RTADVD.CONF(5) FreeBSD ファイルフォーマットマニュアル RTADVD.CONF(5)
名称
rtadvd.conf − ルータ通知デーモンの設定ファイル |
解説
このファイルには各インタフェースに対して、ルータ通知パケットをどのように 組み立てなければならないかを記述します。 rtadvd(8) の記述のように、特別な設定が必要で無い限りにおいては、この設定 ファイルを設定する必要はまったくありません。このファイルがまったく存在し なくてかまいません。この場合、 rtadvd デーモンは、仕様で指定されるデフォ ルト値を仕様して、自己を自動設定します。 記述方法は有名な termcap(5) ファイルのフォーマットに従います。ファイル中 の各行にはネットワークインタフェースを記述します。フィールドはコロン (:) により区切られ、各フィールドは 1 つのケーパビリティの記述を含みます。行は ‘\’ により次の行へ続けることができます。コメントは ‘#’ で始まります。 |
ケーパビリティ
ケーパビリティは ICMPv6 ルータ通知メッセージを埋めるため、また rtadvd(8) の振る舞いを制御するための値を記述します。したがって、もしサンプルの定義 ファイルを変更したいのであれば、前述のように IETF 近隣探索文書を読むこと が推奨されます。 ほとんど全ての項目はデフォルト値を持っていることに注意してください。項目 を省略すると、項目のデフォルト値が使用されます。 ルータ通知を送信する間隔を制御するための 2 つの項目があります。これらの項 目は省略可能であり、この場合には rtadvd はデフォルト値を使用します。 |
maxinterval
(数値) 要請されていないマルチキャストルータ通知を送信する間隔の最 大時間です (単位: 秒) 。デフォルト値は 600です。この値は 4 以上 1800 以下でなければなりません。 mininterval 以下の項目は ICMPv6 ルータ通知メッセージヘッダのためのものです。これらの 項目は省略可能であり、この場合には rtadvd はデフォルト値を使用します。 chlim raflags rltime rtime retrans 以下は ICMPv6 プレフィックス情報オプションに対する項目であり、ルータ通知 ヘッダに付与されます。これらの項目は省略可能であり、この場合には rtadvd は自動的に適切なプレフィックスをカーネルの経路表から取得して、このプレ フィックスをデフォルトパラメータと共に通知します。 clockskew 以外のキー ワードには ‘‘prefix2’’ のように数値を付加することが可能であり、これにより 複数のプレフィックスを指定可能です clockskew prefixlen pinfoflags addr vltime vltimedecr pltime pltimedecr 以下は ICMPv6 MTU に対する項目であり、ルータ通知ヘッダに付与されます。こ の項目は省略可能であり、この場合には rtadvd はデフォルト値を使用します。 mtu 以下は ICMPv6 始点データリンク層アドレスオプションを制御するための項目で あり、ルータ通知ヘッダに付与されます。前述のように、この項目は省略可能で あり、この場合には rtadvd はデフォルト値を使用します。 nolladdr 以下は ICMPv6 ホームエージェント情報オプションを制御するための項目であ り、モバイル IPv6 サポートで定義されています。このオプションは、他のオプ ション同様、ルータ通知ヘッダに付与されます。 hapref hatime rtadvd(8) でモバイル IPv6 サポートを有効にすると、 maxinterval を明示的に 構成することにより、通知間隔オプションがルータ通知パケットに付加されま す。 以下は ICMPv6 経路情報オプションを制御するための項目であり、ルータ通知 ヘッダに付与されます。これらの項目はオプションです。各項目には ‘‘rtplen2’’ のように数値を付加することが可能であり、これにより複数のルー タを指定可能です rtprefix rtplen rtflags rtltime 上記のリスト中では、 ‘‘rt’’ で開始するキーワードは、 ‘‘rtr’’ で開始するも のと交換できます。これは、後方互換性のためです。例えば、 rtrplen は、 rtplen の代りとして受け付けられます。しかしながら、 ‘‘rtr’’ で開始する キーワードは基本的に廃れたものであるので、もはや使用すべきではありませ ん。 また tc ケーパビリティを用いることで、他の行を参照することができます。こ のケーパビリティの詳細に関しては termcap(5) を参照してください。 使用例 |
前述のように、通知される全パラメータは仕様で定義されるデフォルト値があり ます。よって、特別な非デフォルト値を使用したいので無い限りにおいては手動 で設定する必要はありません。誤った設定パラメータを使用すると、相互操作の 問題が生じ得ます。 設定パラメータを変えるには、パラメータだけを指定すれば良いです。次の設定 では、 rtadvd(8) は ne0 インタフェースのルータ有効期間パラメータを変えま す。 ne0:\ |
:rltime#0: |
次の例は、 ef0 インタフェースから通知されるプレフィックスを手動で設定しま す。この設定は、 −s オプション付きの rtadvd(8) で使用することが必要です。 ef0:\ |
:addr="3ffe:501:ffff:1000::":prefixlen#64: |
次の例は、明示的な方法でデフォルト値を示しています。この設定は、単に参照 のためだけに提供されています。あなた自身が設定する必要はまったくありませ ん。 default:\ |
:chlim#64:raflags#0:rltime#1800:rtime#0:retrans#0:\ |
||
:pinfoflags="la":vltime#2592000:pltime#604800:mtu#0: |
ef0:\ |
:addr="3ffe:501:ffff:1000::":prefixlen#64:tc=default: |
関連項目
Thomas Narten, Erik Nordmark, and W. A. Simpson, NeighborDiscovery for IP version 6 (IPv6), RFC 2461. Richard Draves, Default Router Preferences and More-Specific Routes, draft-ietf-ipngwg-router-selection-xx.txt.
歴史
rtadvd(8) と設定ファイル rtadvd.conf はWIDE Hydrangea IPv6 プロトコルス タックキットではじめて登場しました。 FreeBSD 10.0 May 17, 1998 FreeBSD 10.0 |