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MOUNT(8) FreeBSD システム管理者マニュアル MOUNT(8)

名称

mount − ファイルシステムをマウントする

書式

mount [−adfpruvw] [−F fstab] [−o options] [−t ufs | external_type]

mount [−dfpruvw] special | node

mount [−dfpruvw] [−o options] [−t ufs | external_type] special node

解説

mount ユーティリティは mount(2) システムコールを使用して、 スペシャルデバ イスかリモートノード (rhost:path) をファイルシステムツリーの node へ接合 します。もし special または node が指定されなかった場合には、 fstab(5) ファイルから適切な情報を取得します。

システムは、現在マウントしているファイルシステムのリストを管理していま す。 mount コマンドを引数を与えずに実行すると、このリストが表示されます。

オプションとしては以下のものがあります:

       −a

fstab(5) に記述されているファイルシステムをすべてマウントします。 例外は、 ‘‘noauto’’ が指定されているもの、 −t フラグにて除外され ているもの (後述)、既にマウントされているもの (ルートファイルシス テムは伝統的なシングルユーザモードの動作を保つために除外されます) です。通常、これはシステムの起動時に実行されます。

−d
システムコールの実行以外のすべてのことを行ないます。このオプショ ンを −v とともに指定することで、 mount コマンドが何をしようとして いるのかを確認することができます。

−F fstab
使用する fstab ファイルを指定します。

−f
ファイルシステムのマウント状態を読み書き可能から読み込み専用へ変 更しようとするときに、すでにオープンされているファイルへの書き込 み許可を強制的に取り消します。また、正常かどうか不明なファイルシ ステムも強制的に読み書き可能にマウントします (危険なため注意して 使って下さい)。

−o
オプションは −o の後にコンマで区切って指定します。衝突するオプ ションが指定された場合、最も右側のオプションが効果があります。以 下のオプションが指定できます:

acls
アクセス制御リスト、すなわち ACLS を有効にします。これ は、 setfacl(1)getfacl(1) コマンドでカスタマイズでき ます。

async
指定したファイルシステムのすべての I/O を非同期に行いま す。このフラグを指定することは非常に 危険ですので、システ ムクラッシュ時にファイルシステムを作り直す用意ができてい ないかぎりは使うべきではありません。

current
−u
フラグとともに使用された場合、マウントされているファイ ルシステムに対する現在の効果を指定することと同じです。

force
−f
オプションと同じです。ファイルシステムのマウント状態を 読み書き可能から読み込み専用へ変更しようとするときに、す でにオープンされているファイルへの書き込み許可を強制的に 取り消します。また、正常かどうか不明なファイルシステムも 強制的に読み書き可能にマウントします (危険なため注意して 使って下さい)。

fstab
−u
フラグとともに使用された場合、ファイルシステムに対して fstab(5) に列挙されている全オプションを指定することと同じ です。

multilabel
指定されたファイルシステムでマルチラベル Mandatory Access Control、すなわち MAC を有効にします。ファイルシステムが マルチラベル操作をサポートしていれば、そのファイルシステ ム内では全オブジェクトに対して 1 つのラベルを使うのではな く、各オブジェクトに対して個々のラベルが保持されます。 tunefs(8)−l フラグの代わりです。マルチラベルマウント フラグをマウント時に自動的に設定することに関しての更なる 情報は mac(4) を参照して下さい。

noasync
メタデータ I/O を同期に行い、データ I/O を非同期に行いま す。これがデフォルトです。

noatime
ファイル読み取り時に、ファイルアクセス時刻を更新しませ ん。このオプションが便利なのは、多くのファイルを持ち、(ほ とんどの場合重要ではない) ファイルアクセス時刻を更新する よりも性能が重要であるファイルシステムです。このオプショ ンは現在ローカルファイルシステムでのみサポートされていま す。

noauto
mount
−a フラグ付きで動作しているときに、このファイル システムをスキップします。

noclusterr
リード時のクラスタリングを無効にします。

noclusterw
ライト時のクラスタリングを無効にします。

nodev
ファイルシステム上のキャラクタスペシャルデバイスやブロッ クスペシャルデバイスを解釈しません。このオプションは、 サーバが自分自身以外のアーキテクチャ用のスペシャルデバイ スを含むファイルシステムを持っている場合に有用です。ユー ザがスーパユーザ権限を持たないときには、本オプションが自 動的に設定されます。

noexec
マウントしているファイルシステム上のバイナリの実行を許可 しません。このオプションは、サーバが自分自身以外のアーキ テクチャ用のバイナリを含むファイルシステムを持っている場 合に有用です。

nosuid
実効ユーザ ID (set-user-ID) セット、実効グループ ID (set-group-ID) セットビットの効果をなくします。注意: suidperl(1) のような suid/sgid ラッパが誰でも使えるように システムにインストールされている場合には、価値がありませ ん。ユーザがスーパユーザ権限を持たないときには、本オプ ションが自動的に設定されます。

nosymfollow
マウントされたファイルシステムにおいては、シンボリックリ ンクを追跡しません。

ro
−r
と同じく、マウントするファイルシステムを読み込み専用と します (スーパユーザでも書き込みできなくなります)。

sync
ファイルシステムのすべての I/O を同期的に行います。

snapshot
本オプションにより、指定したファイルシステムのスナップ ショットを取得可能です。 −u フラグは、本オプションに必須 です。スナップショットファイルは、スナップショットが取ら れるファイルシステム上に作成される必要があります。ファイ ルシステムごとに、最大 20 個のスナップショットを作成可能 です。アクティブスナップショットはスーパブロックに記録さ れますので、アンマウントと再マウントを跨いだりシステムリ ブートを跨いても、これらは永続します。スナップショットが もう要らなくなったら、 rm(1) コマンドで削除可能です。ス ナップショットの削除順序は任意ですが、スナップショットに 含まれていた空間すべてを取り返せないかもしれません。なぜ なら、解放されるブロックを他のスナップショットが必要とし ているかもしれないためです。 schg フラグはスナップショッ ト上に設定されますので、 root ユーザでなくともこれらの ファイルに書き込み可能です。アンリンクコマンドはスナップ ショットファイルに対して例外であり、 schg フラグが設定さ れていても削除可能とすることで、スナップショットファイル 削除前に schg フラグをクリアしなくても良いようになってい ます。

スナップショットの取得後、次の 3 つの事柄を実行可能です:

1. スナップショットに fsck(8) を実行できます。マウント されていたときのファイルシステムがクリーンな場合、ス ナップショットに対する fsck はクリーン (かつ無変更 の) 結果が得られるはずです。これが、本質的にはバック グラウンド fsck 処理の動作です。

2. スナップショットに dump(8) を実行できます。スナップ ショットのタイムスタンプ時のファイルシステムと一致す るダンプが得られるでしょう。

3. ファイルシステムの凍結したイメージとして、スナップ ショットをマウントします。スナップショット /var/snapshot/snap1 をマウントするには次のようにしま す。

mdconfig -a -t vnode -f /var/snapshot/snap1 -u 4
mount -r /dev/md4 /mnt

凍結した /var ファイルシステムは /mnt にあり、検査可 能となりました。すべてが、スナップショットがとられた 時期と同じ状況にあります。例外は、以前のスナップ ショットが長さ 0 のファイルとして見えることです。マ ウントしたスナップショットに関する処理が完了したら、 次のようにします。

             umount /mnt
             mdconfig -d -u 4

より詳しいことは /usr/src/sys/ufs/ffs/README.snapshot に書いてありま す。

               suiddir

マウントされたファイルシステムにおけるディレクトリに SUID ビットがセットされると、新規ファイルの所有者をディレクト リの所有者に設定します。新規ディレクトリは親ディレクトリ のビットを継承します。実行ビットはファイルから取り除か れ、ファイルは root の所有とはなりません。

この機能は PC ユーザに対して ftp, SAMBA, netatalk のサー ビスを行うファイルサーバのためにデザインされました。これ はシェルユーザに対してセキュリティホールとなりますので、 特にホームディレクトリを持つシェルマシンでは使用すべきで はありません。このオプションが動作するためには、カーネル の SUIDDIR オプションが必要です。 UFS ファイルシステムの みがこのオプションをサポートします。詳細は chmod(2) を参 照してください。

update
−u
と同じく、すでにマウントされているファイルシステムの状 態を変化させることを指示します。

union
マウントポイント以下の名前空間に、マウントされたファイル システムのルートとマウントポイントに元から存在するディレ クトリの両方が見えるようにします。名前を検索するときは、 マウントしたファイルシステムが先に検索されます。ファイル が存在しないために検索が失敗した場合は、既存のディレクト リがアクセスされます。ファイル等の作成は、すべてマウント したファイルシステム上に対して行われます。

mount が内部で知っているファイルシステムタイプ (−t オプションを参 照) 以外の、ファイルシステムタイプに固有のオプションは、コンマで 区切って指定します。このオプションは、オプションの前に ‘‘-’’ ( ダッシュ記号) をつけて区別します。値を持つオプションは、 -option=valueの形で指定します。たとえば、

mount -t unionfs -o -b /sys $HOME/sys

では、 mount コマンドは以下と同じものを実行します:

      /sbin/mount_unionfs -b /sys $HOME/sys

ファイルシステムタイプに固有な追加オプションで、内部的には分から ないもの (下記 −t オプションを参照してください) は、関連する /sbin/mount_XXX ユーティリティのマニュアルページに記述されている かもしれません。

       −p

マウント情報を fstab(5) の形式で表示します。暗黙的に −v オプショ ンを指定します。

−r
ファイルシステムを読み込み専用でマウントします (スーパユーザでも 書き込みは行えません)。これは、 −o オプションで ro を指定するのと 同じです。

−t ufs | external_type
−t
のあとの引数にはファイルシステムタイプを指定します。デフォルト は、 ufs です。 −t オプションによって、 mount コマンドの操作が、 指定した特定のタイプのファイルシステムに対してのみ行われるように 指示することができます。 2つ以上のタイプを指定するにはコンマで区 切ります。ファイルシステムリストの先頭に ‘‘no’’ という文字をつけ ることによって、 mount コマンドの操作の対象と しないファイルシス テムタイプを指定することができます。以下に例を示します:

mount -a -t nonfs,nullfs

は、 NFS と NULLFS を除いた、すべてのファイルシステムをマウントし ます。

type を内部で解釈できない場合、 mount/sbin/mount_XXX というプ ログラムを実行しようとします。 XXX の部分が type になります。たと えば nfs ファイルシステムは、 /sbin/mount_nfs というプログラムに よってマウントされます。

ほとんどのファイルシステムは、まだ存在せず、カーネルモジュールが 使用可能な場合、カーネルが動的にロードします。

       −u

−u フラグは、すでにマウントしているファイルシステムの状態の変更を 指示します。ファイルシステムを読み込み専用から読み書き可能へ、ま たその逆へも変更することを含めて、すでに説明したすべてのオプショ ン (−o オプション) の内容を変更することができます。読み書き可能な ファイルシステムを読み出し専用に変更する場合、書き込みのために オープンしているファイルがあるときには、 −f オプションを指定しな ければ変更に失敗します。どのオプションを適用するかを決定する際、 最初に −o オプションの引数を適用し、最後に −r, −w オプションが適 用されます。

−v
詳細なメッセージを表示します。

−w
ファイルシステムを読み書き可能とします。

診断

多岐に渡りますが、ほぼ全てが自明です。

XXXXX filesystem is not available

カーネルはそのファイルシステムタイプをサポートしていません。ファイルシス テムのサポートは、静的 (カーネルコンパイル時) もしくは動的 ( kldload(8) によってカーネルモジュールとしてロードされる) です。

環境変数

       PATH_FSTAB

環境変数 PATH_FSTAB が設定されていると、すべての操作は指定さ れたファイルに対して実行されます。プロセス環境やメモリアドレ ス空間が ‘‘汚染されている’’ とみなされる場合には PATH_FSTAB は尊重されません (更なる情報は issetugid(2) を参照してくださ い)。

関連ファイル

       /etc/fstab

ファイルシステムテーブル

関連項目

getfacl(1), setfacl(1), mount(2), acl(3), mac(4), fstab(5), kldload(8), mount_cd9660(8), mount_devfs(8), mount_ext2fs(8), mount_fdescfs(8), mount_hpfs(8), mount_linprocfs(8), mount_msdosfs(8), mount_nfs(8), mount_ntfs(8), mount_nullfs(8), mount_nwfs(8), mount_portalfs(8), mount_procfs(8), mount_smbfs(8), mount_std(8), mount_udf(8), mount_umapfs(8), mount_unionfs(8), umount(8)

バグ

異常なファイルシステムをマウントすると、システムクラッシュを引き起こすこ とがあります。

警告

mount に成功した後にマウントされたファイルシステムから .. がアクセス可能 かどうかは、元のマウントポイントのパーミッションが決定します。全ユーザが 双方向にマウントポイントを行き来可能とするために最低限必要なパーミッショ ンは 0111 (全員が実行可能) です。

歴史

mount ユーティリティは Version 1 AT&T UNIX から登場しています。

FreeBSD 10.0 April 7, 2003 FreeBSD 10.0

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