WINDOW(1) FreeBSD 一般コマンドマニュアル WINDOW(1)
名称
window − ウィンドウ環境を実現します |
書式
window [−t] [−f] [−d] [−e escape-char] [−c command] |
解説 |
window ユーティリティは、 ASCII 端末上でのウィンドウ環境を実装したもので す。 ウィンドウとは物理的な端末スクリーンの中の部分的な長方形部分を指し、ここ をプロセスの集合が利用します。その大きさと位置はユーザがいつでも変更でき ます。プロセスは通常に端末と通信するのと同じ方法、つまり標準入力、標準出 力、標準エラー出力を通して、そのウィンドウと通信します。ウィンドウプログ ラムはそのウィンドウに対する入力と出力のリダイレクトに関する細かい処理を 行います。どんな時でも、 一つのウィンドウだけがキーボードからの入力を受け ることが出来ますが、全てのウィンドウが同時にディスプレイへの出力を送るこ とが可能です。 window が立ち上がった時、ユーザのホームディレクトリにある .windowrc 内の コマンドが実行されます (以下のロングコマンドを参照)。もしこのファイルが存 在しない時は、デフォルトとして同じ大きさのウィンドウが二つ作成されます。 コマンドラインオプションには以下のものがあります。 |
−t
terse モードをオンにします (以下の terse コマンドを参照)。 −f −d −e escape-char −c command ウィンドウはオーバラップ可能で、枠が必要です。各ウィンドウには、‘‘1’’ か ら ‘‘9’’ の数字のうちの一つの名前が付いています。この一文字の識別子は、 ユーザが定義できるラベル文字と同じように、ウィンドウのフレームの上の辺に 表示されます。ウィンドウは フォアグラウンドにあるように設計されています。 フォアグラウンドウィンドウは、普通の他のフォアグラウンドではないウィンド ウよりもつねに上にあります。このウィンドウより上になるのは、他のフォアグ ラウンドウィンドウだけです。ウィンドウは、端末画面の辺内に完全に入ってい る必要はありません。したがって、(画面よりも大きくても良い) 大きいウィンド ウは、その全画面の一部分だけが表示されるでしょう。 各ウィンドウは、カーソルと制御機能を持っています。インテリジェント端末の 大抵の動作、すなわち行や文字の消去や挿入が提供されています。下線を引いた り反転表示等のディスプレイモードは、端末によって提供されている場合には、 利用可能です。更に、複数ページ分のメモリがある端末と同じように、各ウィン ドウはウィンドウ画面に表示されるよりも多くの行を保持できるテキストバッ ファを持っています。 プロセス環境 操作 window のエスケープ文字 (通常は、 ^P です) を入力することで、会話モードか らコマンドモードへ移行します。コマンドモードでは、端末画面の一番上の行は コマンドプロンプトウィンドウに変わり、 window はキーボードからの入力を ウィンドウを操作するコマンドであると解釈します。 二つの種類のコマンドがあります。ショートコマンドは普通一文字ないし二文字 から構成されます。ロングコマンドはコマンドウィンドウ (以下の ‘‘:’’ コマン ドを参照) で入力される文字列もしくは、ファイル (以下の source 参照) から 読み込まれます。 ショートコマンド # %# ^^ escape ^P ? ^L q ^Z w このウィンドウはカレントウィンドウになります。そして、最初に利用 可能な ID が与えられます。また、デフォルトのバッファサイズが使わ れます (以下の default_nline コマンドを参照)。 完全に見ることのできるウィンドウだけがこの方法で作成できます。 c# m# M# s# S# ^Y ^E ^U ^D ^B ^F h j k l y p ^S ^Q : ロングコマンド 二つのデータ型があります。文字列と数字です。文字列は、レターで始まる、レ ターや数字の列です。 ‘‘_’’ と ‘‘.’’ はレターとみなします。別の方法とし て、アルファベットや数字に含まれない文字を ‘‘"’’で括るか、‘‘\’’でエスケー プすることで、文字列に含めることもできます。更に、 C言語で提供されている ‘‘\’’ シーケンスがクォートの内外で利用可能です (例えば、 ‘‘\n’’ は改行 を、‘‘\r’’ はキャリッジリターンを表現します)。以下の例は規則にあった文字 列です。 abcde01234, "&#$^*&#", ab"$#"cd, ab\$\#cd, "/usr/ucb/window" 数字は、以下の三つの形式のうちの一つの整数値です。 10 進数・‘‘0’’ に続い て表現される 8 進数・‘‘0x’’ もしくは ‘‘0X’’ に続いて表現される 16 進数で す。機械にとって自然な整数サイズが使われます (つまり、 Cコンパイラの符号 付き整数型です)。 C 言語と同じように、非 0 の表現が論理的な真をあらわしま す。 文字 ‘‘#’’ は、行末までのコメントの始まりを表現します。 文は条件式もしくは式です。式文は改行もしくは ‘‘;’’ で終りになります。式を 次の行に継続するためには、最初の行を ‘‘\’’ で終らせます。 条件文 if <expr> then else や elsif 部分はオプションです。 elsif は、必要なだけ繰り返して利用す ることができます。 <expr> は数値である必要が有ります。 |
式 |
window における式は、C 言語中のものと似ており、ほとんどの C の演算子が数 値オペランドとして提供されています。更に、いくつかの演算子は、文字列を操 作するために拡張されています。 ある式が文として使われている時、その値は評価の後で捨てられます。したがっ て、(代入や関数呼び出しの様な) 副作用を持った式のみが文として有用です。 (配列でない) 一つの値の変数が、数値と文字列に対して提供されています。いく つかの変数は、あらかじめ定義されています。これらは後に示してあります。 優先順序が増加していくように、演算子を以下に示します。 |
〈expr1〉 = 〈expr2〉
代入です。名前が 〈expr1〉 で文字列を値として持つ変数に、 〈expr2〉 の結果が代入されます。 〈expr2〉 の値を返します。 〈expr1〉 ? 〈expr2〉 :
〈expr3〉 〈expr1〉 ||
〈expr2〉 〈expr1〉 &&
〈expr2〉 〈expr1〉 |
〈expr2〉 〈expr1〉 ^
〈expr2〉 〈expr1〉 &
〈expr2〉 〈expr1〉 ==
〈expr2〉, 〈expr1〉 !=
〈expr2〉 〈expr1〉 <
〈expr2〉, 〈expr1〉
> 〈expr2〉,
〈expr1〉 <=
〈expr2〉, 〈expr1〉
>= 〈expr2〉 〈expr1〉 <<
〈expr2〉, 〈expr1〉
>> 〈expr2〉 〈expr1〉 +
〈expr2〉, 〈expr1〉 -
〈expr2〉 〈expr1〉 *
〈expr2〉, 〈expr1〉 /
〈expr2〉, 〈expr1〉 %
〈expr2〉 −〈expr〉,
~〈expr〉,
!〈expr〉,
$〈expr〉,
$?〈expr〉 〈 <expr1>, <expr2>, ... 実際、両方の形式はお互い混ぜて使うことができますが、その結果 は予想できません。ほとんどの引数は省略可能です。デフォルトの 値がそれらに対しては適用されます。 argnames は、引数名を区別 できる範囲でのプレフィックスとすることができます。引数を分離 するコンマは、曖昧さを避けるためだけに用いられ、通常は省略で きます。 最初の引数の形式は、ユーザ定義別名のために有効です。別名は、 alias 組み込み関数を使うことで定義されます(以下参照)。引数 は、変数機能の変種を使ってアクセスされます (前述の ‘‘$’’ 演算 子を参照)。 ほとんどの関数は値を返しますが、いくつかは副作用のためだけに 使われるため文として使われなければなりません。関数や別名が文 として使われた時、引数リストを囲むカッコは省略可能です。別名 は値を返しません。 |
組み込み関数 |
引数は自然な順番で名前で並べられます。オプション引数は、四角カッコ ‘[]’ で囲みます。名前の無い引数は、山カッコ ‘<>’ 内に書きます。ブール値のフラ グを意味する引数 (しばしば flag という名前を付けられます) は、意味が明ら かである on, off, yes, no, true, false, の内の一つの値をもつか、数値表現 においては非 0 の値が真となります。 |
alias( [〈string〉], [〈string−list〉])
引数が与えられない場合は、全ての現在定義されている別名マクロ が表示されます。そうでない場合、 〈string〉 が表現 〈string−list〉 の別名として定義されます。もし存在すれば、以前 の 〈string〉 の定義が返されます。デフォルトでは、 〈string−list〉 は変更されません。 close(〈window−list〉) cursormodes([modes]) default_nline([nline]) default_shell([〈string−list〉]) default_smooth([flag]) echo([window],
[〈string−list〉]) escape([escapec]) foreground([window], [flag]) label([window], [label]) list() select([window]) source(filename) terse([flag]) unalias(alias) unset(variable) variables() window([row], [column],
[nrow], [ncol], [nline],
[label], [pty], [frame],
[mapnl], [keepopen], [smooth],
[shell]). write([window],
[〈string−list〉]) 定義済み変数 baud modes m_blk m_grp m_rev m_ul ncol nrow term 環境変数 |
window ユーティリティは、以下のような環境変数を利用します。 HOME, SHELL, TERM, TERMCAP, WINDOW_ID |
関連ファイル
~/.windowrc
スタートアップコマンドファイル 歴史 |
window コマンドは、 4.3BSD から導入されました。 |
診断
自己説明的な診断メッセージになっています。 FreeBSD 10.0 December 30, 1993 FreeBSD 10.0 |