なぜ日銀は2016年にマイナス金利を導入したのか?
マイナス金利 とは、日銀(日本銀行)が銀行に貸し出すお金の金利がマイナスになる事です。金利がマイナスの場合、銀行が日銀の当座銀行にお金を預ける場合に、お金を支払うことになります。
読み方
- マイナス金利
- まいなす きんり
目次
概要
2016年1月29日に、日銀の黒田総裁の黒田バズーカ3 が マイナス金利 という形で放たれました。日本では市場初めてです。
マイナス金利の場合、銀行が日銀にお金を預ける場合、手数料がかかり、預けたお金が目減りしていく状態です。マイナス金利を導入している国がいくつか存在します。
マイナス金利は誰と誰の話?
日本銀行と民間の銀行のお金のやり取りの話です。
マイナス金利は何に適用されるのか?
- 民間金融機関が日銀に対して、新たに預金する場合に、適用されます。
- 既存の当座預金に関しては、マイナス金利は、適用されません。
日銀はなにがしたかったのか?
日本銀行は、2013年の4月から「2年で2%のインフレ目標を実現する」として、異次元緩和政策をとってきました。日銀は、大量の国債を買ってきました。
2015年、中国不安や 原油安 の影響をうけて、円高が進行し、日本の株価の下落が続いていました。日銀は、為替の円高進行を止め、株価の下落を止め、日本経済を維持したかったのでしょう。
また、期待したほど、物価が上がっていませんでした。 さらに、甘利経済再生担当大臣が辞任しました。
政治的にも、日銀は、追加の政策を迫られる状態にありました。
日銀はこれからどうするのか?
日銀は、マイナス金利を適用しました。 さらに、日銀は、マイナス金利でも債権を買っていきます。
マイナス金利の目的は?
金利をマイナスにする事は、 日銀の当座預金額を減らすことが目的です。 日銀の当座預金額を減らす目的は、世の中にお金を流通させることを目的としています。
銀行は、日銀にお金を預けていると、資産が目減りしてしまう(お金が減ってしまう)ので、一般の民間企業に貸し出そうとします。銀行は、民間企業にお金を貸して、利子を得ることができます。
株価下落に歯止めをかけ、円安を誘導する目的もあります。
マイナス金利の効果
マイナス金利は、カンフル剤になる可能性があります。消費や投資の後押しになります。長期的には低成長につながる可能性もある、という副作用の心配もあります。
マイナス金利の状況では、銀行は買うとマイナス(損)になる国債を買えなくなるので、貸付をつけ、利益をだしていくしかありません。
メリット
- 企業が銀行からお金を借りやすくなる
- 企業は、投資などがしやすくなり、将来への成長が期待できる可能性が広がる。
- 銀行ががんばって貸して、回収できなくなる可能性が増える
当座預金の手数料は?
当座預金の手数料は、0.1% です。
私達個人の銀行口座の貯金はどうなるの?
日本の銀行にお金を預けている方の資産は、どうなるのでしょうか? 私達の銀行口座の預金は、どんどん減っていってしまうのでしょうか?
いいえ。
私達の銀行口座のお金に、マイナス金利の関係はありません。お金は減らないので心配無用です。 我々一般人の利用している銀行は、日本の銀行ではありますが、日本銀行(日銀)ではありません。
黒田バズーカ3の効果
- 1日で5円程度、円安が進行した
- 日経平均は600円以上値上がりした
株価への影響
マイナス金利は、株価へも影響を及ぼしました。
銀行株の下落
日銀のマイナス金利より、影響を受けるのは、銀行株です。
銀行株は、金利低下により、貸出業務の利ざやが縮小し、業績を押し下げる味方が広がっています。
銀行株は、軒並み売られました。
不動産株の上昇
金融機関は、マイナス金利により、貸出の姿勢を強めることが予想できます。その貸出先の対象になりやすいのが、不動産業界です。
不動産業界は、資金調達コストが大幅に低下することが見込まれるため、追い風になると予想されます。不動産株は、軒並み買われています。
関連項目
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