XL(4) FreeBSD/i386 カーネルインタフェースマニュアル XL(4)
名称
xl − 3Com Etherlink XL および Fast Etherlink XL イーサネットデバイスドラ イバ |
書式
device xl0 |
解説 |
xl ドライバは、3Com の「ブーメラン (boomerang)」と「サイクロン (cyclone)」のバスマスタ Etherlink XL チップに基づいた、 PCI イーサネット アダプタと内蔵コントローラをサポートします。これには 3c900-TP, 3c900-COMBO, 3c905-TX, 3c905-T4, 3c905B-TP, 3c905B-T4, 3c905B-TX, それに 一部の Dell Optiplex や Dell Precision デスクトップマシンと一部の Dell Latitude ラップトップドッキングステーションに内蔵されるイーサネットハード ウェア 3c905-TX と 3c905B-TX が含まれます。 Etherlink XL チップは内蔵の 10baseT, 10base2 と 10base5 のトランシーバ、 および外付の PHY トランシーバ用の MII バスをサポートしています。 3c905 シ リーズは全二重および半二重での 10/100 Mbps のサポートに通常ナショナルセミ コンダクター社の NS 83840A 10/100 PHY を使用しています。 3c905B アダプタ は以前のドライバとの互換性を保つために MII 上にマップされた内蔵の自動ネゴ シエーションロジックを持っています。 3c905-TX や 3c905B-TX のような Fast Etherlink XL アダプタは全二重および半二重モードで 10 Mbps もしくは 100 Mbps のデータレートをサポートしており、それらのモードは手動での設定の他、 自動ネゴシエーションによって接続先との間での最高のモードに設定することも できます。 xl ドライバは以下のメディアタイプをサポートしています。 |
autoselect
メディアタイプとオプションの自動選択を有効にしま す。 3c905 と 3c905B のアダプタで、 PHY が外付され ているか自動ネゴシエーションロジックが内蔵されてい る場合のみ、このオプションを使用できます。 3c900 ア ダプタではドライバは EEPROM において指定されている モードを選択します。ユーザは /etc/rc.conf にメディ アオプションを追加することによって、この設定を変更 できます。 10baseT/UTP 100baseTX 10base5/AUI 10base2/BNC xl ドライバは以下のメディアオプションをサポートしています。 full-duplex half-duplex 100baseTX のメディアタイプはサポートされているアダプタでのみ使うことがで きます。このデバイスを設定する上での詳細については ifconfig(8) を参照して ください。 診断 |
xl%d: couldn’t map memory 致命的な初期化エラーが発生しました。 xl%d: couldn’t map interrupt 致命的な初期化エラーが発生しました。 xl%d: device timeout デバイスがネットワークに対して応答しなくなったか、 ネットワーク接続 (ケーブル) に問題があります。 xl%d: no memory for rx list ドライバは受信リング用の mbuf の確保に失敗し ました。 xl%d: no memory for tx list パディング用バッファを確保する際、もしくは mbuf チェーンをたたんでクラスタへ変換する際、ドライバは送信リング用の mbuf の確保に失敗しました。 xl%d: command never completed! 3c90x ASIC へ発行されたコマンドの完了に時 間がかかっています。ドライバは次のコマンドを実行する前にステータスレジス タの「コマンド実行中」ビットがクリアされるまで待ちます。このビットはまれ にクリアされないことがあります。無限の待ちループに陥ることを避けるため に、ドライバはこのビットを有限回数ポーリングした後あきらめて、このメッ セージを出力します。このメッセージは低速のマシンではドライバの初期化中に 出力されることもあります。このメッセージが出力されてもドライバが正常に機 能しているようであれば、おそらくこのメッセージは無視することができるで しょう。 xl%d: chip is in D3 power state -- setting to D0 このメッセージは 3c905B (電源管理がサポートされている) にのみ適用されるものです。オペレーティング システムによってはシャットダウン時に 3c905B を低電力モードに設定します。 また PCI BIOS には、チップの設定の際に、チップをこの状態から脱出させられ ないものがあります。 3c905B は D3 状態ではすべての PCI 設定を失うため、 BIOS がアダプタを全電力モードに戻すことが遅れると設定を正しくおこなうこと ができません。ドライバはこの状態を検出しアダプタを D0 (全電力) 状態に戻そ うとしますが、これだけではドライバが完全に動作できる状態としては十分では ありません。このメッセージがブート時に出力されて、ドライバがデバイスを ネットワークインタフェースとして追加できなかったら、デバイスが正しく設定 できるように 2 回目のウォームブートを行う必要があるでしょう。 この状態は他のオペレーティングシステムからウォームブートを行ったときのみ 発生します。 FreeBSD をブートする前にシステムの電源を落していたら、カード は正常に設定されます。 xl%d: WARNING: no media options bits set in the media options register! 3c905-TX アダプタを内蔵した Dell Latitude のドッキングステーションでこの ドライバを使っているときに、この警告メッセージが表示されることがありま す。この機器でのメディアオプションレジスタの「MII 有効」ビットは、 MII が 使用可能な状態 (3c905-TX は常に外部 PHY トランシーバを使用します) でも セットされません。ドライバは PCI デバイス ID に基づいて正しいメディアタイ プを推測しようとします。ドライバの作者はこれを製造上の欠点だと考えてお り、ドライバはこの状態では沢山のノイズ (訳注: メッセージ) を出すようにし ています。 |
関連項目
歴史
xl デバイスドライバは FreeBSD 3.0 で最初に登場しました。 |
作者
xl ドライバは Bill Paul 〈wpaul@ctr.columbia.edu〉 が書きました。 FreeBSD August 16, 1998 FreeBSD |