YankRing.vimでvimのヤンクの履歴を管理し、効率的にペーストする方法

このドキュメントの内容は、以下の通りです。

• はじめに
• YankRing.vim のインストール
• 使い方
• そのほかのコマンド
• YRShow
• YRSearch
• YRClear
• 設定
• まとめ

はじめに

超天才、ビル・ジョイ(Bill Joy)の発明したテキストエディタイであるviから派生したvimは、究極のエディタの１つです。
このスーパーでグレートな vimには、たくさんの機能があり、さらに、足りない機能を補うための、vim script 群が存在します。

vimでは、yでヤンク（コピー）し、pでペーストすることができます。
yとpを利用することで、効率的にテキストを編集することができます。
vimには、レジスタの機能があり、指定のレジスタにヤンクをして、指定のレジスタから貼り付けることもできます。
しかしながら、明示的に保存する必要があります。

YankRing では、ヤンクの履歴を管理することができます。
簡単に言うとヤンクの履歴をたどって、ペーストすることができます。

YankRing.vim のインストール

vimのプラグインを .vim のプラグインディレクトリにコピーします。

cd $HOME/.vim
w3m 'http://www.vim.org/scripts/download_script.php?src_id=13554'
unzip download_script.php\?src_id=13554
rm -f download_script.php\?src_id=13554

vimを起動し、ヘルプタグを更新します。

:helptags ~/.vim/doc

使い方

適当に yy で数行ほどヤンクします。

たとえば、 1, 2, 3 をヤンクします。

1
2
3

ノーマルモードで p (ペースト) コマンドを実行すると、まず
最新のヤンクが貼り付けられます。
そのまま、以下のコマンドで履歴に置き換えることができます。
C-p で古い履歴
C-n で新しい履歴

1
2
3
という順番で yy をした場合、
p をすると
3
をペーストされ、
C-pを実行すると
2
になります。
さらにC-pを実行すると
1
に置き換わります。

1
2
3
という順番で yy をした場合、
p をすると
3
をペーストされ、
C-nを実行すると
空になります。
さらにC-nを実行すると
1
に置き換わります。
さらにC-nを実行すると
2
に置き換わります。
さらにC-nを実行すると
3
に置き換わります。

このように履歴をぐるぐる回すことができます。
行き過ぎたら、反対のコマンドをたどれば、戻ることもできます。

そのほかのコマンド

YankRing.vim には、いくつもの機能がありますが、主要なものをいくつか紹介します。

YRShow

YRShow は、YankRingが管理しているヤンクの履歴です。
ヤンクの履歴を表示し、その履歴から選択することで、ペーストすることができます。
表示される履歴のバッファで 検索(/)することもできるので、履歴がたくさんあるときには、重宝します。

コマンド

:YRShow

実行結果

AutoClose=1;ClipboardMonitor=0;Cmds:<enter>,[g]p,[g]P,d,r,s,a,c,u,q,<space>;Help=?
--- YankRing ---
Elem  Content
1     3\n
2     2\n
3     1\n
4     \n

YRSearch

ヤンク履歴を検索することができます。

コマンド

検索する文字列を指定して実行する場合。

:YRSearch [2-3]

検索する文字列を指定しないで実行する場合。

:YRSearch

検索するパターンを入力するプロンプトが表示されます。

~
~
[No Name][+][euc-jp][unix]     <8,1>    All
Enter [optional] regex:

実行結果

たとえば、 2 か 3 がある履歴を探します。

:YRSearch [2-3]

検索結果のバッファが表示され、j/kなどで移動して、選択（Enter)でペーストすることができます。

AutoClose=1;ClipboardMonitor=0;Cmds:<enter>,[g]p,[g]P,d,r,s,a,c,u,q,<space>;Help=?;SearchRegEx=[2-3]
--- YankRing ---
Elem  Content
1     3\n
2     2\n

YRClear

ヤンクの履歴をクリアします。

コマンド

:YRShow

設定

主要な設定を紹介します。

ヤンクリングの最大履歴数

:let g:yankring_max_history = 30

まとめ

一言でいうと p(ペースト) をした後に C-n/C-p でヤンクの履歴に置き換えることができます。

非常に便利です。
確実に編集のスピードが上がります。

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