッチすることに失敗するのなら、デバイスを適切に設定するために 2 度 目のウォームブートを行う必要があります。

他のオペレーティングシステムからウォームブートするときのみに、この状態は 起こります。 FreeBSD のブート前にシステムの電源を切れば、カードが正常に設 定されます。

関連項目

arp(4), netintro(4), ifconfig(8)

       Macronix 98713/A, 98715/A, 98725 データシート,     http://www.macronix.com.
       Macronix 98713/A, 98715/A アプリケーションノート,     http://www.macronix.com.

歴史

mx デバイスドライバは FreeBSD 3.0 に初めて現れました。

作者

mx ドライバは Bill Paul ⟨wpaul@ctr.columbia.edu⟩ が書きました。

バグ

Macronix アプリケーションノートによると、チップを通常動作に設定するには、 ドライバはあるマジックナンバを CSR16 レジスタに書き込む必要があります。そ のマジックナンバはアプリケーションノートに書いてありますが、ビットの正確 な意味は書いてありません。

98713A は 10Mbps 全二重通信モードに問題があるようです。トランスミッタは動 作しますが、レシーバは全体のパフォーマンスを著しく下げるような不明なエ ラーを大量に出す傾向にあります。 98715A にはこの問題がありません。98713A のそれ以外のすべてのモードでは正しく動作するようです。

FreeBSD November 5, 1998 FreeBSD

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