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MOUNT_NFS(8) FreeBSD システム管理者マニュアル MOUNT_NFS(8)

名称

mount_nfs − NFS (ネットワークファイルシステム) をマウントする

書式

mount_nfs [−23NPTUbcdiLls] [−D deadthresh] [−I readdirsize] [−R retrycnt] [−a maxreadahead] [−g maxgroups] [−o options] [−r readsize] [−t timeout] [−w writesize] [−x retrans] rhost:path node

解説

mount_nfs ユーティリティは、ファイルシステムツリー上の指定された node に リモートの NFS ファイルシステム (rhost:path) をマウントするために、 mount(2) システムコールを呼び出します。このコマンドは通常、 mount(8) に よって実行されます。このプログラムは、RFC 1094 の Appendix. A および NFS: Network File System Version 3 Protocol Specification, Appendix I. に記述 されているマウントプロトコルを実装しています。

デフォルトでは、マウントが成功するまで、 mount_nfs はリトライを続けます。 この動作は、 fstab(5) に列挙された、ブート処理に必須なファイルシステムで の使用を意図しています。必須ではないファイルシステムには、 −b および −R のフラグを使用して、サーバが利用不可の場合でもブート処理がハングしないよ うにできます。

NFS ファイルシステムのマウント中にサーバが応答しなくなった場合、当該ファ イルシステム上の新規または未解決のファイル処理は、サーバが回復するまで、 割り込まれることなくハングします。このデフォルトの動作を修正するには、 −i−s のフラグを見てください。

オプションを以下に示します:

       −2

NFS バージョン 2 プロトコルを使用します (デフォルトはバージョン 3 をまず試した後にバージョン 2 を用います)。 NFS バージョン 2 で は、ファイルサイズは 2 ギガバイトに制限されることに注意してくださ い。

−3
NFS バージョン 3 プロトコルを使用します。

−D
NQNFSにおいて ‘‘停止サーバ閾 (dead server threshold)’’ をタイムア ウト (round trip timeout) 回数で指定します。これを越えると ‘‘server not responding’’ メッセージが表示されます。

−I
readdir での読み取りサイズを指定した値にします。値は通常 DIRBLKSIZ の倍数であり、マウントの読み取りサイズ以下です。

−L
fcntl(2) ロックをネットワーク転送しません。すべてのロックはローカ ルとなり、サーバおよび他の NFS クライアントには見えなくなります。 これにより rpcbind(8) サービスを実行する必要がなくなり、 rpc.statd(8)rpc.lockd(8) のサーバをクライアント上で実行する必 要がなくなります。本オプションは最初のマウント実行時にのみ尊重さ れ、マウントオプション更新時には黙って無視されます。

−N
予約されたソケットポート番号を使用し ません (後述)。

−P
予約されたソケットポート番号を使います。このフラグは廃れたもので あり、互換性のためだけにあります。現在、予約されたソケットポート 番号をデフォルトで使用します。 (クライアントの root が信頼でき、 ネットワークケーブルも安全な場所にあるが、クライアントのユーザは 信頼できないという、まれな場合には役に立つでしょうが、通常のデス クトップクライアントには当てはまりません。)

−R
マウントのリトライ回数を、指定された値にします。デフォルトのリト ライ数は 0 であり、これは永遠にリトライを続けることを意味します。 各リトライの間隔は 60 秒です。

−T
UDP の代わりに TCP を使います。これは、サーバがクライアントと同じ LAN ケーブル上にない場合に使うことをお勧めします (注意: この機能 は大抵の非 BSD サーバではサポートされていません)。

−U
TCP NFS マウントであっても、マウントプロトコルに UDP を強制しま す。 (古い BSD サーバにて必要です。)

−a
先読みブロック数を指定した値に設定します。値は 0 から 4 までの範 囲で、サイズの大きなファイルをシーケンシャルに読む場合、何ブロッ ク先読みするかを決定します。帯域幅 × 遅延が大きな状況でマウントす る場合に 1 より大きな値をお勧めします。

−b
最初にサーバの接続に失敗した場合、子プロセスを起動して、バックグ ラウンドでマウントを続けようとします。マルチユーザモードで起動す る際、重要でないファイルシステムを fstab(5) に書いておく場合に役 に立ちます。

−c
UDP マウントポイントに対しては、 connect(2) を使いません。これ は、標準のポート番号 2049 からのリクエストに答えないサーバや別の IP アドレスからリクエストに答えるサーバ (サーバがマルチホームの場 合に発生し得ます) vfs.nfs.nfs_ip_paranoia sysctl を 0 に設定する と、本オプションがデフォルトになります。に対しては使う必要があり ます。

−d
再送タイムアウト時間を動的に予測しません。これは、動的に予測され る再送タイムアウト時間が非常に短いために、 UDP マウントが高いリト ライレートを示しているような場合に有効です。

−g
認証用のグループリストの最大サイズを、指定した値に設定します。 RFC 1057 ではグループリストのサイズは 16 と記述されていますが、こ れを扱えない古いサーバをマウントするときに使うべきです。多くのグ ループに属しているユーザに対してマウントポイントから応答がない場 合は、8 を指定してみて下さい。

−i
マウントを割り込み可能とします。これは、応答しないサーバがあるた めにファイル関連のシステムコールが遅れるような場合、プロセスに終 了シグナルが送られると、EINTR でシステムコールが失敗することを意 味します。

−l
NQNFS と NFSV3 において、Readdir_and_Lookup RPCを使うことを指定し ます。このオプションは ‘‘ls -l’’ するようなときに RPC のトラ フィックを減らしますが、属性と名前のキャッシュをプリフェッチエン トリで溢れさせる傾向があります。このオプションを指定して性能が良 くなるのか悪くなるのかを確認して下さい。バンド幅と遅延の積が大き なネットワークにて最も有用でしょう。

−o
−o
フラグの後に、オプションをコンマで区切って並べ指定します。指定 可能なオプションとその意味は mount(8) を参照してください。以下の NFS 固有のオプションを使用可能です:

port=⟨port_number
指定したポート番号を NFS 要求に使用します。デフォルトでは portmapper に問い合わせます。

acregmin=⟨seconds

acregmax=⟨seconds

acdirmin=⟨seconds

acdirmax=⟨seconds
ファイル属性がキャッシュされたときに、キャッシュエントリ をエクスパイアするためにタイムアウトを計算します。これら の 4 つの値は、 ‘‘ディレクトリ’’ および ‘‘通常’’ (ディレ クトリ以外) の上限および下限を決定します。デフォルトで は、通常ファイルは 3 から 60 秒、ディレクトリは 30 から 60 秒です。タイムアウトの算出アルゴリズムはファイルの古さ を元にするものです。ファイルが古くなると、キャッシュが有 効であると見なす期間も長くなり、上記限界に近付きます。

noinet4, noinet6
AF_INET や AF_INET6 の接続を無効化します。同じ名前で A レ コードと AAAA レコードを持つホストにおいて有用です。

歴史的な −o オプション

これらのオプションを使用する事は勧められません。歴史的な mount_nfs との互換性のためにここに記述してあります。

bg
−b
と同じ。

conn
−c
を指定しない場合と同じ。

dumbtimer
−d
と同じ。

intr
−i
と同じ。

lockd
−L
を指定しない場合と同じ。

nfsv2
−2
と同じ。

nfsv3
−3
と同じ。

rdirplus
−l
と同じ。

mntudp
−U
と同じ。

resvport
−P
と同じ。

soft
−s
と同じ。

tcp
−T
と同じ。

−r
データのリードサイズを指定した値にします。この値は通常 1024 以上 の 2 のべき乗でなければなりません。これはマウントポイントを頻繁に 使っている間に、 ‘‘タイムアウトで消失したフラグメント数’’ が大き くなっていくときに、UDP マウントに対して使います (netstat(1)−s オプション付きで使うことで、 ‘‘タイムアウトで消失したフラグメ ント数’’ の値を見ることができます)。 −w オプションも参照してくだ さい。

−s
ソフトマウントを行います。これは、タイムアウトが決められた リトラ イ回数に達すると、システムコールが失敗することを意味します。

−t
指定した値に初期再送タイムアウト時間を設定します。パケットの消失 レートの高いネットワークや負荷の高いサーバで行う UDP マウントを チューニングするときに役立ちます。ファイルシステムがアクティブな ときに nfsstat(1) が高い再送レートを示す場合には、この値を増やし てみて下さい。一方、再送レートは低いが、応答遅延が長い場合はこの 値を減らします。 (通常、 −d オプションをこのオプションとともに使 い、手動でタイムアウトインターバルを調整します。)

−w
指定した値にライトデータサイズを設定します。解説は −r オプション と同様ですが、 ‘‘タイムアウトで消失したフラグメント数’’ は、クラ イアントのかわりにサーバの値を使います。 −r−w のオプション は、マウントするサーバが TCP マウントをサポートしていない場合にパ フォーマンスを向上させる最後の手段であることに注意してください。

−x
ソフトマウントの再送タイムアウト回数を設定します。

関連項目

mount(2), unmount(2), fstab(5), mount(8), nfsd(8), nfsiod(8), showmount(8)

バグ

Sun RPCは UDP (信頼性のないデータグラム) トランスポート層上に実装されてい るため、マウントの性能をチューニングしても限界があります。サーバが同じ LAN ケーブル上にない場合や、サーバの負荷が高い場合には、 TCP トランスポー トを使うことを強くすすめますが、残念なことに、ほぼ 4.4BSD サーバに限られ ています。

FreeBSD 10.0 May 11, 2003 FreeBSD 10.0

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