スポンサーリンク

HOST(1) FreeBSD 一般コマンドマニュアル HOST(1)

名称

host − ドメインサーバを使ってホスト名の検索を行なう

書式

host [−l] [−v] [−w] [−r] [−d] [−t querytype] [−a] host [server]

解説

host はインターネットホストに関する情報の検索を行ないます。情報は世界中に 広がった相互に接続されたサーバ群から得ます。デフォルトではホスト名とイン ターネットアドレス間の変換のみを行ないます。 ‘‘−t’’ や ‘‘−a’’ オプション とともに使うと、そのホストに関するドメインサーバによって保守されている情 報のすべてを得ることができます。

引数にはホスト名かホスト番号のいずれかを指定できます。本プログラムはまず 引数をホスト番号として解釈を試みます。それがうまくいかなければ、ホスト名 として扱います。ホスト番号は、IPv4 ドット付き 4 つ組 (127.0.0.1) か、 IPv6 生アドレス (::1) です。ホスト名は topaz.rutgers.edu のようにドットで 区切られた複数の名前からなります。名前がドットで終っていなければ、ローカ ルドメインが自動的に末尾に付け加えられます。たとえば Rutgers のユーザは

host topaz

というように使うことができ、これは実際には "topaz.rutgers.edu" が検索され ます。これがうまくいかなければ、名前は変更されずに (この例では "topaz" と して) 試みられます。このやりかたはメールやその他のネットワークユーティリ ティでも使われています。実際に末尾に付け加えられる接尾辞は、 hostname(1) を呼び出した結果の最初のドット以降となります。(下記の ホスト名検索のカス タマイズの節を参照してください。)

最初の引数は検索を行なうホスト名となります。これが数字の場合、 ‘‘逆引き’’ が実行されます。すなわちドメインシステムは数字を名前に変換するための別の データベース群を参照します。

2 番目の引数は省略可能です。ここでは問い合わせを行なうサーバを指定するこ とができます。この引数が指定されなければ、デフォルトのサーバ (通常はロー カルマシン) が使われます。

名前が指定された場合、3 つの異なった種類の結果が出力されます。以下はそれ らの例です。

% host sun4

sun4.rutgers.edu is a nickname for ATHOS.RUTGERS.EDU

ATHOS.RUTGERS.EDU has address 128.6.5.46

ATHOS.RUTGERS.EDU has address 128.6.4.4

ATHOS.RUTGERS.EDU mail is handled by ARAMIS.RUTGERS.EDU

ここでユーザはコマンド ‘‘host sun4’’ を入力しています。最初の行は名前 ‘‘sun4.rutgers.edu’’ は実際にはニックネームであることを示しています。正式 なホスト名は ‘‘ATHOS.RUTGERS.EDU’’ です。続く 2 行ではアドレスが表示され ています。もし複数のネットワークインタフェースをもつシステムであれば、そ の各々は別のアドレスを持ちます。最後の行では ATHOS.RUTGERS.EDU は自分に対 するメールは受け取らないことを示しています。このホスト宛てのメールは ARAMIS.RUTGERS.EDU によって取り込まれます。いくつかのシステムではそのメー ルを扱うシステムが複数存在することがあり、その場合はこの行のような情報が さらに出力されます。技術的にはメールを受け取ることのできるすべてのシステ ムがこのようなエントリを持つと考えられます。もしシステムがそのメールを自 分自身で受け取る場合、

XXX mail is handled by XXX

のように、そのシステム自身について言及したエントリがあるはずです。しか し、メールを自分で受け取る多くのシステムではわざわざその事実について言及 していません。もしあるシステムに ‘‘mail is handled by’’ のエントリがある のにアドレスがなければ、それは本当はインターネットの構成員ではないが、 ネットワーク上のあるシステムがメールをそこに転送してくることを示していま す。 Usenet や Bitnet やその他の多くのネットワーク上のシステムではこの種 のエントリを持っています。

オプション

ホスト名の前に指定できるオプションは沢山あります。これらのオプションのほ とんどはドメインデータベースを保守しているスタッフにのみ意味のあるもので す。

       −w

本オプションは host が応答を永遠に待つようにします。通常は、 約 1 分でタイムアウトします。

−v
「冗長」書式を表示に使用します。これは、公式なドメインマスタ ファイルの書式であり、 named(8) のマニュアルページに記述され ています。本オプションを指定しないと、出力は一般的にこの形式 に従うものの、一般ユーザにとってより理解し易い形式に変更しよ うとします。 ‘‘−v’’ を指定しない場合、"a", "mx", "cname" レ コードは、それぞれ "has address", "mail is handled by", "is a nickname for" と記述され、TTL とクラスのフィールドは表示され ません。

−r
再帰的な問い合わせを行ないません。これはネームサーバがその サーバ自身のデータベースに所持しているデータのみを返すことを 意味します。サーバは他のサーバに情報の問い合わせを行ないませ ん。

−d
デバッグを有効にします。ネットワークトランザクションの詳細が 表示されます。

−s
署名から親の鍵を追跡します (DNSSEC)。

−t querytype
特定の querytype の情報の検索を指定することができます。引数は named(8) の man ページにおいて定義されています。現在サポート されているタイプには以下のものが含まれます: ‘‘a’’, ‘‘aaaa’’, ‘‘ns’’, ‘‘md’’, ‘‘mf’’, ‘‘cname’’, ‘‘soa’’, ‘‘mb’’, ‘‘mg’’, ‘‘mr’’, ‘‘null’’, ‘‘wks’’, ‘‘ptr’’, ‘‘hinfo’’, ‘‘minfo’’, ‘‘mx’’, ‘‘uinfo’’, ‘‘uid’’, ‘‘gid’’, ‘‘unspec’’ さらに、ワイ ルドカード (これは ‘‘any’’ か ‘‘*’’ として指定されます) があ り、上記のすべてのタイプを指定するためにつかいます。タイプは 小文字で指定しなければなりません。デフォルトでは最初に ‘‘a’’ が検索され、次に ‘‘mx’’ が検索されます。ただし、verbose オプ ションが指定されていると、デフォルトでは ‘‘a’’ のみの検索を行 ないます。オプション ‘‘−t’’ は host が返す情報にフィルタをか けるのに特に有効です。それ以上の情報は下記の ‘‘−l’’ オプショ ンの説明を参照してください。

−a
‘‘すべて’’ 。 ‘‘−v −t any’’ と同じです。

−l
完全なドメインを列挙します。例えば

host -l rutgers.edu

は、rutgers.edu domain 内のすべてのホストを列挙します。 ‘‘−t’’ オプションを使用して、どの情報を表示するかを、意図通り フィルタ可能です。デフォルトは、アドレス情報と PTR と NS レ コードです。コマンド

host -l -v -t any rutgers.edu

は、rutgers.edu に対するゾーンデータの完全なダウンロードを、 公式なマスタファイル書式で与えます (しかしながら、不可解な理 由で、SOA レコードは 2 度表示されます)。

: ‘‘−l’’ の実装は、完全なゾーン転送を行い、これに対して要求 した情報をフィルタアウトすることで行われます。このコマンドの 使用は、本当に必要な場合に限るべきです。

ホスト名検索のカスタマイズ

一般にユーザによって指定された名前にドットが含まれていなければ、デフォル トのドメインがその末尾に付け加えられます。このドメインは /etc/resolv.conf において定義することができますが、通常はローカルのホスト名の最初のドット 以降を取ることによって求められます。ユーザは環境変数 LOCALDOMAIN を使って 異なるデフォルトドメインを指定することによって、これをオーバライドするこ とができます。さらに、ユーザはホスト名の独自の略称を使うこともできます。 略称は 1 つの略称につき 1 行からなるファイルにおいて指定します。各行には 略称、スペース、そして完全なホスト名が含まれます。このファイルは環境変数 HOSTALIASES にてファイル名を指定します。

環境変数

       HOSTALIASES

(ホストの別名, 完全なホスト名) のペアを含んでいるファ イルのファイル名

関連ファイル

       /etc/resolv.conf

resolver(5) を参照してください。

関連項目

named(8)resolver(5)

バグ

ローカルドメインに含まれない名前を入力すると予期できない影響が起こり得ま す。名前がドットで終っていない限り、ローカルドメイン名がすべての名前の末 尾に付加されることをいつも心に留めておいてください。ローカルドメインの補 完に失敗した時のみ、名前は変更されずに使用されます。

‘‘−l’’ オプションでは要求されたドメインにおいてリストされている最初のネー ムサーバにのみ問い合わせを行ないます。もしこのサーバが死んでいれば、サー バをマニュアルで指定しなければなりません。たとえば foo.edu のリストを得る には、

host -t ns foo.edu

と指定して foo.edu のすべてのネームサーバのリストを得てから、動作するもの が見つかるまでリストにあるすべてのネームサーバについて

host -l foo.edu xxx

(ここで ‘‘xxx’’ はネームサーバ) を試みれば良いでしょう。

4th Berkeley Distribution December 15, 1994 4th Berkeley Distribution

スポンサーリンク