Windowsにvimの環境を構築する方法
Windowsにvim環境を構築する方法を説明します。設定ファイルの設置場所や設定ファイルの共有方法、vimのプラグイン管理の環境などを説明します。
読み方
- Windowsにvimの環境を構築する方法
- うぃんどうずに ぶいあいえむ の かんきょうをこうちくする ほうほう
目次
概要
Unixな環境に比べると若干面倒な感じもしますが、快適な環境を作るため、努力を惜しんではなりません。 設定ファイルは、DropBoxなどのクラウドストレージを利用することで、異なる環境で設定を共有できます。 異なるOSで設定を共有する場合、OSごとの個別の設定が必要になる、もしくは、個別の設定にしたほうが有効なケースがあります。
Vimの環境構築
一般的なvimの環境構築の手順は、以下の通りです。
- vimのインストール
- git コマンドのインストール
- python などのインストール
- クラウドストレージアプリケーションのインストール
- 設定ファイルの作成
Windowsでのvimの環境構築の手順
Windowsでのvimの環境構築の手順は、以下の通りです。
- KaoriYa版Vimのダウンロード
- vimのインストールでも触れています。
- Git for Windowsのインストール
- NeoBundleでプラグインを管理するために必要です。
- Python のインストール
- オンラインアップデートで使用します。
- mingw のインストール
- vimproc のビルドに利用します。
- vimproc をビルドする
- すでにビルドされている DLL をダウンロードすることもできます。
- クラウドストレージアプリケーションのインストール
- 設定ファイルの作成
- プラグインマネージャとプラグインのインストール
- オンラインアップデート環境を整える
KaoriYa版Vimのダウンロード
http://www.kaoriya.net/software/vim/ からダウンロードします。
Git for Windowsのインストール
http://git-scm.com/downloads からダウンロードします。
Python のインストール
http://www.python.jp/download/ からダウンロードしてインストールします。 オンラインアップデートで利用します。
mingw のインストール
vimproc を利用する場合にインストールします。 Windows 7では、 x86_64 に対応した mingw をインストールします。
ダウンロードサイトは、以下の通りです。
- http://mingw-w64.sourceforge.net/
- https://sourceforge.net/projects/mingw-w64/files/Toolchains%20targetting%20Win64/Personal%20Builds/mingw-builds/
クラウドストレージアプリケーションのインストール
DropBox などのクラウドストレージのアプリケーションをインストールします。
設定ファイルの作成
ローカルの設定ファイルを作成する場合
個人的な設定をする場合には、以下の設定ファイルを作成します。
- C:\Users\kaoru\.vimrc
- C:\Users\kaoru\.gvimrc
.vim のディレクトリを作成します。
C:\Users\kaoru>mkdir .vim C:\Users\kaoru>mkdir .vim\bundle
.vimrc の例
set nocompatible filetype off if has('vim_starting') set rtp+=$HOME/.vim/bundle/neobundle.vim/ endif call neobundle#rc(expand('~/.vim/bundle')) NeoBundleFetch 'Shougo/neobundle.vim' " NeoBundle で管理するプラグインを追加します。 NeoBundle 'Shougo/neocomplcache.git' NeoBundle 'Shougo/unite.vim.git' NeoBundle 'Shougo/neomru.vim' NeoBundle 'nanotech/jellybeans.vim' NeoBundle 'Shougo/neosnippet' NeoBundle 'Shougo/neosnippet-snippets' NeoBundle 'LeafCage/yankround.vim' "" キーマップ nmap p <Plug>(yankround-p) nmap P <Plug>(yankround-P) nmap <C-p> <Plug>(yankround-prev) nmap <C-n> <Plug>(yankround-next) "" 履歴取得数 let g:yankround_max_history = 500 imap <C-k> <Plug>(neosnippet_expand_or_jump) smap <C-k> <Plug>(neosnippet_expand_or_jump) set t_Co=256 set encoding=utf-8 set fileencoding=utf-8 set termencoding=utf-8 set fileencodings+=utf-8,euc-jp,iso-2022-jp,ucs-2le,ucs-2,euc-jp,cp932 filetype plugin indent on " restore filetype syntax on colorscheme jellybeans if has('win32') || has ('win64') set iminsert=0 set imsearch=0 endif
KaoriYa 固有の機能をオフにします。
if has('kaoriya') let g:no_vimrc_example=0 let g:vimrc_local_finish=1 let g:gvimrc_local_finish=1 "$VIM/plugins/kaoriya/autodate.vim let plugin_autodate_disable = 1 "$VIM/plugins/kaoriya/cmdex.vim let plugin_cmdex_disable = 1 "$VIM/plugins/kaoriya/dicwin.vim let plugin_dicwin_disable = 1 "$VIMRUNTIME/plugin/format.vim let plugin_format_disable = 1 "$VIM/plugins/kaoriya/hz_ja.vim let plugin_hz_ja_disable = 1 "$VIM/plugins/kaoriya/scrnmode.vim let plugin_scrnmode_disable = 1 "$VIM/plugins/kaoriya/verifyenc.vim let plugin_verifyenc_disable = 1 endif
.gvimrcの設定の例
.gvimrc には、以下の設定を加えます。
if has('win32') || has ('win64') source $VIMRUNTIME/delmenu.vim set langmenu=ja_jp.utf-8 source $VIMRUNTIME/menu.vim endif colorscheme jellybeans
クラウドを利用した設定ファイルの管理
この例は、DropBox を利用した例です。 Dropbox の dotfilesの下 (C:\Users\kaoru\Dropbox\dotfiles)に .vimrc, .gvimrc, .vim があるときの例です。
C:\Users\kaoru>mklink .gvimrc Dropbox\dotfiles\.gvimrc C:\Users\kaoru>mklink .vimrc Dropbox\dotfiles\.vimrc
.vimも一緒に管理する場合は、.vimへもシンボリックリンクをはります。
C:\Users\kaoru>mklink /d .vim Dropbox\dotfiles\.vim
詳しくは、vimの設定をWindowsとLinuxとMacで共有する方法をご参照ください。
プラグインマネージャとプラグインのインストール
.vim をクラウドストレージで共有している場合には、この処理はスキップしてください。
スタートメニューのGitからgit bashを起動します。
$ git clone https://github.com/Shougo/neobundle.vim bundle/neobundle.vim .vim/bundle/neobundle.vim
vimを起動します。
$ vim
プラグインをインストールします。
:NeoBundleInstall
vimproc をビルドする
mingwを利用してビルドします。
vimprocのDLLのビルドは、以下の通りです。バージョンによって、パスが異なるのでご注意ください。
C:\Users\kaoru>cd .vim\bundle\vimproc C:\Users\kaoru\.vim\bundle\vimproc>"c:\Program Files\mingw-builds\x64-4.8.1-posix-seh-rev5\mingw64\bin\mingw32-make.exe" -f make_mingw32.mak CC=x86_64-w64-mingw32-gcc.exe
win32用にはgnupack_develを使いました。
C:\Users\kaoru\.vim\bundle\vimproc>"c:\Program Files\mingw-builds\x64-4.8.1-posix-seh-rev5\mingw64\bin\mingw32-make.exe" -f make_mingw32.mak CC=C:\Users\kaoru\Downloads\gnupack_devel-11.00\app\mingw\tdm\bin\mingw32-gcc
オンラインアップデート環境を整える
https://github.com/koron/online-update からダウンロードします。解凍して、vimのディレクトリにコピーします。
詳しくは、WindowsのKaoriYa版vimをオンラインアップデートする方法をご参照ください。
マルチプラットフォームで設定ファイルを使用する
OSの違いやvimのビルドオプションの違いを吸収する方法をvimの設定をWindowsとLinuxとMacで共有する方法で紹介します。
関連項目
- vimとは
- なぜvimを使うのか
- vimのインストール
- vimの設定ファイル
- vimの設定をWindowsとLinuxとMacで共有する方法
- Windowsにvimの環境を構築する方法
- vimをビルドする
- これからはじめるvim
- vimのパターン検索と置換で知っておくべきこと
- vimのPHP開発環境
- WindowsのKaoriYa版vimをオンラインアップデートする方法
- vimの便利な基本機能
ツイート