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PERIODIC.CONF(5) FreeBSD ファイルフォーマットマニュアル PERIODIC.CONF(5)

名称

periodic.conf − 定期実行ジョブの設定情報

解説

periodic.conf ファイルには、日次/週次/月次のシステムメンテナンスジョブを どのように実行するかが記述されています。このファイルは /etc/defaults にあ り、 /etc の下にある同名のファイルは部分的に優先されます。そしてさらに /etc/periodic.conf.local が優先されます。

periodic.conf は実際にはそれぞれの定期実行スクリプトからシェルスクリプト として取り込まれ、単にデフォルトの設定変数を提供することを意図していま す。

以下の変数は periodic(8) 自身によって使用されます:

           local_periodic

(文字列) 定期実行スクリプトを検索するディレクトリのリスト。このリ ストは periodic(8) の引数が絶対パスのディレクトリ名でなかった場合 にのみ使用され、常に /etc/periodic が前置きされます。

dir_output
(パス または リスト) dir ディレクトリから起動されるスクリプトの出 力をどうするか記述します。この変数に絶対パスが指定された場合、出 力はそのファイルに行われます。絶対パスではなかった場合は、一つ以 上のスペースで区切られた複数のメールアドレスと解釈され、それらの ユーザにメールで送られます。この変数が設定されてない場合や変数が 空であった場合は、標準出力に出力されます。

それほど気にかけていないマシンでは daily_output, weekly_output, monthly_output はそれぞれ ‘‘/var/log/daily.log’’, ‘‘/var/log/weekly.log’’, ‘‘/var/log/monthly.log’’ にしておくとい いでしょう。すると newsyslog(8) が、(もしファイルがあれば) これら のファイルを適切な時に切替えます。

dir_show_success

dir_show_info

dir_show_badconfig
(ブール値) これらの変数は起動されたスクリプトの戻り値に従って、 periodic(8) が出力を抑制するかどうかを制御します (ここで dir はそ れぞれのスクリプトが置かれてるディレクトリ名です)。もしスクリプト の戻り値が ‘0’ で、 dir_show_success が ‘‘NO’’ に設定されていた場 合、 periodic(8) はスクリプトの出力を抑制します。もしスクリプトの 戻り値が ‘1’ で、 dir_show_info が ‘‘NO’’ に設定されていた場合、 periodic(8) はスクリプトの出力を抑制します。もしスクリプトの戻り 値が ‘2’ で、 dir_show_badconfig が ‘‘NO’’ に設定されていた場合、 periodic(8) はスクリプトの出力を抑制します。もしこれらの変数が ‘‘YES’’ にも ‘‘NO’’ にも設定されていなかった場合は、それぞれのデ フォルト値は ‘‘YES’’, ‘‘YES’’ そして ‘‘NO’’ です。

スクリプトの戻り値がどのように解釈されるかは periodic(8) のマニュ アルページを参照して下さい。

以下の変数は /etc/periodic/daily にある標準のスクリプトによって使用されま す:

daily_clean_disks_enable
(ブール値) daily_clean_disks_files にマッチしたファイルを毎日削除 したい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_clean_disks_files
(文字列) マッチさせるファイル名のリストを設定します。ワイルドカー ドも使用できます。

daily_clean_disks_days
(整数) daily_clean_disks_enable が ‘‘YES’’ の場合、何日間ファイル にアクセスや修正がなかったら削除するかをこの変数に設定する必要も あります。

daily_clean_disks_verbose
(ブール値) 削除したファイル名を日次の出力で報告させたい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_clean_tmps_enable
(ブール値) 毎日一時ディレクトリをきれいにしたい場合 ‘‘YES’’ に設 定します。

daily_clean_tmps_dirs
(文字列) daily_clean_tmps_enable が ‘‘YES’’ に設定されていた場合 にきれいにするディレクトリ名のリストを指定します。

daily_clean_tmps_days
(整数) daily_clean_tmps_enable が設定されていた場合、何日間ファイ ルにアクセスや修正がなかったら削除するかをこの変数に設定する必要 もあります。

daily_clean_tmps_ignore
(文字列) daily_clean_tmps_enable が ‘‘YES’’ に設定されていた場合 に削除させたくないファイルのリストを設定します。ワイルドカードも 使用可能です。

daily_clean_tmps_verbose
(ブール値) 削除したファイル名を日次の出力で報告させたい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_clean_preserve_enable
(ブール値) /var/preserve から古いファイルを削除したい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_clean_preserve_days
(整数) 何日間ファイルに修正がなかったら削除するかをこの変数に設定 します。

daily_clean_preserve_verbose
(ブール値) 削除したファイル名を日次の出力で報告させたい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_clean_msgs_enable
(ブール値) 古いシステムメッセージを削除する場合 ‘‘YES’’ に設定し ます。

daily_clean_msgs_days
(整数) 何日間ファイルに修正がなかったら削除するかを設定します。こ の変数が空白だった場合、 msgs(1) のデフォルト値が使われます。

daily_clean_rwho_enable
(ブール値) /var/who の下の古いファイルを削除したい場合 ‘‘YES’’ に 設定します。

daily_clean_rwho_days
(整数) 何日間ファイルに修正がなかったら削除するかを設定します。

daily_clean_rwho_verbose
(ブール値) 削除したファイル名を日次の出力で報告させたい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_clean_hoststat_enable
(ブール値) /var/spool/.hoststat sendmail −bH を実行して、 sendmail(8) のホスト状態キャッシュから古いエントリを削除したい場 合、 ‘‘YES’’ に設定します。削除ファイルの判断基準は、 sendmail(8) がキャッシュ情報を信じるかどうかに通常使用する判断基準と同じであ り、 /etc/mail/sendmail.cf で設定されます。

daily_backup_passwd_enable
(ブール値) /etc/master.passwd ファイルと /etc/group ファイルの バックアップをとりリポートを出力させたい場合 ‘‘YES’’ に設定しま す。リポートは、両ファイルに対する修正点と group ファイルに chkgrp(8) をかけた結果を出力します。

daily_backup_aliases_enable
(ブール値) /etc/mail/aliases ファイルのバックアップをとり修正点を 日次の出力で報告させたい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_backup_distfile_enable
(ブール値) /etc/Distfile ファイルのバックアップをとり修正点を日次 の出力で報告させたい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_calendar_enable
(ブール値) 毎日 calendar −a を実行したい場合 ‘‘YES’’ に設定しま す。

daily_accounting_enable
(ブール値) 毎日アカウンティングファイルを切り替えたい場合 ‘‘YES’’ にします。 rc.conf(5) の中の accounting_enable が有効になっていな い場合は切り替える必要はありません。

daily_accounting_compress
(ブール値) 日々のアカウンティングファイルを gzip(1) を使用して圧 縮したい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_accounting_save
(数値) daily_accounting_enable が設定されている場合、保存すべき日 々のアカウンティングファイル数を指定します。デフォルトは ‘‘3’’ で す。

daily_accounting_flags
(文字列) daily_accounting_enable が ‘‘YES’’ に設定されていた場合 に (−s に加えて) sa(8) ユーティリティに渡すフラグを指定します。デ フォルトは −q です。

daily_distfile_enable
(ブール値) 毎日 rdist(1) を実行したい場合 ‘‘YES’’ に設定します。 その場合 /etc/Distfile も存在していなければなりません。

daily_news_expire_enable
(ブール値) /etc/news.expire を実行したい場合 ‘‘YES’’ に設定しま す。

daily_status_disks_enable
(ブール値) (daily_status_disks_df_flags を引数に指定して) df(1) を実行し、また dump −W を実行したい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_disks_df_flags
(文字列) daily_status_disks_enable が ‘‘YES’’ の場合、 df(1) ユー ティリティに渡す引数を設定します。

daily_status_network_enable
(ブール値) netstat −i を実行したい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_network_usedns
(ブール値) netstat(1) を実行する時、(DNS を参照するための) −n オ プションをつけずに実行したい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_rwho_enable
(ブール値) uptime(1) を実行したい場合 (もしくは /etc/rc.conf の中 で rwhod_enable を ‘‘YES’’ に設定していて ruptime(1) を実行したい 場合) ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_mailq_enable
(ブール値) mailq(1) を実行したい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_mailq_shorten
(ブール値) daily_status_mailq_enable を ‘‘YES’’ に設定していて mailq(1) の出力を短くしたい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_include_submit_mailq
(ブール値) daily_status_mailq_enable を ‘‘YES’’ に設定した場合 で、提出用メールキューに対しても mailq(1) を実行したい場合、 ‘‘YES’’ に設定します。 sendmail(8) 以外の MTA ではこれは動作しな いかもしれません。

daily_status_security_enable
(ブール値) セキュリティチェックを実行したい場合 ‘‘YES’’ に設定し ます。セキュリティチェックは、別の periodic(8) スクリプト集合で す。システムデフォルトは /etc/periodic/security にあります。ロー カルスクリプトは /usr/local/etc/periodic/security に置きます。更 なる情報は、 periodic(8) マニュアルページを参照してください。

daily_status_security_inline
(ブール値) セキュリティチェック出力をその場に含めたい場合 ‘‘YES’’ に設定します。デフォルトでは、 daily_status_security_output の値 に従い、出力をメールするかログします。

daily_status_security_output
(文字列) daily_status_security_inline が ‘‘NO’’ である場合の、セ キュリティチェック出力の送信先です。この変数は、前述の *_output 変数と同様に振舞います。すなわち、1 個以上の email アドレスか、1 個の絶対パス指定のファイル名です。

daily_status_security_chksetuid_enable
(ブール値) setuid 実行形式のモードと修正時刻を前日の値と比較した い場合、 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_security_chkmounts_enable
(ブール値) マウントされたファイルシステムが前日と違うかどうかを比 較したい場合、 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_security_noamd
(ブール値) daily_status_security_chkmounts_enable チェックにおい て、前日のファイルシステムのマウント状況と比較する時に amd(8) に よるマウントを無視したい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_security_chkuid0_enable
(ブール値) /etc/master.passwd を UID 0 に関して調査したい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_security_passwdless_enable
(ブール値) パスワードが空になっているアカウントを調査するために /etc/master.passwd ファイルをチェックしたい場合 ‘‘YES’’ に設定し ます。

daily_status_security_ipfwdenied_enable
(ブール値) 前日のチェック以来、 ipfw(8) が拒否したパケットのログ エントリを表示する場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_security_ipfdenied_enable
(ブール値) 前日のチェック以来、 ipf(8) が拒否したパケットのログエ ントリを表示する場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_security_pfdenied_enable
(ブール値) 前日のチェック以来、 pf(4) が拒否したパケットのログエ ントリを表示する場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_security_ipfwlimit_enable
(ブール値) 冗長限界に到達した ipfw(8) ルールを表示する場合、 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_security_ip6fwdenied_enable
(ブール値) 前日のチェック以来、 ip6fw(8) が拒否したパケットのログ エントリを表示する場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_security_ip6fwlimit_enable
(ブール値) 冗長限界に到達した ip6fw(8) ルールを表示する場合、 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_security_kernelmsg_enable
(ブール値) 前日のチェック以来の新規 dmesg(8) エントリを表示する場 合、 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_security_loginfail_enable
(ブール値) 前日のログイン失敗を /var/log/messages から表示する場 合、 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_security_tcpwrap_enable
(ブール値) 前日中に tcpwrappers (hosts_access(5) 参照) が拒否した 接続を /var/log/messages から表示する場合、 ‘‘YES’’ に設定しま す。

daily_status_mail_rejects_enable
(ブール値) /var/log/maillog に記録された前日分のメール拒否を要約 したい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_mail_rejects_logs
(整数) 前日分のメール拒否について、チェックするべき maillog ファ イルの数を設定します。

daily_status_named_enable
(ブール値) 前日分の拒否されたゾーン転送 (AXFR と IXFR) を要約した い場合 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_status_named_usedns
(ブール値) DNS の逆引き検索を有効にしたい場合 ‘‘YES’’ に設定しま す。

daily_queuerun_enable
(ブール値) 最低 1 日に 1 度はメールキューを手動で実行させたい場 合、 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_submit_queuerun
(ブール値) daily_queuerun_enable を ‘‘YES’’ に設定した場合で、提 出用メールキューに対しても最低 1 日に 1 度は手動で実行したい場 合、 ‘‘YES’’ に設定します。

daily_local
(文字列) 他のすべての日次スクリプトの後に実行する追加スクリプトの リストを設定します。すべてのスクリプトは絶対パスで指定されなけれ ばなりません。

以下の変数は /etc/periodic/weekly にある標準のスクリプトによって使用され ます:

weekly_clean_kvmdb_enable
(ブール値) 古い /var/db/kvm_*.db ファイルを削除したい場合 ‘‘YES’’ に設定します。現在のカーネルが使っている kvm ファイルは削除されま せん。

weekly_clean_kvmdb_days
(整数) 何日間ファイルにアクセスがなかったら削除するかをこの変数に 設定する必要があります。

weekly_clean_kvmdb_verbose
(ブール値) 削除したファイル名を週次の出力で報告させたい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

weekly_locate_enable
(ブール値) /usr/libexec/locate.updatedb を実行したい場合 ‘‘YES’’ に設定します。このスクリプトは nobody ユーザとして nice −5 を使用 して実行され、 locate(1) コマンドによって使われるテーブルを生成し ます。

weekly_whatis_enable
(ブール値) /usr/libexec/makewhatis.local を実行したい場合 ‘‘YES’’ に設定します。このスクリプトは apropos(1) コマンドによって使われ るデータベースを再生成します。

weekly_catman_enable
(ブール値) /usr/libexec/catman.local を実行したい場合 ‘‘YES’’ に 設定します。このスクリプトはすべての古くなったマニュアルページを 処理して、ディスク容量を消費する代わりに man(1) コマンドを速くし ます。

weekly_noid_enable
(ブール値) システム上でみなしごになったファイルを探したい場合 ‘‘YES’’ に設定します。みなしごになったファイルとは、無効なユーザ やグループのものとなっているファイルです。

weekly_noid_dirs
(文字列) みなしごになったファイルを探したいディレクトリのリストを 指定します。これは通常 / に設定されます。

weekly_status_pkg_enable
(ブール値) インストールされているパッケージの中で古くなったものを pkg_version(1) を使用して一覧にしたい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

pkg_version
(文字列) weekly_status_pkg_enable が ‘‘YES’’ に設定されていた場 合、古くなった packages を判定するためのプログラムをこの変数が指 定します。未設定の場合、 pkg_version(1) プログラムが使用されま す。例えば、portupgrade port がインストールされている場合、この変 数に ‘‘portversion’’ を設定可能です。

pkg_version_index
(文字列) この変数は、 /usr/ports ディレクトリから INDEX ファイル を指定します。これは、 pkg_version(1) が使用する必要のあるファイ ルです。 FreeBSD のバージョンにより依存関係の木構造が本質的に異な りますので /usr/ports の中には 2 つ以上の INDEX ファイルが存在す る可能性があります。

注意すべきこととして、変数 pkg_version に値 ‘‘portversion’’ が設 定されている場合にも、環境変数を用いて正しい INDEX ファイルを指定 する必要があります。また、 /etc/periodic.conf の中で、 pkg_version_index をクリアしておく (‘‘pkg_version_index=’’) 必要 があります。

weekly_local
(文字列) 他のすべての週次スクリプトの後に実行する追加スクリプトの リストを設定します。すべてのスクリプトは絶対パスで指定されなけれ ばなりません。

以下の変数は /etc/periodic/monthly にある標準のスクリプトによって使用され ます:

monthly_accounting_enable
(ブール値) ac(8) コマンドによってログインのアカウンティング処理を 行いたい場合 ‘‘YES’’ に設定します。

monthly_local
(文字列) 他のすべての月次スクリプトの後に実行する追加スクリプトの リストを設定します。すべてのスクリプトは絶対パスで指定されなけれ ばなりません。

関連ファイル

       /etc/defaults/periodic.conf

デフォルト設定ファイルです。このファイルはす べてのデフォルトの変数と設定値が記述されてい ます。

/etc/periodic.conf
通常、システム特有の変数を優先させるための ファイルです。

/etc/periodic.conf.local
さらに追加して優先させるためのファイルで、 /etc/periodic.conf を共有していたり、配布し ていたりする場合に役立ちます。

関連項目

apropos(1), calendar(1), df(1), gzip(1), locate(1), man(1), msgs(1), netstat(1), nice(1), pkg_version(1), rdist(1), rc.conf(5), ac(8), chkgrp(8), dump(8), newsyslog(8), periodic(8), sendmail(8)

歴史

periodic.conf ファイルは FreeBSD 4.1 で登場しました。

作者

Brian Somers ⟨brian@Awfulhak.org⟩

FreeBSD 10.0 November 24, 2004 FreeBSD 10.0

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