「アメリカが利上げをすると株価どうなるのか?」の版間の差分

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(2017年3月のFOMC)
 
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アメリカの利上げをするのは、夏時点では2015年の9月頃ではないか、という話が出てきています。アメリカの利上げによって、株価は、どうなるのでしょうか。その後、利上げの時期は、10月か12月、もしくは来年という予測がありました。9/24のイエレンFRB議長の年内利上げを示唆しました。11月に入り、年内の利上げのチャンスは12月のみになりました。そして、12月に入り、マーケットは12月利上げを完全に織り込んでいます。<u>12月の利上げの確率は、'''76'''%(12/4時点)に上昇し,利上げは'''ほぼ確定'''な情勢です</u>。状況が好感され、株価上昇につながると予想されています。FOMCは、アメリカ現地時間の12月15日から16日の2日間にわたって開催されます。日本時間で12月17日の早朝4時ごろに、FOMCの声明文が発表されます。声明文には、景気、物価に関する判断と政策決定が含まれます。
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アメリカの利上げをするのは、夏時点では2015年の9月頃ではないか、という話が出てきています。アメリカの利上げによって、株価は、どうなるのでしょうか。その後、利上げの時期は、10月か12月、もしくは来年という予測がありました。9/24のイエレンFRB議長の年内利上げを示唆しました。11月に入り、年内の利上げのチャンスは12月のみになりました。そして、12月に入り、マーケットは12月利上げを完全に織り込んでいます。<u>12月の利上げの確率は、'''76'''%(12/4時点)に上昇し,利上げは'''ほぼ確定'''な情勢です</u>。状況が好感され、株価上昇につながると予想されています。FOMCは、アメリカ現地時間の12月15日から16日の2日間にわたって開催されます。日本時間で12月17日の早朝4時ごろに、FOMCの声明文が発表されます。声明文には、景気、物価に関する判断と政策決定が含まれます。そして日本時間の12月17日に<u>利上げが決定されました</u>。2016年では、世界的な株価の暴落もあり、利下げのペースが鈍化することが予想されます。2016年中に利上げがありうるか、もしくは、利下げもありうる状況となっています。3月のFOMCでは利上げがないと予想されます。6月4日時点で、雇用統計がかなり悪かったため、6月の利上げがほぼ無いと予想されています。2017年の利下げは、2回に引き下げられましたが、2016年12月に3回に上方修正されました。
  
 
'''読み方'''
 
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* アメリカでは、金利が上がり、ドル高になり、株が売られ、債権が買われる。
 
* アメリカでは、金利が上がり、ドル高になり、株が売られ、債権が買われる。
 
* 日本は、円安が進み、海外投資家がポジションをクローズし、輸出企業の業績が伸びる。
 
* 日本は、円安が進み、海外投資家がポジションをクローズし、輸出企業の業績が伸びる。
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== 利上げが決定した ==
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* 短期金利の指標となる「フェデラルファンド(FF)金利」の誘導目標を、「0~0.25%」から「0.25~0.5%」に引き上げ、<u>実質的なゼロ金利政策を解除します</u>。
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* 失業率の改善などから、米国の経済は着実に回復していると判断しました。
 
== 利上げとは? ==
 
== 利上げとは? ==
 
アメリカの利上げとは、アメリカの主要政策金利フェデラル・ファンド金利の目標をFOMC(連邦公開市場委員会)が引き上げることです。
 
アメリカの利上げとは、アメリカの主要政策金利フェデラル・ファンド金利の目標をFOMC(連邦公開市場委員会)が引き上げることです。
;アメリカの景気が冷え込んだとき:金利を引き下げます
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;アメリカの景気が冷え込んだとき:金融緩和(利下げ), 金利を引き下げます。お金を出回るにします。銀行や企業にお金をどんどん貸したい状況です。
;アメリカの景気が過熱気味のとき:金利を引き上げます
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;アメリカの景気が過熱気味のとき:金融引き締め(利上げ), 金利を引き上げます
  
サブプライムショック、リーマンショックの金融危機の発生により、FOMCは、フェデラル・ファンド金利の目標を下限の0.25%として、実質的なゼロ金利政策をとってきました。
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サブプライムショック、'''リーマンショック'''の金融危機の発生により、FOMCは、フェデラル・ファンド金利の目標を下限の0.25%として、実質的なゼロ金利政策をとってきました。
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'''リーマン・ショック'''では、<u>景気が悪化し、市場にお金が出まわらなくなりました</u>。そこで、お金を回して景気を刺激するために、'''金利'''を引き下げました。金利の引き下げを継続した結果、'''ゼロ金利政策'''になりました。'''ゼロ金利政策'''は、「金利なしでお金を貸す」であるため、異常な状態と言えます。金利上げることにより、異常な状態は正常化されます。
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アメリカの景気が回復してきたことにより、FOMCは、金利の引き上げを検討しています。景気上昇局面で、利上げはブレーキを踏むことになるため、慎重になる必要がありました。一歩間違えば、'''インフレ'''か、不景気になってしまいます。
  
アメリカの景気が回復してきたことにより、FOMCは、金利の引き上げを検討しています。
 
 
== アメリカが利上げを行うと? ==
 
== アメリカが利上げを行うと? ==
政策金利のFF金利の引き上げは、理屈上は以下のとおりです。
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政策金利の'''FF金利'''([[フェデラル・ファンド金利]])の引き上げは、理屈上は以下のとおりです。
 
* 米国長期金利を押し上げる
 
* 米国長期金利を押し上げる
 
* ドル相場を上昇させる(ドル高)
 
* ドル相場を上昇させる(ドル高)
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** 企業は資金調達コストが増えます。
 
** 企業は資金調達コストが増えます。
 
** 金利が上がることにより、お金の動きが抑制されます。
 
** 金利が上がることにより、お金の動きが抑制されます。
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* 企業の業績が悪化します。
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** 金融機関からお金を借りている場合、利息の支払いが増加します。利息の支払いが増加すると企業の利益は、その分減少します。
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** 金利が高くてお金が借りられず、設備投資ができなくなります。
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*** 設備投資が行われないと、設備が売れなくなります。
 
* 車が好調だったが、利上げによりローン金利が上がり、自動車が売れなくなる。つまり、自動車株に影響の恐れがある。
 
* 車が好調だったが、利上げによりローン金利が上がり、自動車が売れなくなる。つまり、自動車株に影響の恐れがある。
 
* 海外の株を売る
 
* 海外の株を売る
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* 金価格は、下落します。
 
* 金価格は、下落します。
 
* 原油価格は、下落します(原油安)。なぜなら、原油は、金利がつきません。
 
* 原油価格は、下落します(原油安)。なぜなら、原油は、金利がつきません。
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== 国債利回りへの影響 ==
 
== 国債利回りへの影響 ==
 
* 米国10年国債利回りは、利上げの数カ月前から上昇をはじめます。利上げ当月まで上昇した後、頭打ちになる傾向です。
 
* 米国10年国債利回りは、利上げの数カ月前から上昇をはじめます。利上げ当月まで上昇した後、頭打ちになる傾向です。
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== アメリカの利上げによる、日本への影響 ==
 
== アメリカの利上げによる、日本への影響 ==
 
* <u>世界が米ドルを買う</u>ため、<u>ドル高円安が進む</u>
 
* <u>世界が米ドルを買う</u>ため、<u>ドル高円安が進む</u>
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** 125-130円の円安
 
* 円安によって、輸出企業の利益が増え、<u>輸出銘柄の株価が上昇する</u>
 
* 円安によって、輸出企業の利益が増え、<u>輸出銘柄の株価が上昇する</u>
 
** 輸出企業の株価の値上がりにより、日経平均株価が上昇する
 
** 輸出企業の株価の値上がりにより、日経平均株価が上昇する
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* 日本の国債を売られ、アメリカ国債を買い、日本の長期金利が上昇し、<u>住宅ローン金利が上がる</u>
 
* 日本の国債を売られ、アメリカ国債を買い、日本の長期金利が上昇し、<u>住宅ローン金利が上がる</u>
 
* アメリカの金利が上がり、ローン金利が上がるため、今まで好調だった自動車販売に影響の恐れがある。米国市場において、自動車販売が落ち込むため、自動車株に影響の恐れがありそう。
 
* アメリカの金利が上がり、ローン金利が上がるため、今まで好調だった自動車販売に影響の恐れがある。米国市場において、自動車販売が落ち込むため、自動車株に影響の恐れがありそう。
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== 株価への影響 ==
 
== 株価への影響 ==
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* すでに株価には、織り込まれていると考えられる。
 
* 最初の利上げでは、ほとんど影響しない
 
* 最初の利上げでは、ほとんど影響しない
 
* 2回目、3回目の利上げでは、市場は金融引き締めを意識し始めて下落する
 
* 2回目、3回目の利上げでは、市場は金融引き締めを意識し始めて下落する
 
* 米国株は、利上げの翌月までは、若干軟化し、その後、上向くトレンドになる。
 
* 米国株は、利上げの翌月までは、若干軟化し、その後、上向くトレンドになる。
 
== 利上げのやり方 ==
 
== 利上げのやり方 ==
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利上げについては、ゆっくりやると考えられます。物価を見ながら上げていきます。
 
* 2015年には、1回の0.25%利上げ
 
* 2015年には、1回の0.25%利上げ
 
* 2016年には、4回の0.25%利上げ
 
* 2016年には、4回の0.25%利上げ
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<u>中国株バブル崩壊</u>の影響により、世界的に<u>株価が暴落</u>しました。このタイミングでの利上げは、市場が荒れる懸念があります。
 
<u>中国株バブル崩壊</u>の影響により、世界的に<u>株価が暴落</u>しました。このタイミングでの利上げは、市場が荒れる懸念があります。
== 利上げはいつ実施されるのか ==
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== 2015年の話 1回目の利上げはいつ実施されるのか ==
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<u>アメリカ現地時間 12/16(日本時間12/17)に決定されました</u>。
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米国雇用統計の結果、12月の利上げはほぼ確定と言われています。
 
米国雇用統計の結果、12月の利上げはほぼ確定と言われています。
  
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* 市場参加者は、すでに12月の利上げを織り込んでいます
 
* 市場参加者は、すでに12月の利上げを織り込んでいます
 
* 利上げは、好景気を長続きさせるためのもの
 
* 利上げは、好景気を長続きさせるためのもの
== アメリカのゼロ金利制作 ==
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== 2016年の話 次(2回目)の利上げはいつか? ==
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FRBは2015年12月に、7年のゼロ金利政策を解除し、政策金利を0.25%に引き上げました。
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次に問題になるのは、利上げのペースです。
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利上げのペースは、年4回と予想する市場関係者が多く、FOMCが年に8回あるため、FOMC2回毎に利上げする予想がありました。
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一方で、2016年は、世界的な株価の暴落があり、今後の利上げの見通しが変化してきました。年4回の利上げは、なくなったと考えられます。2016年中に1回の利上げがあるか、もしくは、状況次第では、利下げも考えられる状況になりました。
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=== 3月の利上げは? ===
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次回のFOMCは、3月15日 - 16日に開催されます。3月の利上げの可能性は低いと予想されます。
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=== 6月の利上げは? ===
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'''雇用統計''' が悪かったこともあり、6月の利上げはほぼないと予想されています。
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== 2017年の話 の利上げの回数は? ==
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<s>2017年の利上げ回数は、2回に下方修正されました</s>。
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2017年の'''利上げ回数'''は、3回に上方修正されました。
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== 2017年の利上げは? ==
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=== 2017年3月のFOMC ===
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2017年3月では、「利上げ」の可能性が非常に高まってきました。
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'''非農業部門雇用者数'''が良い意味で予想を裏切りました。
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'''利上げ回数'''も3回は行えるのではないでしょうか。
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== アメリカのゼロ金利政策 ==
 
アメリカのゼロ金利政策は、2008年12月からはじまりました。
 
アメリカのゼロ金利政策は、2008年12月からはじまりました。
 
== FOMCの定期会合 ==
 
== FOMCの定期会合 ==
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* 元安になると、巨額の資本逃避が発生する恐れがあるからです。
 
* 元安になると、巨額の資本逃避が発生する恐れがあるからです。
 
** 8月の中国人民銀行の人民元切り下げにより、大量の資金が流出しました。
 
** 8月の中国人民銀行の人民元切り下げにより、大量の資金が流出しました。
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== 韓国への影響 ==
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アメリカの利上げに伴って、韓国の金利も一緒にあがると考えられます。
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韓国の輸出企業にとっては不利な状況です。
 
== 関連項目 ==
 
== 関連項目 ==
* [[株式投資]]
 
 
* [[人民元切り下げの意味]]
 
* [[人民元切り下げの意味]]
 
* [[2016年3月末までに日経平均株価はどうなるのか?]]
 
* [[2016年3月末までに日経平均株価はどうなるのか?]]
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* [[原油安になると株価はどうなるのか?]]
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* [[フェデラル・ファンド金利]]
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2017年3月12日 (日) 11:35時点における最新版

アメリカの利上げをするのは、夏時点では2015年の9月頃ではないか、という話が出てきています。アメリカの利上げによって、株価は、どうなるのでしょうか。その後、利上げの時期は、10月か12月、もしくは来年という予測がありました。9/24のイエレンFRB議長の年内利上げを示唆しました。11月に入り、年内の利上げのチャンスは12月のみになりました。そして、12月に入り、マーケットは12月利上げを完全に織り込んでいます。12月の利上げの確率は、76%(12/4時点)に上昇し,利上げはほぼ確定な情勢です。状況が好感され、株価上昇につながると予想されています。FOMCは、アメリカ現地時間の12月15日から16日の2日間にわたって開催されます。日本時間で12月17日の早朝4時ごろに、FOMCの声明文が発表されます。声明文には、景気、物価に関する判断と政策決定が含まれます。そして日本時間の12月17日に利上げが決定されました。2016年では、世界的な株価の暴落もあり、利下げのペースが鈍化することが予想されます。2016年中に利上げがありうるか、もしくは、利下げもありうる状況となっています。3月のFOMCでは利上げがないと予想されます。6月4日時点で、雇用統計がかなり悪かったため、6月の利上げがほぼ無いと予想されています。2017年の利下げは、2回に引き下げられましたが、2016年12月に3回に上方修正されました。

読み方

利上げ
りあげ
FOMC
えふおーえむしー

概要

アメリカが利上げを行うことによって、為替や株価に影響が出ます。アメリカと日本の両方に影響が起こります。

  • アメリカでは、金利が上がり、ドル高になり、株が売られ、債権が買われる。
  • 日本は、円安が進み、海外投資家がポジションをクローズし、輸出企業の業績が伸びる。

利上げが決定した

  • 短期金利の指標となる「フェデラルファンド(FF)金利」の誘導目標を、「0~0.25%」から「0.25~0.5%」に引き上げ、実質的なゼロ金利政策を解除します
  • 失業率の改善などから、米国の経済は着実に回復していると判断しました。

利上げとは?

アメリカの利上げとは、アメリカの主要政策金利フェデラル・ファンド金利の目標をFOMC(連邦公開市場委員会)が引き上げることです。

アメリカの景気が冷え込んだとき
金融緩和(利下げ), 金利を引き下げます。お金を出回るにします。銀行や企業にお金をどんどん貸したい状況です。
アメリカの景気が過熱気味のとき
金融引き締め(利上げ), 金利を引き上げます

サブプライムショック、リーマンショックの金融危機の発生により、FOMCは、フェデラル・ファンド金利の目標を下限の0.25%として、実質的なゼロ金利政策をとってきました。

リーマン・ショックでは、景気が悪化し、市場にお金が出まわらなくなりました。そこで、お金を回して景気を刺激するために、金利を引き下げました。金利の引き下げを継続した結果、ゼロ金利政策になりました。ゼロ金利政策は、「金利なしでお金を貸す」であるため、異常な状態と言えます。金利上げることにより、異常な状態は正常化されます。

アメリカの景気が回復してきたことにより、FOMCは、金利の引き上げを検討しています。景気上昇局面で、利上げはブレーキを踏むことになるため、慎重になる必要がありました。一歩間違えば、インフレか、不景気になってしまいます。

アメリカが利上げを行うと?

政策金利のFF金利(フェデラル・ファンド金利)の引き上げは、理屈上は以下のとおりです。

  • 米国長期金利を押し上げる
  • ドル相場を上昇させる(ドル高)
  • 株価を下落させる


  • 世界のマネーがアメリカに向かい、米ドルが買われます。
  • 銀行が企業に貸すお金の金利や預金の金利が上がります。
    • 企業は資金調達コストが増えます。
    • 金利が上がることにより、お金の動きが抑制されます。
  • 企業の業績が悪化します。
    • 金融機関からお金を借りている場合、利息の支払いが増加します。利息の支払いが増加すると企業の利益は、その分減少します。
    • 金利が高くてお金が借りられず、設備投資ができなくなります。
      • 設備投資が行われないと、設備が売れなくなります。
  • 車が好調だったが、利上げによりローン金利が上がり、自動車が売れなくなる。つまり、自動車株に影響の恐れがある。
  • 海外の株を売る
  • アメリカの金利が上がると、お金は、ノーリスクでリターンの得られる債権に向かいます。
  • 金価格は、下落します。
  • 原油価格は、下落します(原油安)。なぜなら、原油は、金利がつきません。

国債利回りへの影響

  • 米国10年国債利回りは、利上げの数カ月前から上昇をはじめます。利上げ当月まで上昇した後、頭打ちになる傾向です。
  • 2004年6月から前回の利上げ局面では、利回りは、逆に低下しました。

アメリカの利上げによる、日本への影響

  • 世界が米ドルを買うため、ドル高円安が進む
    • 125-130円の円安
  • 円安によって、輸出企業の利益が増え、輸出銘柄の株価が上昇する
    • 輸出企業の株価の値上がりにより、日経平均株価が上昇する
  • 円安が進むことによって、輸入コストが上がるため、輸入品の価格が上がる
  • 日本の国債を売られ、アメリカ国債を買い、日本の長期金利が上昇し、住宅ローン金利が上がる
  • アメリカの金利が上がり、ローン金利が上がるため、今まで好調だった自動車販売に影響の恐れがある。米国市場において、自動車販売が落ち込むため、自動車株に影響の恐れがありそう。

株価への影響

  • すでに株価には、織り込まれていると考えられる。
  • 最初の利上げでは、ほとんど影響しない
  • 2回目、3回目の利上げでは、市場は金融引き締めを意識し始めて下落する
  • 米国株は、利上げの翌月までは、若干軟化し、その後、上向くトレンドになる。

利上げのやり方

利上げについては、ゆっくりやると考えられます。物価を見ながら上げていきます。

  • 2015年には、1回の0.25%利上げ
  • 2016年には、4回の0.25%利上げ

FOMCのFF金利水準の予測

  • 2015年 0.25%
  • 2016年 1.25%
  • 2017年 2.25%
  • 長期 3%

利上げの時期はいつなのか?

  • 12/4にFRBが12/15,12/16の会合で、政策金利を0.25%に引き上げることになりました。
  • 9/24のイエレンFRB議長の年内利上げを示唆しました。
  • 2015年の10月、もしくは、12月
    10月と12月に金制作を決めるFOMCが開催されます。

なぜアメリカは利上げ時期を悩むのか?

利上げは、一般的に経済を冷やす効果があります。 アメリカは、今まで、景気回復を進めてきました。ゼロ金利を維持した場合、景気が過熱してしまうため、利上げを検討していました。

中国株バブル崩壊の影響により、世界的に株価が暴落しました。このタイミングでの利上げは、市場が荒れる懸念があります。

2015年の話 1回目の利上げはいつ実施されるのか

アメリカ現地時間 12/16(日本時間12/17)に決定されました

米国雇用統計の結果、12月の利上げはほぼ確定と言われています。

  • 10月の米国雇用統計が良かった
  • 市場参加者は、すでに12月の利上げを織り込んでいます
  • 利上げは、好景気を長続きさせるためのもの

2016年の話 次(2回目)の利上げはいつか?

FRBは2015年12月に、7年のゼロ金利政策を解除し、政策金利を0.25%に引き上げました。 次に問題になるのは、利上げのペースです。

利上げのペースは、年4回と予想する市場関係者が多く、FOMCが年に8回あるため、FOMC2回毎に利上げする予想がありました。

一方で、2016年は、世界的な株価の暴落があり、今後の利上げの見通しが変化してきました。年4回の利上げは、なくなったと考えられます。2016年中に1回の利上げがあるか、もしくは、状況次第では、利下げも考えられる状況になりました。

3月の利上げは?

次回のFOMCは、3月15日 - 16日に開催されます。3月の利上げの可能性は低いと予想されます。

6月の利上げは?

雇用統計 が悪かったこともあり、6月の利上げはほぼないと予想されています。

2017年の話 の利上げの回数は?

2017年の利上げ回数は、2回に下方修正されました

2016-12-16追記 2017年の利上げ回数は、3回に上方修正されました。

2017年の利上げは?

2017年3月のFOMC

2017年3月では、「利上げ」の可能性が非常に高まってきました。 非農業部門雇用者数が良い意味で予想を裏切りました。 利上げ回数も3回は行えるのではないでしょうか。

アメリカのゼロ金利政策

アメリカのゼロ金利政策は、2008年12月からはじまりました。

FOMCの定期会合

FOMC(えふおーえむしー、連邦公開市場委員会)は、年8回の会合が開催されます。

3月、6月、9月、12月の会合では、経済、物価、金利の見通しが発表されます。

2015年12月16日と17日のFOMC

FRBがFOMCを12月16日17日に開きます。

  • 日本の株式市場は、すでに折り込み済みという見方が強いです。
  • 新興国市場には、不安があり、特に中国があおりを受けそうです。

アメリカの利上げと中国の関係

  • 中国は、人民元の国際通貨基金(IMF)特別引出権(SDR)構成通貨入りを実現しました。
    • 元の変動幅拡大
    • 金融市場の自由化
    • 外国為替制度は、当面、元をドルに連動させる管理変動相場制を継続します。
  • アメリカの利上げでドル高に向かいます。ドル高は、元高となり、中国にはデフレの圧力が加わります。それを避けるためには、元を切り下げる必要があります。元を切り下げると、ワシントンから制裁を受ける恐れが高まります。
  • 北京は、元の切り下げがやりたくない事情も抱えています。
  • 元安になると、巨額の資本逃避が発生する恐れがあるからです。
    • 8月の中国人民銀行の人民元切り下げにより、大量の資金が流出しました。

韓国への影響

アメリカの利上げに伴って、韓国の金利も一緒にあがると考えられます。 韓国の輸出企業にとっては不利な状況です。

関連項目