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SYSTAT(1) FreeBSD 一般コマンドマニュアル SYSTAT(1)

名称

systat − システムの統計情報を CRT に表示する

書式

systat [−display] [refresh-interval]

解説

systat ユーティリティは、 ncurses(3) の curses スクリーンディスプレイライ ブラリを用いたスクリーン指向な方法で、システムの各種統計情報を表示しま す。

systat の走行中はスクリーンが通常 2 つのウィンドウに分割されます (例外は vmstat を表示する場合で この時はスクリーン全体を使います)。上のウィンドウ はその時のシステムのロードアベレージを表示します。下のウィンドウに表示さ れる情報は、ユーザのコマンドに応じて変化するかもしれません。スクリーンの 最終行はユーザの入力とエラーメッセージのために予約されています。

デフォルトでは systat はプロセッサ使用率が最大のプロセスを下のウィンドウ に表示します。他にはスワップ領域の使用状況、ディスク I/O の統計情報 ( iostat(8) 式に)、仮想記憶の統計情報 ( vmstat(8) 式に)、ネットワークの ‘‘mbuf’’ 利用率、 TCP/IP 統計情報、ネットワークコネクション ( netstat(1) 式に) を表示します。

入力は 2 つの異なるレベルで解釈されます。 ‘‘グローバル’’ なコマンドインタ プリタがすべてのキーボード入力を処理します。もしこのコマンドインタプリタ がコマンドを認識できないと、入力行は表示する種類毎のコマンドインタプリタ に渡されます。これによって各表示内容に応じたコマンドを持つ事が可能になり ます。

コマンド行のオプション:

display

に続けて display として以下のいずれか一つを指定しま す: icmp, icmp6, ifstat, iostat, ip, ip6, mbufs, netstat, pigs, swap, tcp, vmstat 。これらの表示内容は対 話的にも ( ‘‘’’ 無しに) 指定でき、そして詳細は以下の説 明にあります。

refresh-interval
refresh-value
にスクリーンの更新間隔を秒数で指定しま す。

いくつかの文字は systat を即座に反応させます。そういった文字には以下の物 があります

^L
スクリーンを更新します。

^G
その時点で下のウィンドウに表示されている ‘‘表示内容’’ の名称 と更新間隔を表示します。

:
カーソルをコマンドラインに移動して打ち込まれた入力行をコマン ドとして解釈します。コマンドの入力中は現位置文字消去、単語消 去、行取消の各編集機能が使えます。

以下のコマンドは ‘‘グローバル’’ なコマンドインタプリタによって解釈されま す。

help
指定可能な表示内容をコマンドラインに表示します。

load
過去 1、5、15分間のロードアベレージをコマンドラインに表示しま す。

stop
スクリーンの更新を止めます。

[start] [number]
スクリーンの更新を開始 (継続) します。もし数値で秒数指定の引 数が与えられると更新間隔 (の秒数) として解釈されます。数値の みを与えると更新間隔がその値にセットされます。

quit
systat
を終了します。 (これは q と省略できます。)

指定可能な表示内容には以下があります:

pigs
下のウィンドウに、主記憶を占めプロセッサ利用率が最大のプロセ スを表示します (デフォルトの表示内容です)。ユーザプロセスへの プロセッサの割当が 100% 未満の時は、残りは ‘‘idle’’ プロセス に割り当てられているものと扱います。

icmp
下のウィンドウに、 Internet Control Message Protocol (‘‘ICMP’’) で送受信されたメッセージの統計情報を表示します。ス クリーンの左半分には受信したパケットの情報を表示し、右半分に は送信されたと考えられるパケットの情報を表示します。

表示内容が icmp の場合は 2 つのコマンドが利用できます: modereset です。 mode コマンドは与えられた引数に応じて 4 つの 表示モードから 1 つを選ぶために使います:
rate
:
それぞれの値の変動を秒単位にパケット数で表示しま す (デフォルトです)
delta
:
それぞれの値の変動を更新間隔単位にパケット数で表 示します
since
:
表示が最後にリセットされてからのそれぞれの値の変 動の総計を表示します
absolute
:
各統計の絶対値を表示します

reset コマンドは since モードの基点をリセットします。引数なし の mode コマンドはその時点のモードをコマンドラインに表示しま す。

icmp6
この表示は icmp 表示と似ていますが、IPv6 ICMP の統計情報を表 示します。

ip
IP と UDP の統計情報を表示するという点を除いて icmp と同じで す。

ip6
ip
に似ていますが、 IPv6 の統計情報を表示します。 UDP 統計は 表示しません。

tcp
icmp
に似ていますが、 TCP の統計情報を表示します。

iostat
下のウィンドウに、プロセッサ利用率とディスクのスループットの 統計情報を表示します。プロセッサ利用率の統計情報はユーザモー ド (‘‘user’’)、低いプライオリティで実行されたユーザモードのプ ロセス (‘‘nice’’)、システムモード (‘‘system’’)、割り込みモー ド (‘‘interrupt’’)、アイドル (‘‘idle’’) での総実行時間の棒グ ラフとして表示されます。ディスクのスループットの統計情報とし ては、各ドライブについて、秒あたりのメガバイト数、秒あたりの 平均ディスクトランザクション数、トランザクションあたりの平均 転送キロバイト数が表示されます。この情報は棒グラフまたは下へ スクロールする数値の列で表示されます。棒グラフでの表示がデ フォルトです;

以下のコマンドは表示内容が iostat の場合に特有です; 先頭から の一意に識別可能な文字数だけで指定可能です。

numbers
ディスク I/O の統計情報を数値形式で表示します。値 は下へスクロールする数値の列として表示されます。
bars

ディスク I/O の統計情報を棒グラフ形式で表示します (デフォルト)。
kbpt

トランザクションあたりのキロバイト数の表示を切り 替えます (デフォルトではトランザクションあたりの キロバイトは表示されません)。

swap
カーネルに組み込まれている全スワップ領域について利用状況に関 する情報を表示します。最初の列はパーティションのデバイス名で す。次の列はパーティションの総容量です。 Used の列は それまで に使われた総ブロックを示します; グラフは各パーティションで使 用中の部分の割合を示します。 2 つ以上の使用中のスワップパー ティションがある場合は、合計の行も表示されます。カーネルに組 み込まれているものの、使われていない物は使用不可として表示さ れます。

mbufs
下のウィンドウに、何らかの用途、すなわち、データ、ソケット構 造体等々に確保された mbuf の個数を表示します。

vmstat
画面全体を使って、仮想記憶の利用状況、プロセススケジューリン グ、デバイスからの割り込み、システムの名前変換キャッシュ、 ディスク I/O 等々に関する (やや込み入った) 統計情報の要約を表 示します。

画面の左上の領域にはログインしているユーザ数と過去 1、5、15分 間のロードアベレージが表示されます。この行の下はメモリ利用率 の統計情報です。この表の 1 行目はアクティブなプロセス、つまり 過去 20 秒以内に走行状態だったことのあるプロセスのみのメモリ 利用率を報告します。 2 番目の行は全プロセスのメモリ利用状況を 報告しています。 1 番目の列はプロセスによって要求された物理 ページ数を表示します。 2 番目の列は読みだし専用のテキストペー ジに当てられた物理ページ数を表示します。 3 番目と 4 番目の列 は同じ物に関して仮想ページの情報を表示します。これは全プロセ スが全ページを持つとした時に必要となるページ数を表します。最 後に、最終列はフリーリスト上の物理ページ数を示します。

メモリ情報の下は平均プロセス数のリスト (1 更新期間前からのも の) で、走行可能 (‘r’)、ページ待ち中 (‘p’)、ページング以外の ディスク待ち中 (‘d’)、スリープ状態 (‘s’)、スワップアウトされ ているが実行されるのを待っている状態 (‘w’) です。この行にはコ ンテキストスイッチの平均回数 (‘Csw’)、トラップ (‘Trp’; ページ フォルトを含む)、システムコール (‘Sys’)、割り込み (‘Int’)、 ネットワークソフトウェア割り込み (‘Sof’)、ページフォルト (‘Flt’) も表示します。

このプロセスキューの長さのリストの下は時間の総計をシステム (‘=’ で示されます)、割り込み (‘+’ で示されます)、ユーザ (‘>’ で示されます)、ナイス (‘-’ で示されます)、アイドル (‘ ’ で示 されます) について数値のリストと棒グラフで表した物です。

プロセス情報の下はファイル名変換の統計情報です。これは前の更 新期間中に行われたファイル名から inode 番号への変換の回数、シ ステム全体で共通の変換キャッシュで処理された物の回数と割合、 プロセス毎の変換キャッシュで処理された物の回数と割合を表示し ています。

左下はディスクアクセス状況です。ここでは 1 更新間隔 (デフォル トでは 5 秒) において、転送あたりのキロバイト数、秒あたりの転 送回数、秒あたりの転送メガバイト数、ディスクがビジーであった 時間のパーセンテージを報告します。システムは、ほぼすべてのス トレージデバイスの統計情報を保持します。一般的には、7 個まで のデバイスが表示されます。表示されるデバイスは、デフォルトで はカーネルのデバイスリストの先頭にあるものです。 devstat シス テムの詳細については、 devstat(3) および devstat(9) を参照し てください。

右上の日時の下はページングとスワップの稼働状況です。最初の 2 列は、1 更新間隔の間にページフォルトとページデーモンによっ て、読み込まれたページ数と掃き出されたページ数の 1 秒あたりの 平均を報告します。 3 番目と 4 番目の列は、1 更新間隔の間にス ケジューラによって発行されたスワップ要求により読み込まれた ページ数と掃き出されたページ数の 1 秒あたりの平均を報告しま す。この情報の 1 行目は 1 更新間隔での秒あたりの平均ディスク 転送回数を示します; この情報の 2 行目は 1 更新間隔での秒あた りの平均転送ページ数を示します。

ページングの統計情報の下は仮想記憶システムの以下の項目の平均 数を表示する列です。それぞれ、書き込み時にコピーが行われた ページ数 (‘cow’)、要求時 0 クリアが行われたページ数 (‘zfod’)、ページング対象から外され、固定されているページ数 (‘wire’)、遅い (オンザフライの) 0 フィルの割合 (‘%slo-z’)、最 近参照されたページ数 (‘act’)、ページングの候補になっている ページ数 (‘inact’)、バッファキャッシュキューにあるページ数 (‘cache’)、フリーページ数 (‘free’)、ページデーモンが解放した ページ数 (‘daefr’)、プロセスが終了した事によって解放された ページ数 (‘prcfr’)、フリーリストから再有効化されたページ数 (‘react’)、ページデーモンが起こされた回数 (‘pdwak’)、ページ デーモンが調べたページ数 (‘pdpgs’)、読み込み途中でページフォ ルトがブロックされた回数 (‘intrn’) の 1 更新間隔での秒あたり の平均値です。

この列のいちばん下は、以下の用途に使われているメモリの総量を それぞれについてキロバイト単位で示しています。バッファキャッ シュのために使われている分 (‘buf’)、バッファキャッシュ中の ダーティバッファ数 (‘dirtybuf’)、 vnode キャッシュの望まれる 最大サイズ (‘desiredvnodes’) (ネームキャッシュのサイズまでを 除くと、大部分は未使用)、実際に確保された vnode 数 (‘numvnodes’)、確保された vnode でフリーな物の数 (‘freevnodes’)

画面の右下はシステムによって処理された割り込みの詳細です。リ ストのトップは更新期間中の秒あたりの総割り込み数です。列の残 りの部分は総割り込み数のデバイス毎の詳細です。ブートしてから 少なくとも 1 回は割り込みを発生したデバイスについてのみ表示さ れます。

以下のコマンドは表示内容が vmstat の場合に特有です; 先頭から の一意に識別可能な文字数だけで指定可能です。

boot
システムがブートしてからの累積の統計情報を表示 します。
run

このコマンドが与えられてからの走行中のトータル として統計情報を表示します。
time

更新期間の平均で統計情報を表示します (デフォル ト)。
want_fd

fd デバイスのディスク使用状況を表示するか否かを 切り替えます。
zero

走行中の統計情報を 0 にリセットします。

netstat
下のウィンドウにネットワーク接続状況を表示します。デフォルト では、リクエストを待っているネットワークサーバは表示されませ ん。各アドレスは ‘‘host.port’’ のフォーマットで、可能であれば シンボルで表示されます。アドレスを数字で表示することや、ポー ト、ホスト、プロトコルの表示を制限することが可能です。 (先頭 からの一意に識別可能な文字数だけで指定可能です):

all
リクエストを待っているサーバプロセスの表示を切 り替えます (これは netstat(1)−a フラグと等 価です)。
numbers

ネットワークアドレスを数字で表示します。
names

ネットワークアドレスをシンボルで表示します。
proto
protocol
protocol
で指定されたプロトコルを使っているネッ トワークコネクションのみを表示します (サポート しているプロトコルは ‘‘tcp’’,‘‘udp’’,‘‘all’’)。
ignore
[items]
指定されたホストまたはポートとの接続に関する情 報を表示しません。ホストとポートは名前 (‘‘vangogh’’ や ‘‘ftp’’)、または数字で指定でき ます。ホストのアドレスはインターネットのドット 表記を使用します (‘‘128.32.0.9’’)。空白で区切っ て 1 つのコマンドに複数の指定が可能です。
display
[items]
指定されたホストまたはポートとの接続に関する情 報を表示します。 ignore と同様に、 [items] は名 前または数字が使用可能です。
show
[ports|hosts]
コマンドラインに、その時点で選択されているプロ トコル、ホスト、ポートを表示します。無視される ホストとポートには ‘!’ を前置します。もし portshostsshow の引数として与えられると、指定 された情報だけが表示されます。
reset

ポート、ホスト、プロトコルの選択メカニズムをデ フォルト (あらゆるプロトコル、ポート、ホスト) の状態にリセットします。

ifstat
システムのアクティブインタフェースを通過するネットワークトラ フィックを表示します。アイドルインタフェースは、トラフィック を受信するまでは表示されません。

表示される各インタフェースごとに、現在・ピーク・合計の統計情 報が、入力および出力のトラフィックに対して表示されます。デ フォルトでは、人が読める書式になるように、 ifstat 表示は使用 単位を自動的に変えます。現在およびピークトラフィックのスケー ル単位は、 scale コマンドで変更可能です。

scale [units]
すべてのインタフェースにおける現在およびピーク トラフィックの表示に使用するスケールを変更しま す。次の単位が認識されます: kbit, kbyte, mbit, mbyte, gbit, gbyte, auto。

表示内容の切り替えコマンドは先頭からの一意に識別可能な文字数に短縮できま す; 例えば ‘‘iostat’’ は ‘‘io’’ と省略できます。画面サイズが表示内容に不 十分な時は情報が捨てられる可能性があります。例えば、10 台のドライブがある マシンでは iostat の棒グラフは 24 行の端末では 3 ドライブ分しか表示しませ ん。棒グラフが割り当てられた画面のスペースに収まらない時は切り詰められて 実際の値は棒の ‘‘先端部分’’ に表示されます。

以下のコマンドはディスクドライブに関する情報を表示する物に共通です。これ らのコマンドは、あなたのシステムに、通常画面に表示しきれない数のドライブ がある場合に、情報を表示するドライブのセットを選択するために使うためのも のです。

ignore [drives]
指定されたドライブに関する情報を表示しません。複数のドライ ブを空白で区切って指定できます。
display
[drives]
指定されたドライブに関する情報を表示します。複数のドライブ を空白で区切って指定できます。
only
[drives]
指定されたデバイスのみ表示します。複数のデバイスを指定可能 であり、その場合空白で区切ります。
drives

使用可能なデバイスのリストを表示します。
match

type
,if,pass [| ...]
指定したパターンにマッチするデバイスを表示します。基本マッ チング式は、 iostat(8) で使用するものと同じですが、1 点のみ 異なります。それぞれが OR される複数の −t 引数を指定する代 りに、複数のマッチング式をパイプ (‘|’) 文字で結合して指定し ます。それぞれのマッチング式中でコンマで区切られた引数に関 してそれぞれ AND がとられてから、パイプで区切られたマッチン グ式に関してそれぞれ OR がとられます。組み合わせ式に対して マッチするデバイスは、表示する余地があれば表示されます。例:

match da,scsi | cd,ide

これは、全 SCSI ダイレクトアクセスデバイスと、全 IDE CDROM デバイスを表示します。

match da | sa | cd,pass

これは、全ダイレクトアクセスデバイス、全シーケンシャルアク セスデバイス、そして CDROM へのアクセスを提供する全パスス ルーデバイスを表示します。

関連項目

netstat(1), kvm(3), icmp(4), icmp6(4), ip(4), ip6(4), tcp(4), udp(4), iostat(8), vmstat(8)

関連ファイル

       /boot/kernel/kernel

ネームリストを読み出します。
/dev/kmem
主記憶の情報を取ります。
/etc/hosts
ホスト名をひきます。
/etc/networks
ネットワーク名をひきます。
/etc/services
ポート名をひきます。

歴史

systat プログラムは 4.3BSD に初めて登場しました。 icmp, ip, tcp の表示は FreeBSD 3.0 に初めて登場しました; ICMP, IP, TCP, UDP の統計情報のために別 の表示モードを用意するという考え方は、 Silicon Graphics の IRIX システム の netstat(1)−C オプションから借用しました。

バグ

表示内容によっては 1 行に最低で 80 文字が表示できる事を想定しています。 vmstat は表示領域が足りないようです。なぜなら (訳注: 原文が切れています) (新規のプログラムとしてではなく独立した表示画面として追加されました)。

日本語訳

野首 寛高(hnokubi@yyy.or.jp): FreeBSD 用に翻訳

FreeBSD 10.0 September 9, 1997 FreeBSD 10.0

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