"yes" にすると、amd
のトップレベルのマウントポイントが readdir(3)
呼び出しでブラウズ可能になります。つまり、例えば ls(1)
を実行するこ
とでそのディレクトリでどんなキーがマウント可能か知ることができるよ
うになります。必ずしもすべてのエントリが readdir(3)
に対して見える ようになるわけではありません。
"/default" エントリやワイルドカード
エントリ、さらに "/"
を含むエントリは見えるようになりません。もしこ
のオプションに対して "full" を指定すれば、
"/default" 以外はすべて
見えるようになります。注意: もし "ls -l" や
"ls -F" のような stat(2)
を行おうとするコマンドを走らせると、 amd
はそのマップ中の
すべてのエントリをマウントしようとします。これはよく
mount storm と 呼ばれます。
map_options
(文字列、デフォルト = オプションなし)
このオプションは、例えば ‘cache:=all’ のように、
amd のコマンドライ
ンでマップオプションを指定するのと同じ働きをします。
map_type
(文字列、デフォルト = 全マップタイプを検索)
このオプションが指定されると、amd
は指定されたタイプに対するマップ のみ初期化します。
amd のデフォルトのマップ検索は時間がかかるうえ、
使っていなくても NIS
を初期化してしまうといった望まない副作用を持つ
ことがありますが、そのような事態を避けるのにこのオプションが有効で
す。指定可能な値は以下のものです。
file
通常ファイル
hesiod
MIT の hesiod ネームサービス
ldap
軽量ディレクトリアクセスプロトコル
ndbm
(新しい) dbm 形式のハッシュファイル
nis
ネットワークインフォメーションサービス (バージョン 2)
nisplus
ネットワークインフォメーションサービス プラス (バージョン
3)
passwd
ローカルのパスワードファイル
union
ユニオンマップ
mount_type
(文字列、デフォルト = nfs)
amd のすべてのマウントタイプで、 NFS
が必須です。つまり、実行してい るローカルホストに対して、
amd はマップのマウントポイントにおける NFS
サーバとなります。もし "autofs" を指定すると、amd
はエラーを記 録し、 NFS に変換します。
search_path
(文字列、デフォルト = サーチパスなし)
ファイルマップに対するサーチパスを (コロンで区切った形式で)
指定し
ます。サーチパスを用いることで、各サイトはローカルなマップのカスタ
マイズや上書きが可能になり、必要に応じていくつかの場所にマップを分
散配置させることができます。
グローバルセクションにのみ適用されるパラメータ
arch
(文字列、デフォルト = コンパイル時の値)
amd の変数 arch の値を上書きできます。
auto_dir
(文字列、デフォルト = /a)
amd の −a
オプションと同じです。実際のマウントポイント用に amd がサ
ブディレクトリを作成するプライベートディレクトリを設定します。
cache_duration
(数値、デフォルト = 300)
amd の −c
オプションと同じです。検索されたマップエントリがキャッ
シュ中に残る秒数を設定します。
cluster
(文字列、デフォルト = クラスタなし)
amd の −C
オプションと同じです。使用する、別の HP-UX クラスタを指定
します。
debug_options
(文字列、デフォルト = デバッグオプションなし)
amd の −D オプションと同じです。 amd
のデバッグオプションを指定しま す。 am-utils が
−-enable-debug
を用いてデバッグ機能付きで構築され ている場合のみ有効です。
"mem" オプションを含めすべてのオプション が、
−-enable-debug=mem
のようにしてオンにできます。これら以外の場
合、デバッグオプションは無視されます。オプションはコンマで区切りま
す。先頭に文字列 "no"
を付けることでその意味を反転できます。サポー
トされているデバッグオプション一覧を得るには amd
−v を実行して下さ
い。取りうる値は以下の通りです。
all
全オプション
amq
amq(8) に登録する
daemon
デーモンモードに移行する
fork
サーバを fork する
full
プログラムトレース
info
info サービスに固有のデバッグ情報 (hesiod, nis など)
mem
メモリアロケーションをトレースする
mtab
ローカルの ./mtab ファイルを用いる
str
文字列操作のデバッグ
test
完全なデバッグモードだがデーモンにしない
trace
プロトコルのトレース
dismount_interval
(数値、デフォルト = 120)
amd の −w
オプションと同じです。キャッシュ期間を超えたファイルシス
テムのマウントを外そうとするまでの時間を秒単位で指定します。
fully_qualified_hosts
(文字列、デフォルト = no)
"yes" に設定すると、 amd は完全なホスト名
(fully-qualified host name) を用いて RPC
認証を行います。システムによってはこの仕組みが必
要です。特にドメインにまたがるマウントを行う場合に必要となります。
この機能を有効にするため、 amd の変数 ${hostd}
が用いられます。 ${domain}
は空であってはいけません。
hesiod_base
(文字列、デフォルト = automount)
hesiod マップのためのベース名を指定します。
karch
(文字列、デフォルト =
システムのカーネルアーキテクチャ)
amd の −k
オプションと同じです。システムのカーネルアーキテクチャを
上書き指定できます。例えば Sun (Sparc)
マシンに便利です。この場合、 一つの amd
バイナリを作成し、それを複数のマシンで走らせますが、それ
ぞれに正しい karch 変数 (例えば sun4c, sun4m, sun4u
など) を設定し たいと思うでしょう。注意:
もしこのオプションを指定しなければ、 amd は uname(3)
を用いてそのマシンのカーネルアーキテクチャを判別しま
す。
ldap_base
(文字列、デフォルト = 未設定)
LDAP のためのベース名を指定します。
ldap_cache_maxmem
(数値、デフォルト = 131072)
LDAP エントリをキャッシュするために amd
が使用する最大メモリ量を指 定します。
ldap_cache_seconds
(数値、デフォルト = 0)
エントリをキャッシュに保持する秒数を指定します。
ldap_hostports
(文字列、デフォルト = 未設定)
LDAP のホストおよびポート値を指定します。
local_domain
(文字列、デフォルト = サブドメインなし)
amd の −d
オプションと同じです。ローカルのドメイン名を指定します。
このオプションが与えられない場合、完全なホスト名から最初の要素を取
り除くことでドメイン名を決定します。
log_file
(文字列、デフォルト =/dev/stderr)
amd の −l オプションと同じです。 amd
のイベントログを記録するファイ ル名を指定します。文字列
/dev/stderr を指定すると、 amd はイベント
を標準エラー出力ファイル記述子に送ります。もし文字列
syslog を指定 すると、 amd
はシステムログ記録機構 syslogd(8) を用いてイベントを記
録します。デフォルトで用いられる syslog ファシリティは
LOG_DAEMON
です。これを変更するには、ログファイル名に続いて、単一のコロンで区
切ってファシリティ名を記述します。例えば logfile
として文字列 "syslog:local7" を指定すると、
amd は LOG_LOCAL7 ファシリティを用い て syslog(3)
経由でメッセージを記録します (そのファシリティが当該シ
ステムに存在する場合)。
log_options
(文字列、デフォルト = ロギングオプションなし)
amd の −x オプションと同じです。 amd
のロギングオプションを指定しま
す。複数のオプションはコンマで区切ります。先頭に
‘‘no’’ をつけるこ
とで、その意味を反転させることができます。ロギングオプション
‘‘debug’’ は、 am-utils が
−-enable-debug 付きで構築された場合のみ
利用可能です。 amd −H
を実行するとサポートされているデバッグオプ
ションとロギングオプションの一覧が得られます。指定可能な値は以下の
通りです。
all
すべてのメッセージ
debug
デバッグメッセージ
error
重大ではないシステムエラー
fatal
重大なエラー
info
参考情報
map
マップエラー
stats
より詳細な統計情報
user
重大ではないユーザエラー
warn
警告
warning
警告
nfs_proto
(文字列、デフォルト = まず tcp、次に udp)
デフォルトでは、 amd は TCP を試行し、その次に UDP
を試行します。こ のオプションを使用すると、すべての NFS
プロトコルに TCP または UDP を強制します。これは amd maps
中の設定に優先します。 amd が NFSv3
サポート付きでコンパイルされているが不安定な場合に有用でしょう。こ
のオプションを使用することで、 NFSv3
サポートが再度必要となるような 時まで、動的に (amd
を再コンパイルすることなく) NFSv3 の使用を完全
に止められます。
nfs_retransmit_counter
(数値、デフォルト = 110)
amd の −t interval.counter
オプションの counter 部と同じです。再送
カウンタの値を 1/10 秒単位で指定します。
nfs_retry_interval
(数値、デフォルト = 8)
amd の −t interval.counter
オプションの interval 部と同じです。 NFS/RPC の再試行
(UDP のみ) の間の NFS タイムアウトインターバルを 1/10
秒単位で指定します。この値は、カーネルが amd
との通信に使用し ます。
amd は、カーネルの RPC
再送信機構がマウントの再試行を引き起こすこと
に依存しています。 nfs_retransmit_counter および
nfs_retry_interval
の値は、システム全体の再試行インターバルを変更します。インターバル
が長過ぎると、対話的な応答性が落ちます。インターバルが短か過ぎる
と、リトライ回数が多くなり過ぎます。
nfs_allow_insecure_port
(文字列、デフォルト = no)
通常 amd は、非特権ポート (Unix システムでは 1024
以上のポート) か
らの要求を拒否し、特権を持つユーザとカーネルのみが NFS
要求を送出で きるようにします。しかし、いくつかのカーネル
(あるバージョンの Darwin, MacOS X, Linux)
には、ある特定の状況において非特権ポートを
使用するバグがあり、これによって amd
は直ちに停止してしまいます。こ
のパラメータによって、多少セキュリティを犠牲にすることで、そのよう
なシステム上でも amd を正常に動作させることができます。 amd
のログ に "ignoring request from foo:1234, port not
reserved" のようなメッ
セージがあった場合、このパラメータを有効にして、もう一度試してみて
ください。
nfs_vers
(数値、デフォルト = まずバージョン 3、次に 2)
デフォルトでは、 amd はバージョン 3
を試行し、それからバージョン 2
を試行します。このオプションを使用すると、すべての NFS
プロトコルに 3 または 2 を強制します。これは amd maps
中の設定に優先します。 amd が NFSv3
サポート付きでコンパイルされているが不安定な場合に有用で
しょう。このオプションを使用することで、 NFSv3
サポートが再度必要と なるような時まで、動的に (amd
を再コンパイルすることなく) NFSv3 の
使用を完全に止められます。
nis_domain
(文字列、デフォルト = ローカル NIS ドメイン名)
amd の −y オプションと同じです。 NIS
マップを取得するために、別の NIS
ドメインを指定します。デフォルトはシステムのドメイン名です。
NIS
サポートが利用可能でない場合、このオプションは無視されます。
normalize_hostnames
(ブール値、デフォルト = no)
amd の −n オプションと同じです。
‘‘yes’’ を指定すると、
${rhost} の
参照先の名前は、前もってホストデータベースからの相対値に正規化され
ます。別名 (エイリアス) を "公式な"
名前に変換する効果があります。
os
(文字列、デフォルト = コンパイル時の値)
amd の −O
オプションと同じです。コンパイル時に決まったオペレーティ
ングシステム名を上書きできます。以前との互換性を保つためには組み込
み済みの名前はふさわしくない、という場合に便利です。例えば、もし組
み込まれた名前が ‘‘sunos5’’
の場合、これを上書きして ‘‘sos5’’
とす ることで、後者の OS
名を前提に書かれた以前のマップを利用できます。
osver
(文字列、デフォルト = コンパイル時の値)
amd の −o
オプションと同じです。コンパイル時に決まったオペレーティ
ングシステムのバージョン番号を上書きします。以前との互換性を保つた
めには組み込み済みのバージョンはふさわしくない、という場合に便利で
す。例えば、もし組み込まれたバージョン番号が
‘‘2.5.1’’ の場合、これ を上書きして
‘‘5.5.1’’
とすることで、後者のバージョンを前提に書かれ
た以前のマップを利用できます。
pid_file
(文字列、デフォルト =/dev/stdout)
実行しているデーモンのプロセス ID
を格納するファイルを指定します。 これを指定しない場合、
amd は自分のプロセス ID を標準出力にのみ書き
出します。実行後に amd を kill
する際に便利です。注意: 実行中の amd のプロセス ID は
amq −p によっても得られます。このファイルは
print_pid
オプションがオンの場合のみ使用されます。
plock
(ブール値、デフォルト = yes)
amd の −S オプションと同じです。
‘‘yes’’ を指定すると、実行中の
amd の実行可能ページをメモリ上にロックします。
plock(3) をサポートして いるシステムでは、 amd
プロセスをメモリ上にロックできます。このよう
にして、オペレーティングシステムが必要に応じて amd
プロセスをスケ
ジュールしたり、ページアウトさせたり、スワップさせたりする可能性を
減らします。これにより amd
の性能は向上しますが、その反面、 amd プ
ロセスが使用しているメモリが予約される
(他のプロセスがそのメモリを 使えなくなる)
という代償もあります。
portmap_program
(数値、デフォルト = 300019)
公式の番号とは別の、ポートマップ RPC
プログラム番号を指定します。こ れは複数の amd
プロセスを実行させる場合に便利です。例えば、メインの
amd プロセスに全く影響を与えることなく、別の
amd を ‘‘test’’ モード
で実行できます。安全のため、指定する別のプログラム番号は
300019 か ら 300029 までの範囲になければなりません。
amq は、接続するための別
のプログラム番号を指定するのに用いる −P
オプションを持っています。 このように、 amq
は同じホスト上で実行されている複数の amd プロセス
を完全に制御することが可能です。
print_pid
(ブール値、デフォルト = no)
amd の −p オプションと同じです。
‘‘yes’’ を指定すると、 amd
は起動 時にそのプロセス ID を表示します。
print_version
(ブール値、デフォルト = no)
amd の −v
オプションと同じですが、バージョンを表示しても amd
は実行 を続けます。 ‘‘yes’’ の場合、
amd は、コンフィギュレーション設定や
コンパイル時の値を含むバージョン情報文字列を表示します。
restart_mounts
(ブール値、デフォルト = no)
amd の −r オプションと同じです。
‘‘yes’’ とすると、 amd
はマウント
テーブルを走査して、現在どのファイルシステムがマウントされているの
か判断します。その中に自動マウントすべきファイルシステムがあれば、
amd はそれを継承します。
selectors_on_default
(ブール値、デフォルト = no)
‘‘yes’’ とすると、マップの
/default エントリが検索され、そのマップ
中の他のすべてのキーのデフォルト値を設定する前に、すべてのセレクタ
を処理します。あるパラメータに基づき、ある完全なマップに対して異な
るオプションを設定したい場合に有用です。例えば、slip
ベースの低速 ネットワーク越しの NFS
性能を改善するためには、次のようにします。
/defaults \
wire==slip-net;opts:=intr,rsize=1024,wsize=1024 \
wire!=slip-net;opts:=intr,rsize=8192,wsize=8192
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