C言語 システムコール waitpid()をwait()と同じ意味で使う方法
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このドキュメントの内容は、以下の通りです。
はじめに
パソコンのオペレーティングシステムの中では、さまざまなプログラムが実行されています。WindowsやUnixでは、実行中のプログラムのことをプロセスと呼ばれます。オペレーティングシステムから提供された CUI や GUI の環境で、オペレーティングシステムの利用者は、プログラムを実行します。LinuxやFreeBSDのターミナルでは、シェルが実行されています。利用者は、そのシェルにコマンドを実行します。シェルがコマンドラインを解釈して、シェルというプロセスが新しいプロセスを作成して、コマンドを起動しています。
オペレーティングシステムの中では、たくさんのプロセスが作成され、そして終了していきます。Unix の世界で特徴的なのは、親プロセスよりも先に子プロセスがいなくなる、ということです。人間とは異なり、Unixの世界では、親プロセスが子プロセスのお葬式を行うという、そういう文化です。プロセスの作成と終了には、お作法が存在します。ここでは,FreeBSDなどのUnix(やLinux)にて、C言語で子プロセスの処理をする方法について紹介します。
Unix のプロセスの作成や終了については [2007-12-23-1]で解説していますので参考にしてください。
子プロセスの終了処理について
Linux や FreeBSD では、子プロセスは、fork システムコールによって作成されます。子プロセスが終了した場合には、親プロセスが子プロセスの終了ステータスを受け取らねばなりません。親プロセスが子プロセスの終了ステータスを受け取るには、 wait 系のシステムコールを利用します。子プロセスの終了をwait()システムコールで待つことができます。wait系のシステムコールは、いくつかあります。wait()システムコールと同等の意味(動作)をwaitpid()システムコールでも行うことができます。
wait系システムコールの書式
wait 系システムコールは、下記以外にもあります。以下のシステムコールは、 FreeBSD と Linux の両方で利用できます。
#include <sys/types.h> #include <sys/wait.h> pid_t wait(int *status); pid_t waitpid(pid_t pid, int *status, int options);
また、上記以外で FreeBSD と Linux によっては、どちらかにしかないものもあります。
waitpidをwaitと同じように使う方法
waitpidをwaitと同じように使う方法は紹介します。wait システムコールの例を以下に示します。 wait システムコールを呼び出すと、プログラムは、いずれかの子プロセスが終了するまで、ブロックされます。
pid_t pid; int status; pid = wait (& status);
上記と同じ実装を waitpid で実現する例を以下に示します。
waitpid の第一引数は、終了を待ちたいプロセスIDを指定することができますが、 -1 を指定することで、いずれかの子プロセスが終了するのを待ちます。
pid_t pid; int status; pid = waitpid (-1, & status, 0);
waitpid()の第一引数の意味
waitpid の第1引数(wpid)の意味を以下の表にまとめます。第1引数 | 意味 |
-1より小さい(-1<) | プロセスグループIDがwpidの絶対値と等しいプロセスを待つ |
-1 | すべての子プロセスを待つ |
0 | 呼び出し側のプロセスグループのすべての子プロセスを待つ |
0より大きい(>0) | wpidと同じプロセスの終了を待つ |
さいごに
Unixのプロセスの作成や子プロセスの終了後の処理方法やforkとwaitのシステムコールの理解は深まりましたでしょうか?これに関連する記事を紹介いたします。
forkシステムコールの使い方については、[2007-12-21-1] で解説しています。
waitシステムコールの使い方については、[2007-12-21-2] で解説しています。
C言語で「複数の子プロセスをwaitシステムコールで待つ方法」については、[2007-12-23-1]で解説しています。
C言語のerrnoの実装(FreeBSD)については、 [2007-12-22-1] で解説しています。
UNIX C言語プログラミング プロセスの存在を調べる方法については、 [2008-06-17-2] で解説しています。
これらの記事を参考にしていただければ幸いです。
参照しているページ (サイト内): [2007-12-23-1]
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